人の心が読める少女の物語 -貴方が救ってくれたから-

A

文字の大きさ
73 / 106
五章 -触れ合う関係-

幕間:昔の話

しおりを挟む
 鏡の前には、ダボっとしたサロペットにキャップを被った自分。
 あからさま過ぎる手抜きの服装に自分でも少し笑えてきてしまう。


「ふふっ。なんだかんだ、スカートに慣れちゃったかも」


 初めての二人の旅行、掛け替えのないその記憶は、少し目を瞑れば未だ鮮明に思い出せた。
 体温も、息づかいも、台詞も、その全てが。 


「…………本当に、楽しかったな」


 正直なところ、記憶力が良すぎる事に苦しまされたこともある。
 だけど、今はそのことに深く感謝していた。
 

「ほんと、現金な女だよね」


 いつも聞き役になることが多かった。でも、今日はたくさん話したいことがある。
 久しぶりに会う友人との時間に想いを馳せながら、私は扉を開け、歩き出した。







◆◆◆◆◆





 
「おーい、ハスみん!こっちこっち」

 
 あまり、同年代の子達が立ち寄らない昔ながらの喫茶店。
 カランコロンと音を立てながらドアを開けると、奥の席から名前が呼ばれそちらに向かう。


「久しぶり、茜ちゃん。それと、伊織ちゃんも」

 
 明るい茶色のショートカットが良く似合う茜ちゃん。
 紫がかった黒髪と切れ長の瞳がどこか大人びた雰囲気を感じさせる伊織ちゃん。
 
 その対照的な二人に声をかけながら私も席に着くと、いつも通り茜ちゃんが会話をリードし始めた。


「ハスみん、またそんな服着てー。ほんと、あーあって感じだよね」


 予想通りというべきか、あからさまな不満気な顔でそう指摘されてしまい苦笑する。


「ごめんね?やっぱり、あんまり見られるの好きじゃなくて」

「そりゃ、まぁ、わかるけどさ。ほんと、男どもめ。片っ端から引っ叩いて泣かせてやろうか」

「あはは。茜ちゃん、運動神経いいもんね」

「まぁねぇ~。でも、ハスみんが私と組んでくれれば世界が取れたのになー。ほら、今からでも遅くないからバスケやろっ!ね?ね?」

 
 肩を掴まれ揺さぶられる感覚に、昔を思い出して懐かしくなる。

 本当に、この子はまるで変わらない。
 自分が大好きで、いつも自信満々で、私の作った殻なんか一切見えないみたいに自分のペースに引き込もうとしてくる。


「やめなさい、茜。蓮見さんが困っているでしょ?」


 それに、茜ちゃんと幼馴染の彼女もやっぱり変わっていないようだ。
 落ち着いていて、大人っぽくて、暴走する茜ちゃんと流されっぱなしの私の間に立って、いつも上手くコントロールしてくれる。


「えー。でもさ、伊織。ハスみんって、何するにも基本受け身だし、本気で生きたほうが楽しめると思わない?」

「人には、人の生き方があるのよ。蓮見さんは、天秤。調和を重視してるんだから」


 調和を重視しているというのは聞こえはいいが、たぶん私は自分という存在に自信が持てなかっただけだ。
 それこそ、今思えば奥底に隠した不気味な力を覗かれないよう必死だっただけなのかもしれない。


「なにそれ。意見なんて、ぶつかってなんぼでしょ?」

「はぁ。だから、貴方はいつも上の人と喧嘩になるのよ。それに、最初の頃もそれで蓮見さんとぶつかったじゃない。忘れたの?」


 当時は、地元から離れた中学校に来たばかりということもあって、自分の立ち位置をまだ測りかねていた。
 そして、ある日の体育の時間。周りのレベルに合わせるよう手を抜いていた時、それを気に入らなかったらしい茜ちゃんと何故かバスケ対決をすることになってしまったのだ。


「忘れてない。けど、あれがあったからこうして仲良くなったんじゃんか」

「それは……確かに一理あるわね」

「でしょ?」


 正直なところ、最初は変に突っかかられて、目立って、迷惑にしか思っていなかった。
 でも、最後は…………楽しかった。
 
 息が上がって、取り繕えないくらい余裕をなくして、頭が空っぽになって。
 そして、二人で大の字になって倒れていた時、初めて、自分の居場所を見つけられた気がした。


「ハスみんは、ほんとに手がかかるよね」

「…………茜も似たようなものじゃない」

「えー。絶対、ハスみんのが面倒くさいって。だよね、ハスみん?」

「それ、本人にする質問じゃないと思うのだけれど。ねぇ、蓮見さん?」


 漫才のような懐かしい掛け合い。二人には、本当に感謝の気持ちしかない。
 私が、歩み続けられたのは、世界にとどまり続けられたのは、彼女たちのおかげでもあるから。


「あははっ。二人とも、変わらないね」

「そう?胸はデカくなったけど。特に、伊織が」

「……さすがに怒るわよ?」

「あはははっ。ほんとに、変わらないなぁ」

 
 最初は、おばあちゃん達以外で心から信じられる人なんていないと思ってた。
 だけど、次第に仲の良い同世代の友達もできて、そして、今は好きな人もいる。

 私の世界は、ちゃんと広がっている。
 全ての人が、良い人だとは言えないし、好きになれない人のが多いけれど。
  
 それでも、少しずつ、着実に。






◆◆◆◆◆






「え!?本気で言ってる?」


 しばらく昔話に花を咲かせた後、近況報告の意味も込めて好きな人が出来たことを伝えると、二人は驚愕の表情でこちらを見てきた。


「うん…………好きな人ができたんだ」

「嘘!?ぜんぜん、信じられないんだけど」

「ふふっ。でも、正真正銘ほんとだよ」


 確かに、その反応もわからないではない。
 中学の時は、一切そういったことに興味なんてないと言っていた張本人なのだし。


「茜じゃないけど、私も驚きが隠せないわ。蓮見さんは、男嫌いなのかと思ってたから」

「そうかな?いや、うん、そうかも。今でも、男の人はあんまり得意じゃないし」

「ふぅん。じゃあ、その人がそれだけ魅力的だったのね?」

「……………………うん。真っ直ぐで、優しくて……それに、いつも私を助けてくれるんだ」

「ふふっ、そうなの。完全に、恋する乙女じゃない」

「はは……そう、かな」


 自分で言いだしたことなのに、顔が、熱い。
 伊織ちゃんが、優し気にこちらを見てくることも、逆に恥ずかしさを加速させていた。


「マジかー。ハスみんは最後の砦だと思ってたのになぁ」

「二人は、そういう人いないの?」

「私はぜんぜんいない。伊織はもう彼氏持ちだけど」

「ふふっ。茜はバスケ命だものね」

「まぁね。でも、これで彼氏がいないのも私だけだと思うとなんか、悔しくなってきたなぁ」

 
 さも悔しそうな顔でいう茜ちゃんの反応は少し見ていたい気もするが、ちょっと違うところがあったので一つだけ訂正をする。
 

「まだ付き合ってないよ」

「え?そうなの?あー、もしかして一目惚れとか?」

 
 一目惚れではない。
 というより、お互い初対面の時はあまり印象が良く無かったようにも思える。


「ううん。違うよ」

「じゃあ、まだあんまり相手はハスみんのこと知らないとか?」

 
 その質問にちょっと考えるが、逆に、教えるつもりも無かったことまで既に誠君には話してしまっている。
 うぬぼれで無ければ、それなりに彼も私のことを理解してくれていると思う。
 

「それも、違うかも。この夏とかはけっこー、一緒にいたし」

「ふーん。みんなでカラオケとか、遊びとか、そんな感じ?」

「ううん。お互いの家行ったりとか」

「「え!?」」


 店内に響き渡るような大声が響き、慌てて周りのお客さんに頭を下げる。
 だが、茜ちゃんは完全にそんなことは頭に無いようで、こちらに詰め寄ってきた。 


「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って!ハスみんって一人暮らしだったよね!?」

「少しだけ声の音小さくしよ?ほら、迷惑になっちゃうし」

「…………一人暮らしの家に、男を連れ込んだ。反論はあるかね?」

「え?まぁ、そう、なるのかな?でも、特になんかしたわけじゃなくて。それに、まだ一回だけだよ?基本は、お互いの実家の方で過ごしてたし」

「実家ぁ!?どうしてそんなことになるわけ!?」

「なんとなく、かな?」

「なんとなくぅ!?…………ダメだ……私の知ってる世界と、違い過ぎる」 


 その言葉を最後に、茜ちゃんはソファに体を深く埋め、天井を見上げたままになってしまった。もしかしたら、もう少し順を追って話すべきだったのかもしれない。
 心が読めるということは二人にも言っていないので、説明しづらいとこだけど。


「はぁ。蓮見さんって、意外にやり手なのね」


 相方の沈黙を呆れたように見つつ、頭が痛いとでもいうようにこめかみを抑えながら伊織ちゃんがそう問いかけてくる。


「…………この人なら、大丈夫って思ったから」

「そう。それなら、仕方ないのかしら。まぁ、私はまだ彼の実家に行く予定はないけれど」


 それは、確かにそうだろう。
 私自身、距離を詰めるペースが周りから見て普通では無いことはわかっている。
 でも、それでも、譲れないこともあるのだ。


「…………私ね、実はかなり独占欲が強かったみたいなんだ」

「へぇ。その心は?」

「私は、その人を誰にも、渡したくないの。もし、今結婚できるならしてもいいとすら思ってる」

「あははっ。それは、なかなかのものね」

「すぐにでも、私のものにしたい、私のことが欲しいと言わせたい。だけど、彼の意志も尊重したいんだ」

「それが、まだ付き合っていない理由ってこと?」

「そうなるのかな。でも……ふふっ。絶対、幸せな答えをくれると信じているからこそ待てるってのもあるけど」


 誠君は、絶対に私を裏切らない。
 何より、約束してくれたから。いつも、私を好きでいるって。そばにいてくれるって。
 なら、私も待ってあげたい。彼が答えを出す、その時を。
 

「なるほど。なかなか、その人も大変そうね」

「ふふっ、そうかも。だけど、それでも、許してくれる。いつも私の味方でいてくれる。そんな人なんだ」

「…………なら、よかったわ。少し、心配してたの。高校は、それぞれ離れたところに行くことになってしまったから」

「ありがとう。本当に、二人には感謝してる。きっと、茜ちゃんと伊織ちゃんが歩み寄ってくれなきゃ、こうはならなかったはずだから」


 二人は、私をいつも気にかけて、優しく接してくれていた。
 正面からぶつかって、思ってることを吐きださせて、辛抱よく付き合ってくれた。
 最初は心の中を読んで疑っていた私が、その温かさにほだされてしまうほどに。


「お互い様よ。貴方、自分の内に入れた人にはとっても優しいもの」

「あははっ。そうかな?」

「そうよ。茜にはもうちょっと厳しくてもいいくらいだったわ」

「そっか。それなら、これからは気を付けようかな」

「ええ。そうした方がいいわね」

  
 これから、その言葉に胸が温かくなる。

 お互いの道を選び、離れてしまった距離。
 でもそれで、関係が無くなってしまうわけではないことを二人は改めて教えてくれた。
 人の繋がりは、曖昧なようで、それでいて何よりも強い。
 
 だったら、私も頑張ろう。怖くても、不安でも、できるだけ歩み寄って。
 お互いが、想い合って、紡いでいけば、それで繋がる関係は絶対にあるはずだから。 
 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

国宝級イケメンとのキスは、最上級に甘いドルチェみたいに私をとろけさせます♡ 〈Dulcisシリーズ〉

はなたろう
恋愛
人気アイドルとの秘密の恋愛♡コウキは俳優やモデルとしても活躍するアイドル。クールで優しいけど、ベッドでは少し意地悪でやきもちやき。彼女の美咲を溺愛し、他の男に取られないかと不安になることも。出会いから交際を経て、甘いキスで溶ける日々の物語。 ★みなさまの心にいる、推しを思いながら読んでください ◆出会い編あらすじ 毎日同じ、変わらない。都会の片隅にある植物園で働く美咲。 そこに毎週やってくる、おしゃれで長身の男性。カメラが趣味らい。この日は初めて会話をしたけど、ちょっと変わった人だなーと思っていた。 まさか、その彼が人気アイドル、dulcis〈ドゥルキス〉のメンバーだとは気づきもしなかった。 毎日同じだと思っていた日常、ついに変わるときがきた。 ◆登場人物 佐倉 美咲(25) 公園の管理運営企業に勤める。植物園のスタッフから本社の企画営業部へ異動 天見 光季(27) 人気アイドルグループ、dulcis(ドゥルキス)のメンバー。俳優業で活躍中、自然の写真を撮るのが趣味 お読みいただきありがとうございます! ★番外編はこちらに集約してます。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/411579529/693947517 ★最年少、甘えん坊ケイタとバツイチ×アラサーの恋愛はじめました。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/411579529/408954279

幼馴染の許嫁

山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

君に恋していいですか?

櫻井音衣
恋愛
卯月 薫、30歳。 仕事の出来すぎる女。 大食いで大酒飲みでヘビースモーカー。 女としての自信、全くなし。 過去の社内恋愛の苦い経験から、 もう二度と恋愛はしないと決めている。 そんな薫に近付く、同期の笠松 志信。 志信に惹かれて行く気持ちを否定して 『同期以上の事は期待しないで』と 志信を突き放す薫の前に、 かつての恋人・浩樹が現れて……。 こんな社内恋愛は、アリですか?

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

課長と私のほのぼの婚

藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。 舘林陽一35歳。 仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。 ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。 ※他サイトにも投稿。 ※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。

処理中です...