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狭間の城・ベスのお産
しおりを挟むさて、 難航するは、 クージンと妃たち。
反射壁が完成し、 移動可能程度に回復したので、 聖域の屋敷に入るが、
生真面目な夫婦なので、 真剣に意見交換し、 作戦を立て、 実行していたが、
次が解除されず、 行き詰っていた。
早く、世界の王として目覚め、 公表し、 公務に戻らねば、
皆の負担になる。 急がねば。
そんな四人を見て、 エロースはため息をつく。
みんなさぁ~ 俺との条件が解放された時のこと、 もう忘れたの?
もっと、 余裕をもってさぁ、 ゆったり構えなよ?
糞真面目に会議して、 解放されるもんでもないでしょ。
腹割って話して、 求めあえばいいだけと、 俺は思うよ。
少なくとも俺はそうだった。 絶対無理と思うことも言葉にした。
え? そんなこと言ったか? 無理ってなんだ?
聞こえてねーと思うから、 言ったんだよ。
そーゆうことも含めて、 解放されたんかもしれんだろ?
なんだよ。 気になるなー。
ふふっ。 絶対にお前が選ばない未来。
とりあえず、 体調回復したら、 元の生活に戻ればいいんじゃね?
みんな、 素直になりゃいい。
てことで、 俺は、 クージンを今から抱きたい。 攫ってくね?
抱きつぶすから、 皆のとこには行けないよ。
***
「 ここは? すげー幻想的な場所だね。 海?? 」
「 俺の城。 世界と神界と精霊界の狭間だから、 マジ誰もいない。
生物がいない場所かな。 雲海みたいなもんだね。 音もないだろ? 」
慣れるまで、 少し怖いな。 ”無” ?
俺の城と、 お前が生活するに、 必要な物はある。
強者が震えてしがみつく姿かぁ。 なんか、 そそられるな。
無意識に、 頼られることの喜びは、 クーもわかるだろ?
あぁ。 わかるが、 マジ気付かんもんだな。
すげー、 緊張してるのがわかる。
大丈夫だよ。 何もいない、 誰も来ない。
広く見えるが、 ここは狭いよ。 この城しかない。
神気の調整が出来ない頃、 創造神が与えてくれた。
影響与えすぎて、 そこら中で、 性交してたからさ。
ここで、 独り? ベスはいたの?
誰もいないよ。 ベスがいたら欲情しちゃうじゃん。
抑えられるようになるまで、 ずっと独りだった。
そうでもないや。
創造神、ウラノス 維持神、ファラノス
時空神、クロノス 精神の神、イルーガ
の、 四神は、 様子見に来てくれた。
さすがに、 影響出ないからね。
神にも、 幼児期があってね。
俺は、 その四神しか記憶になくて、 家族のように思ってた。
成体になって、 ベスを知った。 やるべき事も、 使命もわからず
長い間、 ふわふわしてたと思う。
ミーシャにかかわってから、 激変した。
やるべきことがわかったし、 欲しいものができた。
クージン。 ここは外の世界と関わりがない。
すべて忘れて、 一緒に暮らさないか?
気楽に思うままか。
魅力的だが、 忘れることなどできない。
俺は、、
もうすぐ子が生まれるんだ。 過ごしやすい世界にしたい。
支えてくれないか? あっちの世界で。
わかってた。 そーいうだろーなって。
ここを見せて、 聞きたかっただけだ。
だが、 どうしようもなくなった時、 頭冷やしたい時は、 ここがある。
俺を呼んで? そして、 願ってくれ。 そうすれば、 ここに飛べる。
忘れないで欲しいのは、 クーしか入れない事。
わかった。 ロー。 ここは、 いい場所だ。
ありがとう。 連れて来てくれて。
熱く、心が満たされる、思い出の場所にしよう。
***
クー様も、 エロース様には、 軽く抱かれてしまうのですね。
見知った中では、 一番体格が良い方なのに。
細身のわりに、 お力が強いのですね。 神だからでしょうか?
どうだろ? ロースは、神の中でも、 大きな方と思うわ。
きっと、 戻ってくるのは、 月の塔か、 メノーンの屋敷でしょう。
私達も、 家に帰りましょうか。
私は、 大森林の拠点で、 魔封玉をみてから、 帰ります。
私は、 シノン様のお料理をみてから、 ベス様のお食事も持って帰りますわ。
それまで、 おくつろぎください。
もう、 入院ですから、 準備も致しましょう。
そうね、 では、 部屋で横になっておくわ。
◇ ◇
しばらくして、 ベスが双子の赤子を産んだ。
男児が次期王太子となり、 女児はエロースの嫁となるため、神界へ行くことになる。
王子をジーニス、 王女(神)をラルース、 と名付けた。
ベス神の子が、次期王太子、 双子の王女は、 神になると、 国を挙げて祝った。
また、 求める魔力が大きく、 お乳は、ベスからでないと、 満足しない様子だった。
ラルースにいたっては、 四六時中、エロースが抱き、世話をする。
授乳の時だけ、 ベスの元へ来るが、 手から離さなかった。
今から溺愛し、 手放さないエロースを見て、
その激しさを知るクージンは、 心配し、 何度も考え直さないか?
と、 提案した。 神になるとはいえ、 我が子が心配で仕方ない。
それなら、 欲が向かないように、 搾り取ればいいじゃん。 というが、
どう足掻いても、出来るわけない! と、 対策をベスと相談する。
それを聞いていた、 ミディは、 クージンをはるかに上回る性欲とは、 どんなものだろう?
と、 想像がつかず、 今度尋ねてみようと思った。
ベスは、 意外と性欲をぶつけないだろうと、 楽観的に笑うが、
クージンの心配は、止まらない。
それはきっと、 クージン様がエロース様に甘えて、 気を逸らすしかないと思います。
頑張ってください! 応援してます。
と、 キラキラエールをミディから贈られる。
最近は、 女性のように美しいエロース神を抱く、とても逞しいクージンの姿絵が
流行ってるらしい。
他には、 双子を抱くベス神。
這うようになった、 三つ子を囲む、 ロイジン夫妻。
公園で、 エデルを抱き上げるフェージン。
以上が、 グッズ屋での、 売り上げトップを占めている。
妄想とは、 広がるもので、
クージンが、 エロースを、女性のように愛してると、 噂されている。
実際は逆という真実を知るミディは、 特別感を感じ、 ワクワクするので
2人の時間が取れるなら、協力し、 彼女もまた、 二人の絡みを妄想していた。
自分に素直に。 と言われてからは、
毎日皆を抱くということはなくなったが、 それでも、 三日と開けず交わるので
ミディは、 本当に、 エロース神の、体力、性欲を想像することができなかった。
気絶したように眠るクージンを見たことはあるが、
疲れた、神を見たことがない。 興味しか湧かなかった。
◇ ◇
年の瀬も近付き、 レイリーの王都での職場【アトリエ・レイリー】は、大繁盛。
年末年始のお呼ばれ衣装、 王室晩餐会の衣装、 それだけで手一杯。
領地の、 ドレス工房、 テーラー、 キッズアパレル、
どの店も、今までにない忙しさに追われていた。
今年からレイリーが本格的に、 受注を開始したため、 予想の数倍忙しい。
セレモニープランナーのお店は、 しばらく休業にした。
王侯貴族だけでなく、 庶民も新調するし、
晩餐会デビューの生徒には、 祝いとして国から贈られる。
レイリーは、 人気の高さを読み間違えていた。
既製品を作り、 王都の仕立て屋でも、 製作できるよう、 計画を練った。
フェージンも、 忙しさに追われていた。
鉱石が豊富な領地は、 石の加工、 装飾品の制作が盛んで、
レイリーと相談しながら、 忙殺状態。
それに、 今後のことを考え、 精錬石、 魔封石、 魔封玉の増産も行っているので、
毎日疲れ切っていた。 エデルのデビューが翌年で助かったと思っていたほどに。
***
フェージンは、 迦楼羅殿で過ごすより、 ニンフル領での時が増えた。
時折、 尋ねてくれる領民との触れ合いが、 とても心地よかったのだ。
意見も直接聞けて、 勉強になる。
山までのインフラ工事も積極的に行い、 施設の増築工事も順調。
若い領主が、 王子であることから、 甘やかされていると思っていた領民たちも、
今は、 協力的で、 フェージンの甘いマスクに惚れこむ人も多数。
頑固で頑なな、昔気質が多い領地だったが、 すっかり打ち解け、
宴会の席では、 お尻に危険を感じるほどだった。
王都が、 落ち着けば、 ずっと領地で暮らすからと、
それまで負担が増えるが、 よろしく頼む。 そう言える頼もしい仲間も増えた。
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