エーデルワイス〜戦後記憶を失った少女が自分とは何者か探しに行く物語〜

さかな

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Storm(5話)

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「裏切り者?」

「あぁ。裏切り者だ。」

父さんはまもなく到着するダーバルデットを見てそう言った。
真の意味はまだわからない。父さんの危険というのはきっと過去のけじめなのかもしれない。



ーー父さんはどうなるのかなーー



「ネロ様!どうかよろしくお願いします!食糧が不足しているのです!子供が!子供がおるのです!どうか私たちの地域に食糧を!」

「まぁそんなに騒ぐな。安心しろ。すぐに手配する。先日の嵐だろう。」

「ありがとうございますネロ様!」

「しばし待っていろ。」

彼の名はネロ=ファンブルーブ。ダーバルデット王国の国王だ。国民からの信頼も厚くヴァルミッチ国との戦いで勝利に導いた名将。

「ネロ様はお優しいのですね。」

「まぁ大事な国民だからね。当然のことよガリオ。」

私の名前はガリオ=グラウディウス。ネロ様に使える者だ。私はネロ様を慕っているしネロ様をお守りする義務がある。私たちグラウディウス家の者はファンブルーブ家に100年以上仕えている名家。幾度の困難にも立ち向かい乗り越えてきた。私の父は私が6歳の時にに急死。母は弟が生まれた時すぐに亡くなった。そういった経緯で今グラディウス家の主として私はネロ様の側にいます。

「なぁガリオ」

「どうなされましたネロ様」

「誰も見ておらんからそんな堅苦しく話すな。」

「わかった。」

「おまえのその温度差には毎回驚く。慣れないものだな。」

「昔はこんな感じよく話していたじゃんか。」

私とネロは同い年で付き合いも長い。そして何よりも気が合うのだ。

「本当に食糧送るの?だいぶこっちもキツキツだよ?」

「まさか。あれは嘘だ。まぁ何かしらの手を打つがそんな余裕はない。食糧を創り食糧を我々に贈呈するのがあの駒の役目だ。」

「国民のことを駒と俺以外の前で言ってみろ。また戦争がはじまるぞ。」

「もう戦争は嫌だね。」

「まぁネロなら負けないだろうな。」

「いや、どうだろうな。もう私の手元にアイツはいない。」

「まぁな。アイツは本当に強かった。」

「本当に強かった。敵じゃなくて良かったと心底思うよ。」

「ネロとどっちが強い?」

「あの邪魔虫がいなければアイツだな」

「邪魔虫ねぇ。」

「アイツが最前線に立って敵を崩壊させた時は驚かなかった。」

「だから行かせたんだろ。」

「だが死んだ。死体は見つからなかったがな。それを聞いた時は困惑はしたが納得はした。」

「そこまで認めているのになぜ」

「あえて言うなら迷いだろうな。」

「迷い?」

「化け物が化けず迷い散った。と言ったところか。」

「なんでも知ったように話すな。」

「そんなふうに思えたか」

「イキってんなって」

「やめろ。」


嵐が過ぎ、空が青いダーバルデット。

ー嵐の前の嵐が過ぎたー
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