輪廻

YUKI

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憎しみの視線

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最近、感じる視線がある。
水神からの連絡もないまま表面だけは穏やかな毎日、そんな中で見られてると感じるときがある。
俺一人が散歩がてら家の周辺を見て回っていたときも感じた。
同じ視線だと思う。警戒しながら歩を進めていたとき、すれ違った男、わずかな気配だったが感じた激しい憎しみの感情。
思わず振り返ったが・・・・男の姿は消えていた。
明らかに俺に対する憎しみの感情だった。
頭に忍び込んできた叫び!
『何故、お前がここにいる』
どう言う事だ!!何を意味してる?


やっと、水神から連絡がきたが、その声はいつもの脳天気な人をからかうような感じが消えていた。
「そっちは、何もないか?」
「あぁ、どうした?」
「何もないなら・・・それでいい」
「何かあったのか?」
「否・・・坊やを・・・主殿を今度は絶対守れ!いいな!」
「どういうことだ?」
「今は、俺たちも動けないんだよ!!おとなしく家にいろよ!!まだ、ひよっ子の出番なしだ!!」
「なんだと~~!!!ひよっこだと!!!」

俺の叫び声に笑い声を残し、水神の気配は消えた。

水神からは、最初のぴりぴりとした緊張の気配が、少しだが薄れていた。

何故かその事が嬉しく思えた。

『ふんっ!あんなやつ!!』・・・あの男に馴染んできている自分が情けなくもあったが・・・
『いったい何が起こってるんだ?・・・、動けないってどういうことだ?主殿って誰の事なんだ?祐樹のことか?』
いったい、水神は何が言いたかったんだよ!!


「シオン、何やってるの?まるで折の中のクマみたいだよ」
水神のことを考えているうちに、俺は部屋の中をうろうろとしていたみたいだ。
「なんでもない!ちょっと運動不足なんだよ!」
「変なの~~、じゃ~散歩に行こうか~」

水神の言葉が甦る。

「駄目だ!!」
俺の突然の厳しい声に祐樹の瞳は見開かれ、それが意味深に細められる。

「何かあったんだ~~、もしかして水神さんから連絡あったんだ!」
「うっ!・・・・」
「何で~~~僕にも教えてくれないんだよ~~、僕も水神さんと話したかったのに・・・」
拗ねたように背中を向ける祐樹・・・・
「おとなしく家にいろと言ってきただけだ!」
「それでも、僕も水神さんの声聞きたかったな~~~」
「水神、水神って煩いな!!そんなにあいつがいいのか!!」


俺の言葉に振り返った祐樹は


「あぁ~~~シオン何そんなに怒ってるの~~、変なの~~」
「・・・・・」
「水神さんの声、ステキなんだもん」


イライラと歯軋りしそうな俺の耳に、祐樹のぼそりと呟くハートマーク付きの声に怒り爆発!

部屋を飛び出していた 
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