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しおりを挟むあれこれ考えながら畳に手を置くと、灰村の尻尾が掠った。
「尻尾、触ってみてもいい?」
「いいですよ」
人間と獣人の1番の違いといえば、やはり『獣』の部分だろう。
黒い毛先に恐る恐る触れてみると、少しゴワついていた。
付け根の方の灰褐色の毛並みは、よく見ると黒いブチ模様が入っている。そこを撫でると、尻尾がゆらりと動いた。
「ブラッシングとかすんの?」
「僕はしたことないです」
そういえば、灰村の髪もボサボサで床屋に行ってるのかも怪しい。全然見た目とか気にしないやつなのか。
ちゃんとしてればなかなかアンニュイな顔してるから、女子ウケしそうなのにもったいない。
髪をじっと見上げていると、丸っこいハイエナの耳がピコピコ動いていた。そういや、獣人の耳ってどうなってんだ?
手を伸ばして耳に触れようとすると、灰村の肩がビクッと跳ねた。
「っ!」
「悪い、嫌だった?」
「すみません……獣人は耳が敏感なんです」
へにょっ、と耳が垂れてしまった。不用意に触れていい部分じゃなかったのか。
「人間の耳は、触れられても大丈夫なんですか?」
「人によるだろうけど、俺は別に」
「触ってみてもいいですか?」
なんでだよ、とツッコミそうになったが、俺が獣人の耳に興味を持つのと同じことか。
「いいけど」
「失礼します」
灰村の指が、そっと俺の左耳に触れた。
「ひっ!」
「やっぱり人間も敏感なんですね」
「いや今のは、お前の手が冷たかったから」
「すみません。でも椎名さんの耳、すごくあったかいですね」
灰村は俺の耳を縁取るようになぞった。ゾワゾワとこそばゆい。
何が楽しいのか、そのまま俺の耳をいじり続ける。
「人間の耳なんておもしろくないだろ」
「そんなことないです。人間の耳って触ったことなかったので」
それにしても触りすぎだろ。
別に耳なんて触られてもなんでもないはずなのに、こいつ妙な手つきするから……
「――っ!」
耳の穴に指を突っ込まれた。
大人しくしてりゃいい気になりやがって……!
「もういいだろ!」
「すみません」
触られてた左耳だけが熱い。赤くなってんじゃないのか? 恥ずっ
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