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ここは一種のテーマパーク
しおりを挟む「アレって元々ヒロインを聖女という偶像を作り出すために、光魔法を封じた指輪をつけていたんだよな。そのパフォーマンスのために悪役令嬢がイジメているように仕組んでさ。でも悪役令嬢たちを光魔法で殺したら人間に戻っちまって。同時に魔法で魔物化させていたと騒ぎになってヒロインたちは殺される……はず」
「そうね、あれはゲーム開始前の選択肢で変わるから。まず、ヒロインが光魔法を持っていたら聖女パフォーマンスは消えるから魔物のまま消滅されるし。その分、魂まで傷つくからねえ。ルートによっては次は優しい処刑の世界を選ばないと、ね」
私たちの会話にすでに精神が崩壊し始めている。
しかし、これから自身の言動で起こした罪に対する罰を受けるのだ。
「さ、頑張って処刑されておいで」
「い、や……」
「出ろ。時間だ」
「いや、助けて……」
私たちに目を向けるが、兵士たちには見えていない。
現実を受け入れられず逃げようとしているようにしか見えない。
「新しい大陸の準備もできたから。痛いのも一瞬だよ」
「何度も死んでるからそれは知っているんじゃない?」
「あ、それもそっか。でも今回はギロチンじゃなくて手斧による処刑だったね。完全に首が落ちるのは五回かな。頑張ってね~」
笑顔でヒラヒラ~と手を振って送り出す。
自分のモデルが殺されたことで、結構腹が立っているようだ。
「私は処刑を楽しむ気はないから、先に次の舞台の最終確認をしてくるわ」
「ああ、こっちは処刑が終わったら洗濯機に投げ込んでからいくよ」
「自動転生を設定しておいて」
「了解」
時々、同じ人生を繰り返す悪役令嬢がいる。
『死に戻り』と言われているが、実際は違う。
別の大陸で生まれ直しているだけ。
そして今まで演じていた悪役令嬢の記憶を取り戻すのだ。
だから『同じようで違う人生』を歩む。
第十四大陸に悪役令嬢の受け入れが可能なのを確認する。
悪役令嬢として産まれる予定だったNPCの魂は休憩してもらう。
いくら作り物だとしても、設定を変えればヒロインにも人徳者にもなれる。
「今度から悪役令嬢専門の魂が生まれるわ。そうしたらみんなは幸せな人生になれるよう設定するわ。今までお疲れ様でした」
「あら? あの魂、結局この世界の専門になるのね」
「神から許可もいただいたわ」
「このままいくとあと三人は確保できるわよ」
「急にどうしたの?」
「まとめて同じ大陸に放り込んだのよ。第一章ヒロインと第二章ヒロイン姉妹が同時進行する第二十八大陸。第一章ヒロインが姉妹ヒロイン側の隠しキャラを狙って」
たしかあそこは第一章が片付かないと第二章の隠しキャラは表に出ない。
知っているからこそ第一章をとばしたということか。
「まあ、このまま悪役令嬢化してもらいましょう。これからはさらに桃色脳の自称ヒロインが大挙で押し寄せてくるわよ」
「フフフ。それは楽しみですわね」
ここは一種のテーマパーク。
皆さんに夢と希望を叶えてもらう世界。
ただし、ルールから外れたらそれ相応の罰則がございますわよ。
(了)
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