最近白髪が

トクタワカシヨ

文字の大きさ
1 / 1

最近白髪が

しおりを挟む
喫茶店で男が二人コーヒーを飲んでいる
男A「ちょっとさぁ、悩み聞いてほしいんだけど」
男B「どうしたんだよ急に、まぁ別にいいけど」
男A「すまんな」
男B「うん」
男A「大したこないっちゃあ、大したことないんだけどさ」
男B「なんだよ」
男A「実はさ、白髪が増えちゃってさ」
男B「え、どこが?全然ないじゃん」
男A「いや俺じゃなくて、ユリちゃん」
男B「ユリちゃん?」
男A「そう、ユリちゃん」
男B「カミさん?」
男A「いや、人形」
男B「人形?」
男A「ユリアンヌ・コモスタチア・キヌコちゃん」
男B「何言ってんの?」
男A「だから、ユリちゃんの白髪が増えて困ってるんだよ」
男B「だから何言ってんのって」
男A「だから人形だよ、人形のユリちゃんの白髪が増えてんの」
男B「そんなの白髪になるはずねえだろ」
男A「だから困ってるんだろ」
男B「…え、マジで言ってんの?」
男A「持ってきたんだけど」
男B「持ってるの?」
男Aがカバンらマネキンの頭を取り出す
男A「これ」
男B「えー!これがユリちゃん?」
男A「そう、ユリちゃん。挨拶して」
男B「え、挨拶?」
男A「『こんにちー』って」
男B「こんにちー?」
男A「ユリちゃん、人見知りだから。挨拶してくれたら打ち解けるから」
男B「あ、うん、こんにちー」
男A「そうそう、ユリちゃん、喜んでる。ありがとう」
男B「あ、う、うん」
男A「そう?そうなのなの?そうなのユリちゃん。気分いいの?、」
男B「…」
男A「ユリちゃん、気分いいって」
男B「で、白髪だっけ」
男A「白髪?あぁ、もういい」
男B「いいの?」
男A「うん、もう、いいかなって。白髪になるって生きてるってことじゃん」
男B「…」
男A「もう、それだけで幸せっていうか、もういいかって」
男B「ごめん、これから仕事だけどビール飲んでもいい?」
男A「いいじゃん。じゃあこっちも」
男B「え!ユリちゃん飲むの?」
男A「飲むわけないじゃん。人形だぞ」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

残業で疲れたあなたのために

にのみや朱乃
大衆娯楽
(性的描写あり) 残業で会社に残っていた佐藤に、同じように残っていた田中が声をかける。 それは二人の秘密の合図だった。 誰にも話せない夜が始まる。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

処理中です...