5 / 6
Storm(5話)
しおりを挟む
「裏切り者?」
「あぁ。裏切り者だ。」
父さんはまもなく到着するダーバルデットを見てそう言った。
真の意味はまだわからない。父さんの危険というのはきっと過去のけじめなのかもしれない。
ーー父さんはどうなるのかなーー
「ネロ様!どうかよろしくお願いします!食糧が不足しているのです!子供が!子供がおるのです!どうか私たちの地域に食糧を!」
「まぁそんなに騒ぐな。安心しろ。すぐに手配する。先日の嵐だろう。」
「ありがとうございますネロ様!」
「しばし待っていろ。」
彼の名はネロ=ファンブルーブ。ダーバルデット王国の国王だ。国民からの信頼も厚くヴァルミッチ国との戦いで勝利に導いた名将。
「ネロ様はお優しいのですね。」
「まぁ大事な国民だからね。当然のことよガリオ。」
私の名前はガリオ=グラウディウス。ネロ様に使える者だ。私はネロ様を慕っているしネロ様をお守りする義務がある。私たちグラウディウス家の者はファンブルーブ家に100年以上仕えている名家。幾度の困難にも立ち向かい乗り越えてきた。私の父は私が6歳の時にに急死。母は弟が生まれた時すぐに亡くなった。そういった経緯で今グラディウス家の主として私はネロ様の側にいます。
「なぁガリオ」
「どうなされましたネロ様」
「誰も見ておらんからそんな堅苦しく話すな。」
「わかった。」
「おまえのその温度差には毎回驚く。慣れないものだな。」
「昔はこんな感じよく話していたじゃんか。」
私とネロは同い年で付き合いも長い。そして何よりも気が合うのだ。
「本当に食糧送るの?だいぶこっちもキツキツだよ?」
「まさか。あれは嘘だ。まぁ何かしらの手を打つがそんな余裕はない。食糧を創り食糧を我々に贈呈するのがあの駒の役目だ。」
「国民のことを駒と俺以外の前で言ってみろ。また戦争がはじまるぞ。」
「もう戦争は嫌だね。」
「まぁネロなら負けないだろうな。」
「いや、どうだろうな。もう私の手元にアイツはいない。」
「まぁな。アイツは本当に強かった。」
「本当に強かった。敵じゃなくて良かったと心底思うよ。」
「ネロとどっちが強い?」
「あの邪魔虫がいなければアイツだな」
「邪魔虫ねぇ。」
「アイツが最前線に立って敵を崩壊させた時は驚かなかった。」
「だから行かせたんだろ。」
「だが死んだ。死体は見つからなかったがな。それを聞いた時は困惑はしたが納得はした。」
「そこまで認めているのになぜ」
「あえて言うなら迷いだろうな。」
「迷い?」
「化け物が化けず迷い散った。と言ったところか。」
「なんでも知ったように話すな。」
「そんなふうに思えたか」
「イキってんなって」
「やめろ。」
嵐が過ぎ、空が青いダーバルデット。
ー嵐の前の嵐が過ぎたー
「あぁ。裏切り者だ。」
父さんはまもなく到着するダーバルデットを見てそう言った。
真の意味はまだわからない。父さんの危険というのはきっと過去のけじめなのかもしれない。
ーー父さんはどうなるのかなーー
「ネロ様!どうかよろしくお願いします!食糧が不足しているのです!子供が!子供がおるのです!どうか私たちの地域に食糧を!」
「まぁそんなに騒ぐな。安心しろ。すぐに手配する。先日の嵐だろう。」
「ありがとうございますネロ様!」
「しばし待っていろ。」
彼の名はネロ=ファンブルーブ。ダーバルデット王国の国王だ。国民からの信頼も厚くヴァルミッチ国との戦いで勝利に導いた名将。
「ネロ様はお優しいのですね。」
「まぁ大事な国民だからね。当然のことよガリオ。」
私の名前はガリオ=グラウディウス。ネロ様に使える者だ。私はネロ様を慕っているしネロ様をお守りする義務がある。私たちグラウディウス家の者はファンブルーブ家に100年以上仕えている名家。幾度の困難にも立ち向かい乗り越えてきた。私の父は私が6歳の時にに急死。母は弟が生まれた時すぐに亡くなった。そういった経緯で今グラディウス家の主として私はネロ様の側にいます。
「なぁガリオ」
「どうなされましたネロ様」
「誰も見ておらんからそんな堅苦しく話すな。」
「わかった。」
「おまえのその温度差には毎回驚く。慣れないものだな。」
「昔はこんな感じよく話していたじゃんか。」
私とネロは同い年で付き合いも長い。そして何よりも気が合うのだ。
「本当に食糧送るの?だいぶこっちもキツキツだよ?」
「まさか。あれは嘘だ。まぁ何かしらの手を打つがそんな余裕はない。食糧を創り食糧を我々に贈呈するのがあの駒の役目だ。」
「国民のことを駒と俺以外の前で言ってみろ。また戦争がはじまるぞ。」
「もう戦争は嫌だね。」
「まぁネロなら負けないだろうな。」
「いや、どうだろうな。もう私の手元にアイツはいない。」
「まぁな。アイツは本当に強かった。」
「本当に強かった。敵じゃなくて良かったと心底思うよ。」
「ネロとどっちが強い?」
「あの邪魔虫がいなければアイツだな」
「邪魔虫ねぇ。」
「アイツが最前線に立って敵を崩壊させた時は驚かなかった。」
「だから行かせたんだろ。」
「だが死んだ。死体は見つからなかったがな。それを聞いた時は困惑はしたが納得はした。」
「そこまで認めているのになぜ」
「あえて言うなら迷いだろうな。」
「迷い?」
「化け物が化けず迷い散った。と言ったところか。」
「なんでも知ったように話すな。」
「そんなふうに思えたか」
「イキってんなって」
「やめろ。」
嵐が過ぎ、空が青いダーバルデット。
ー嵐の前の嵐が過ぎたー
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
私はあなたを覚えていないので元の関係には戻りません
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のアリカは、婚約者のマトスから記憶を失う薬を飲まされてしまう。
アリカはマトスと侯爵令嬢レミザの記憶を失い、それを理由に婚約破棄が決まった。
マトスはレミザを好きになったようで、それを隠すためアリカの記憶を消している。
何も覚えていないアリカが婚約破棄を受け入れると、マトスはレミザと険悪になってしまう。
後悔して元の関係に戻りたいと提案するマトスだが、アリカは公爵令息のロランと婚約したようだ。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる