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4最終章//少年期2

閑話 シュウマン ネイビー伯爵令息の場合 3

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「そんなはず 無いわよ! シュウ君はまだ小さいから知らないのよ」

「分かった。ルディに聞いてみる。父上にも聞いてみる。父上は何でも知っているんだからね」



「あたしも 調べてみる!」



「でも 明日は一日中寝てるのは無理かもしれない」



「そうか そうだよね…… あ クレッシェンド王国って事は、シュウ君、外国人かぁ、

あれ?そうか 瞳めの色も黒じゃないのかな?」



ユメが僕の目を覗き込もうと前かがみになって、背中がドアから離れた。

そのはずみにドアが揺れて、ユメがドアの向こうに引き込まれて行き……





僕は目が覚めた。けれど、そのまま 眠ってしまった。

ユメに会った後の眠りは 疲れすぎているのか真っ暗な、夢の世界に行くことすらない眠りだ。



”ユメにあう。少し明るい世界でドアが見つけやすい。ユメにとっては外に出るドア。僕にとってはどこかに入るドア。ユメはにほんじん”



次に喉が渇いて目が覚めた時に、思い出しながら 夢見帳を書いた。


にほん、については父に聞いたけれど、父もそして、ルディも知らなかった。



僕の夢は 明るくなった。

でも 探してもドアは見つからなくてユメには会えなくて とうとう僕は七歳になった。



ユメに会えるかもしれない事や 夢の世界を見る事が楽しみでちゃんと眠れるようになった。

ユメには会えなくても 両親やルディが夢に出てきたり、夢の中で野原や山を歩いていることもある。

それを夢見帳に書くと 両親もルディも満足げに笑う。



僕は夕焼けの中で池のほとりに居た。

池の中を覗き込んだら 僕の顔がはっきりと映っていた。

それから もう一つの顔が並んで映っていて あれ?って横を見たら ユメが居た。

なんだか、ユメ、大きくなっている気がするけど、僕ばかり小さいままなのは悔しい気がして

言わなかった。



「ひっさしぶり!」

「そうだね 今日はドアじゃないの?」

「うん 気が付いたら池があって 覗き込んだら 横にシュウが居た」



ユメも同じような感じらしい



「今日は いいこと教えてあげる」

「何?」

「クレッシェンド王国って見つけたよ」



「ほらね あったでしょ?」

「ぶっぶー」



ぶっぶーって何?



「クレッシェンド王国ってお話の中の国だよ?今度 持って来てあげるね 全部じゃないけど

おばあちゃんちにマンガがあったの見つけたからね」



マンガ?なんだろう?



「そうだ。にほんっていうのは ルディも知らなかったんだよ」

「そっかあ そっちは、こっちの事、知らないんだ。……ふーん」



ユメはスカートのポケットに手を入れた



「あ!あやとり紐が入ってる。シュウ君 あやとり知ってる?」



ポケットから ユメが輪になった紐を取り出した。



「あやとり?」



ユメが”あやとり”というのを教えてくれた。

ホウキというのをやっと一人で出来るようになった時に 池の水が震えた

何だろうと 二人で池を覗き込んだら



目が覚めた



”ユメに あやとりを おしえてもらう ユメは大きくなるのが早い にほんじんだからかな”



夢見帳を書くのと同時に 僕は床に崩れ落ちて眠った



あやとりは 夢見の芸術 と名付けられて 技の家系に伝えられた。

ここからは 技の家系の仕事だ





***



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