4 / 33
第1章 出会いと絶望
4話 多喜さんと勇者(本物に出会う)
しおりを挟む
村人が連れてきた男は、逆光で輪郭しか見えなかった。
神殿に入ってくる。
日本人だ——山田多喜は直感した。
その鋭い視線に射抜かれ、多喜は思わず息を呑んだ。
男が着ているのは質素な黒のシャツとパンツだったが、鍛え抜かれた体のせいかオシャレにシックに着こなしていた。
——あのシャツとパンツ、「しまむら」で見たことがある。
背後には薄汚れた村人が集まり、一縷の望みを託すような瞳で見つめていた。
——この人は……俺たちとは違う。
男は中渕勇剛と名乗った。
「勇剛と呼んでくれ」
それぞれ簡単に自己紹介をした後、そう言って手を挙げた。
勇剛はコップの液体を見て一瞬固まったが躊躇なく飲み干した。
「助かった」
勇剛はコップを置き神官に静かに頭を下げた。
多喜もゆっくりと口をつけた。プロテインがこびりついた舌に土の味が広がる。思わず口を押さえた。バンダナはコップに吐き出していた。
木椀のスープには、芋虫のかけらのようなものが浮かんでいた。
勇剛は躊躇なく飲み干した。
完璧なふるまいだった。
マッチョも負けじと一気に飲み込む。多喜も続いて口をつけた。漢方のような苦味が口中に広がる。
——これが、村人たちの日常なのか。
周りに集まった村人たちは、固唾を飲んで勇剛を見守っていた。
救世主のような目で勇剛を見て、手を組み合わせている。
——この村人たちは、俺たちに何をさせたいんだ。
村人たちも同じものを食べている。それぞれ木椀を持って、足取り重くぞろぞろと祭壇裏の扉の中に入っていく。
若い神官は懸命に窮状を訴えるかのように、祭壇の上の四本ツノの頭骨を差し示した。
さらに祭壇の裏の壁にかけられているタペストリーを指差した。
物語が織り込まれていた。四本のツノを持つ巨獣。黒いマントの老婆が何かを唱えている。足元には無残に倒れた人々。
神官の指が震えている。その視線はタペストリーから勇剛へと、祈るように向けられた。松明の揺らめく灯りが、壁一面を覆うタペストリーに不気味な影を落とす。
ごくりと喉が鳴る。
昨日、荒野で見た白骨の四本ツノを思い出す。
——やはり、生きている奴がいる。
多喜はバンダナを見た。
「……この老婆って、どっかで見たことがあるような……」
バンダナが考え込みながらボソッと言った。
その言葉で多喜の脳裏に夢で見た老婆が浮かんだ。
「ひーひっひっ……」
両脇の痣が疼く。
「お前の負のチカラ……わしの糧じゃ」
幻聴が脳内に響く。
首を振りその老婆を思考から振り払おうとする。
生きている四本ツノの方が脅威だった。
続いて神官は神殿の裏手に一行を案内した。石でできた蔵のような建物だった。
神官が木の扉を開けて、四人に入ってくるように促す。
神官の持つ松明の灯りの中、剣や斧や槍など武器が石壁に立てかけられているのが見えた。手入れはされているようで錆びや汚れはない。
バンダナはヒソヒソと多喜に言った。
「ここにいても、何もなさそうだし、逆にヤバそうな雰囲気もあるし、そろそろ出ませんか?」
最後は小声だった。
——うん、それがいい。
多喜が同意しかけた時、遮るように勇剛が言った。
「見たところ戦える人間は俺たちしかいないようだ」
恐ろしいことをさらりと言う。
——戦うって誰が何に?
「武器はあった方が良い」
勇剛は長剣を手に取る。構えがさまになっていた。
マッチョにはごつい両刃の戦斧を、バンダナには鋭利な刃をもつ槍を渡す。
多喜には少し考えた後、トゲトゲのついたメイスを手渡した。
「え?いや、俺こういうの使ったことないんですけど……」
多喜が断ろうと口を開きかけたが、勇剛は「持て」と静かな声で言った。
その視線に多喜は反論できなかった。
多喜は唾を飲み込み、ずっしりとした重さのメイスを受け取った。
——これで何をしろと?
「バーベルに比べたらまだ軽い方だな」
マッチョは肩にダブルアックスを担いでポージングしている。
「槍なんて初めて持ちます」
バンダナも槍を構え振り下ろし突きを入れては首を振っていた。
勇剛は長剣を構え素振りをした。首を傾げ剣先に神経を集中させて刃の角度を確かめる。
自分の重いメイスを見る。
グリップの感触が中学時代の野球部を思い出させた。
素振りをしてみる。
ブンッ! これでも中学時代はキャッチャーで五番を張っていた。
ビュン! あの頃の感触が徐々に蘇る。
空気を切り裂く音が石壁に反響した。
しかし同時にメイスを振るう感触が中学時代の嫌な思い出も蘇らせた。
あれは、最後の大会の初戦だった。試合前日、母親がパチスロで取ってきた景品のお菓子と家から持ってきたお菓子。消費期限が切れていることに気づかず部員みんなで食べてしまった。試合当日、全員が腹を下した。
ろくにバットは振れずボールもキャッチできず大会史に残る大敗を喫した。部員はみんな泣いていた。
それ以来バットは握っていなかった。
多喜は過去を断ち切るようにメイスを振った。
「すげえ、様になってますよ!」
目を丸くするバンダナ。
「ほう」
勇剛は目を細めた。
バンダナはふと気づき勇剛に尋ねる。
「警察の方ですか?」
「昔の話だ。今は農業をしている。居合道と剣道も教えているが」
「居合道に剣道も! しかも農業もやってるって、最強じゃないっすか!」
勇剛はわずかに笑った。
「作物を育てるのも剣を振るのも、根気と集中力だ」
勇剛は静かに言い、三人を見回した。
「自分の身を守れ。戦いは俺に任せろ」
三人に緊張が走る。
「気がづいたか? この周辺での戦いの跡。巨大な肉食獣の爪痕、足跡、血痕……間違いない。あの四本ツノだ」
三人は全く気づいていなかった。
四本ツノの白骨を荒野で見たことをバンダナが勇剛に伝える。
「おそらく全ての生き物がここでは飢えている」
村の惨状から予測する勇剛。
「その白骨も餓死したのかもしれない。つまり四本ツノも必死だ。ここから逃げても追われるだけだ」
バンダナと多喜の目を見てそう付け加えた。
それを聞き下を向くバンダナ。
「でも、俺たち役に立てるんですか?」
多喜が声を上げた。
勇剛は少し考えた。
「分からない」
正直な答えに多喜は逆に安心した。
「だが俺一人ではたぶん限界がある。指示に従ってほしい」
勇剛は剣を構えた。
「お前たちの力が必要になると思う」
安心させるように勇剛は話す。
「まあ、この剣で何とかするさ」
その時バンダナが口を開いた。
「四本ツノって夜に襲ってくるってことは夜行性ですよね。だったら松明が有効かも」
壁にかかる神官が火を移した松明に目をやる勇剛。
「火を怖がるか……?」
考える勇剛。
「槍と二つ、持てるか?」
「俺が持つ!」
バンダナが答えるより先に多喜が口を開いた。
メイスは片手でも振れる。自分にできることをやりたかった。
「よし。まかせた」
勇剛が小さく頷いた。
「誰かを助けようなんて思わなくていい。絶対に生き残れ」
そう言った時、神殿の方から獣の咆哮とそれに続いて悲鳴が上がった。
「おそらく毎晩襲ってくる。戦える者はもう誰も残っていない。四本ツノも必死だ」
そう言う勇剛の顔に汗が浮かんだ。
若い神官が勇剛たちのところに来た。顔には恐怖の色が濃い。震える手で両指を組み合わせ勇剛に救いの目を向ける。
「来たな」
勇剛は言う。
「ここにいても奴は必ずくる、生きたければ、ついて来い!」
獣の咆哮が夜の神殿を震わせた。
松明の灯りに勇剛の長剣が光った。
神殿に入ってくる。
日本人だ——山田多喜は直感した。
その鋭い視線に射抜かれ、多喜は思わず息を呑んだ。
男が着ているのは質素な黒のシャツとパンツだったが、鍛え抜かれた体のせいかオシャレにシックに着こなしていた。
——あのシャツとパンツ、「しまむら」で見たことがある。
背後には薄汚れた村人が集まり、一縷の望みを託すような瞳で見つめていた。
——この人は……俺たちとは違う。
男は中渕勇剛と名乗った。
「勇剛と呼んでくれ」
それぞれ簡単に自己紹介をした後、そう言って手を挙げた。
勇剛はコップの液体を見て一瞬固まったが躊躇なく飲み干した。
「助かった」
勇剛はコップを置き神官に静かに頭を下げた。
多喜もゆっくりと口をつけた。プロテインがこびりついた舌に土の味が広がる。思わず口を押さえた。バンダナはコップに吐き出していた。
木椀のスープには、芋虫のかけらのようなものが浮かんでいた。
勇剛は躊躇なく飲み干した。
完璧なふるまいだった。
マッチョも負けじと一気に飲み込む。多喜も続いて口をつけた。漢方のような苦味が口中に広がる。
——これが、村人たちの日常なのか。
周りに集まった村人たちは、固唾を飲んで勇剛を見守っていた。
救世主のような目で勇剛を見て、手を組み合わせている。
——この村人たちは、俺たちに何をさせたいんだ。
村人たちも同じものを食べている。それぞれ木椀を持って、足取り重くぞろぞろと祭壇裏の扉の中に入っていく。
若い神官は懸命に窮状を訴えるかのように、祭壇の上の四本ツノの頭骨を差し示した。
さらに祭壇の裏の壁にかけられているタペストリーを指差した。
物語が織り込まれていた。四本のツノを持つ巨獣。黒いマントの老婆が何かを唱えている。足元には無残に倒れた人々。
神官の指が震えている。その視線はタペストリーから勇剛へと、祈るように向けられた。松明の揺らめく灯りが、壁一面を覆うタペストリーに不気味な影を落とす。
ごくりと喉が鳴る。
昨日、荒野で見た白骨の四本ツノを思い出す。
——やはり、生きている奴がいる。
多喜はバンダナを見た。
「……この老婆って、どっかで見たことがあるような……」
バンダナが考え込みながらボソッと言った。
その言葉で多喜の脳裏に夢で見た老婆が浮かんだ。
「ひーひっひっ……」
両脇の痣が疼く。
「お前の負のチカラ……わしの糧じゃ」
幻聴が脳内に響く。
首を振りその老婆を思考から振り払おうとする。
生きている四本ツノの方が脅威だった。
続いて神官は神殿の裏手に一行を案内した。石でできた蔵のような建物だった。
神官が木の扉を開けて、四人に入ってくるように促す。
神官の持つ松明の灯りの中、剣や斧や槍など武器が石壁に立てかけられているのが見えた。手入れはされているようで錆びや汚れはない。
バンダナはヒソヒソと多喜に言った。
「ここにいても、何もなさそうだし、逆にヤバそうな雰囲気もあるし、そろそろ出ませんか?」
最後は小声だった。
——うん、それがいい。
多喜が同意しかけた時、遮るように勇剛が言った。
「見たところ戦える人間は俺たちしかいないようだ」
恐ろしいことをさらりと言う。
——戦うって誰が何に?
「武器はあった方が良い」
勇剛は長剣を手に取る。構えがさまになっていた。
マッチョにはごつい両刃の戦斧を、バンダナには鋭利な刃をもつ槍を渡す。
多喜には少し考えた後、トゲトゲのついたメイスを手渡した。
「え?いや、俺こういうの使ったことないんですけど……」
多喜が断ろうと口を開きかけたが、勇剛は「持て」と静かな声で言った。
その視線に多喜は反論できなかった。
多喜は唾を飲み込み、ずっしりとした重さのメイスを受け取った。
——これで何をしろと?
「バーベルに比べたらまだ軽い方だな」
マッチョは肩にダブルアックスを担いでポージングしている。
「槍なんて初めて持ちます」
バンダナも槍を構え振り下ろし突きを入れては首を振っていた。
勇剛は長剣を構え素振りをした。首を傾げ剣先に神経を集中させて刃の角度を確かめる。
自分の重いメイスを見る。
グリップの感触が中学時代の野球部を思い出させた。
素振りをしてみる。
ブンッ! これでも中学時代はキャッチャーで五番を張っていた。
ビュン! あの頃の感触が徐々に蘇る。
空気を切り裂く音が石壁に反響した。
しかし同時にメイスを振るう感触が中学時代の嫌な思い出も蘇らせた。
あれは、最後の大会の初戦だった。試合前日、母親がパチスロで取ってきた景品のお菓子と家から持ってきたお菓子。消費期限が切れていることに気づかず部員みんなで食べてしまった。試合当日、全員が腹を下した。
ろくにバットは振れずボールもキャッチできず大会史に残る大敗を喫した。部員はみんな泣いていた。
それ以来バットは握っていなかった。
多喜は過去を断ち切るようにメイスを振った。
「すげえ、様になってますよ!」
目を丸くするバンダナ。
「ほう」
勇剛は目を細めた。
バンダナはふと気づき勇剛に尋ねる。
「警察の方ですか?」
「昔の話だ。今は農業をしている。居合道と剣道も教えているが」
「居合道に剣道も! しかも農業もやってるって、最強じゃないっすか!」
勇剛はわずかに笑った。
「作物を育てるのも剣を振るのも、根気と集中力だ」
勇剛は静かに言い、三人を見回した。
「自分の身を守れ。戦いは俺に任せろ」
三人に緊張が走る。
「気がづいたか? この周辺での戦いの跡。巨大な肉食獣の爪痕、足跡、血痕……間違いない。あの四本ツノだ」
三人は全く気づいていなかった。
四本ツノの白骨を荒野で見たことをバンダナが勇剛に伝える。
「おそらく全ての生き物がここでは飢えている」
村の惨状から予測する勇剛。
「その白骨も餓死したのかもしれない。つまり四本ツノも必死だ。ここから逃げても追われるだけだ」
バンダナと多喜の目を見てそう付け加えた。
それを聞き下を向くバンダナ。
「でも、俺たち役に立てるんですか?」
多喜が声を上げた。
勇剛は少し考えた。
「分からない」
正直な答えに多喜は逆に安心した。
「だが俺一人ではたぶん限界がある。指示に従ってほしい」
勇剛は剣を構えた。
「お前たちの力が必要になると思う」
安心させるように勇剛は話す。
「まあ、この剣で何とかするさ」
その時バンダナが口を開いた。
「四本ツノって夜に襲ってくるってことは夜行性ですよね。だったら松明が有効かも」
壁にかかる神官が火を移した松明に目をやる勇剛。
「火を怖がるか……?」
考える勇剛。
「槍と二つ、持てるか?」
「俺が持つ!」
バンダナが答えるより先に多喜が口を開いた。
メイスは片手でも振れる。自分にできることをやりたかった。
「よし。まかせた」
勇剛が小さく頷いた。
「誰かを助けようなんて思わなくていい。絶対に生き残れ」
そう言った時、神殿の方から獣の咆哮とそれに続いて悲鳴が上がった。
「おそらく毎晩襲ってくる。戦える者はもう誰も残っていない。四本ツノも必死だ」
そう言う勇剛の顔に汗が浮かんだ。
若い神官が勇剛たちのところに来た。顔には恐怖の色が濃い。震える手で両指を組み合わせ勇剛に救いの目を向ける。
「来たな」
勇剛は言う。
「ここにいても奴は必ずくる、生きたければ、ついて来い!」
獣の咆哮が夜の神殿を震わせた。
松明の灯りに勇剛の長剣が光った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる