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5-1.ホットミルク
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その夜、シェルはベッドの中で何度も寝返りを打っていた。
目はすっかり夜の闇に慣れ、カーテンから漏れる月明かりが眩しい。
昼間、ゼノから聞いた話が頭から離れない。
畏怖の存在であったルーカスの一面。その孤独を埋めることが、自分にできるだろうか。
眠りにつけず、水を飲もうと部屋を出た。
廊下を進むと、キッチンの明かりが見える。ルーカスが帰って来ているらしい。
一瞬躊躇ったが、シェルは胸元をぎゅっと掴んでキッチンへと入る。
「ご主人様、お帰りになられていたのですね」
「ああ、起こしたか?」
「いえ、僕はちょっと、眠れなくて」
そうか、と頷いたルーカスが小さな鍋を取り出した。そこにミルクを入れ、火をつける。
「こういうのでも飲めば、眠れるんじゃないか」
驚いてルーカスを見上げると、パッと視線を逸らされた。
「いらないなら俺が飲む」
「い、いただきます!」
ルーカスの入れてくれたミルクを持って、リビングのソファに座る。
マグカップから伝わる熱が、冷えていた掌を温めた。何度かふーっと息を吹き、ゆっくりと啜る。
グラスと酒の瓶を手に、ルーカスが隣へ座った。
「すみません。お注ぎします」
ルーカスが置いた瓶を手に取る。背が低いグラスには、丸い大きな氷が入っていた。
酒のことはよくわからなかったが、氷に纏うように注がれた琥珀色のそれは美しく見えた。
どうぞ、と瓶を置くとルーカスが無言で持ち上げる。
「お酒の作り方、教えてください。僕、よくわからなくて」
「そんなことは気にするな。お前はペットでメイドじゃない」
酒を飲むルーカスに、シェルも黙ってミルクを飲む。
すぐ空になってしまったミルクを飲むふりをして、ルーカスをちらりと見上げる。
黒いシャツのボタンがふたつほど肌蹴られ、太い首筋が覗く。
夜中まで掛かった仕事の後だからか、これまで見せていた張りつめた空気はなく、気だるげにグラスを傾けていた。
目はすっかり夜の闇に慣れ、カーテンから漏れる月明かりが眩しい。
昼間、ゼノから聞いた話が頭から離れない。
畏怖の存在であったルーカスの一面。その孤独を埋めることが、自分にできるだろうか。
眠りにつけず、水を飲もうと部屋を出た。
廊下を進むと、キッチンの明かりが見える。ルーカスが帰って来ているらしい。
一瞬躊躇ったが、シェルは胸元をぎゅっと掴んでキッチンへと入る。
「ご主人様、お帰りになられていたのですね」
「ああ、起こしたか?」
「いえ、僕はちょっと、眠れなくて」
そうか、と頷いたルーカスが小さな鍋を取り出した。そこにミルクを入れ、火をつける。
「こういうのでも飲めば、眠れるんじゃないか」
驚いてルーカスを見上げると、パッと視線を逸らされた。
「いらないなら俺が飲む」
「い、いただきます!」
ルーカスの入れてくれたミルクを持って、リビングのソファに座る。
マグカップから伝わる熱が、冷えていた掌を温めた。何度かふーっと息を吹き、ゆっくりと啜る。
グラスと酒の瓶を手に、ルーカスが隣へ座った。
「すみません。お注ぎします」
ルーカスが置いた瓶を手に取る。背が低いグラスには、丸い大きな氷が入っていた。
酒のことはよくわからなかったが、氷に纏うように注がれた琥珀色のそれは美しく見えた。
どうぞ、と瓶を置くとルーカスが無言で持ち上げる。
「お酒の作り方、教えてください。僕、よくわからなくて」
「そんなことは気にするな。お前はペットでメイドじゃない」
酒を飲むルーカスに、シェルも黙ってミルクを飲む。
すぐ空になってしまったミルクを飲むふりをして、ルーカスをちらりと見上げる。
黒いシャツのボタンがふたつほど肌蹴られ、太い首筋が覗く。
夜中まで掛かった仕事の後だからか、これまで見せていた張りつめた空気はなく、気だるげにグラスを傾けていた。
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