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しおりを挟むしかし役人にとってのそれは、鉄柵の向こうを照らし、生存確認をするためだけのもの。
人数を確認して黒パンを柵の向こうに置いたら用などない。
牢の中をまるで昼間のように照らした灯りを手に去っていく。
そして鉄の扉が重音と共に閉ざされると、ふたたび光のない暗闇の日々が訪れる。
希望を打ち砕かれた心。
それこそ、今まで彼らが平民たちに与えてきたこと。
そして今、彼らは理不尽だと憎むが……
平民たちがそれを知ったら声を揃えて言っただろう。
「特大ブーメランが返ってきただけだ」と。
「自業自得だ」と。
そして笑うのだ「今の気分はどうだい?」と。
自分がしたこと、言ってきたことが戻ったことを理解していたのは、暗闇の世界に戻っても鉄柵にしがみついて騒ぐ元貴族たちを冷ややかな目でみている元国王たち。
彼らは二度と戻れない世界に生きるわが子たちに思いを馳せる。
ここへ入ってこないように、と。
だから鉄扉が開く度に動けなくなる。
誰かが入れられたのかと、知っている者が連れてこられたのかと。
そして扉が閉ざされて暗闇に包まれると安堵する。
「無事に生きているのだ」と。
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