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第二話 雨音と迷子
第二話 ②
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学校が終わって、今日はバイトもない。いつもなら、「よし、でかい本屋で漫画を探すぞ!」だとか、「カフェでネームやるぞ!」だとか、普段なかなかできないことをやれると意気込んでいる時間だったが、今日の私の口から出てくるのは、前向きな言葉ではなく、馬鹿でかい溜息ばかり。
先週提出した課題の講評があったのだが、もう、ズタボロだった。
心情が伝わってこない。絵が下手。セリフが冗長。エトセトラエトセトラ。
他の同級生は褒められている子も多かったのに、私だけ集中砲火を受けた。しかも、高校時代からずっと憧れていた漫画家の先生に批判されまくったので、立ち直れない。
綴ソート先生。高校生デビューを果たし、すぐにあの、『週刊少年ステップ』の看板作家の仲間入りをした。二作目の連載はアニメ化して大人気になり、最近はポツポツと月刊誌やwebマガジンに読み切りを掲載するくらいだが、過去の作品は今もなお人気で、コミックスが売れ続けている怪物みたいな漫画家だ。最近描いていない理由は、「後進の育成に取り組みたいから」とのことで、私はその恩恵にあずかっている。
『やる気がないなら、授業に出なくても構わないぞ』
私を育てようとしてくれている先生から、そんな風にダメ出しをされて、かなり落ち込んでいる。
やる気は……ある。父を見返してやるんだという一心で描いていたときとは違って、わだかまりが解消した今、ちょっと緩くなっているところは、正直あるかもしれない。
でもさあ、あそこまで言う!?
こっちは言い返すことも「そこはこういう意図で」と説明することも許されずに、頭を下げている。それをひたすら叩かれるの。しかも人前で。
先生も編集さんに同じことをされたことがあるのかもしれない。そう納得しようと思ったけど、無理。だって打ち合わせで、あんなに大勢の前でダメ出しされることなんて、なくない?
それに、漫画編集者と漫画家は、ひとつの同じ目的に向かって走っている、いわば同志だ。
今描いている漫画をもっとよくして、売れるようにするにはどうしたらいいか。
漫画家なりのこだわりがあるのなら、お互いの妥協点を探っていくことができる。対して私と先生は、講師と生徒という立場だから、反論する機会も与えられない。正しいのは、「プロ」なのだ。
最終的には涙目になってでも、「ありがとうございました」と言えた自分を、自分で褒めたい。さすがに級友たちも私を心配して、学校近くのスタバに連れていって、フラペチーノを奢ってくれた。
「綴先生、最近ヒット作に恵まれてないから、ストレス解消にうちらのこと使ってるんだよ。みんな言ってる。今日はたまたま、凛がターゲットになっただけ」
そう慰めてくれたけれど、私としては、憧れの綴先生がそんな人だなんて思いたくもなかったし、その後先生の悪口大会に発展したのは、気分がよくなかった。デビューしていない私たちが、プロの先生の近作を「駄作」「オワコン」なんていう風に、批評精神なく貶して笑うことは、あってはならない。
フラペチーノは美味しかったけれど、結局のところ、胸につかえたもやもやは消えなかった。
とぼとぼと帰路についていると、家の近くの公園前で、キョロキョロしている人に出会った。
「辰野さん。何してるんですか?」
知り合い以上友人……というにはちょっと年が離れている。辰野智秋ともあきは、鬼百合荘でルームシェアをしている仲間だ。
クリエイターしか入居できない特殊なシェアハウスで、彼は趣味でゲームを制作し、ダウンロードサイトを通じて販売している。
私に声をかけられて、辰野さんはその柔和なクマみたいな顔をくしゃりと歪めた。目は潤んでいる。
「八木沢さん! 助かった!」
どうやら彼、家に帰れなくて迷子になっていたらしい。初日に自己紹介で「時々迷子になるので助けてください」と言っていたのが、本当にその場限りのジョークではなかったことに、衝撃が走る。
鬼百合荘は、駅から歩いて十五分。これを近いと取るか遠いと取るかは人それぞれだが、バスに乗らなくてもいい距離、しかも平坦な道のりだから歩くのも苦ではない。どれほど方向音痴であっても、目印がしっかりしているので、何度か通えば迷うはずもない。
「なんで迷子になるんですか」
「うーん……僕がクリエイターとして、認められていないから……かなあ」
「はぁ」
家に一緒に連れ帰ってもらうお礼に、と、辰野さんは私をコンビニに連れていき、「好きなもの買っていいよ」と言った。遠慮するなと言われたので、これ幸いと晩ご飯のお弁当を買ってもらう。
「それだけでいいの?」
「いいです。そんなに大したことしてないし」
私が味をしめて、辰野さんを駅で待ち伏せするようになったらどうするつもりなんだ。
指摘すると、辰野さんはほんわかと微笑んだ。
「八木沢さんは、そういうことしないでしょ?」
「まぁ、しないですけどねえ」
荷物を持ってもらって、私は手ぶらだ。コンビニからは徒歩五分。曲がって、まっすぐ。
辿り着いた三階建ての洋風の建物が、鬼百合荘だ。いかつい名前と違って、ちょっとメルヘン感があるのは、壁に使われているのがレンガっぽいタイルだからかもしれない。ここに緑の蔦が張ってたら、完璧。まぁ二階の私の部屋は畳の和室なので「鬼百合!」って名前にもふさわしいかも。
「ああ、よかった……着いた」
本気で安堵している辰野さんには悪いんだけど、なんでそんなに迷子になるかなあ。というか、迷っている感じではなかったんだよね。正しい道を選んでいるのにたどり着けないなんて、そんなこと……。
うん、あったわ。
実際、うちの父親が突然シェアハウスに住み始めた娘を心配し、アポなしでやってきた。住所は伝えてあったから、地図アプリを駆使して辿り着こうとしたんだけど、全然建物が見えてこない、と怒りのヘルプコールが入った。私や住人の猫目樹、それから指定配送業者のワタナベと一緒に駅前から歩いたら、普通に見つかった。
そういえば、シェアハウスの見学に来たときには、前の住人である先輩漫画家の太田さんが迎えに来てくれたんだった。
シェアハウスの摩訶不思議ルールを思い出す。
友人・家族の来訪は事前に申請をすること。郵便物は局留めにして、荷物の配送はワタナベ運送でのみ行うこと……。
「ねぇ、辰野さん」
鬼百合荘を見上げながら、私は問う。そういえば、直接確認したことはなかったな。
「うん?」
「もしかして鬼百合荘って、住人にしか見えないし、入れない……んですか?」
このときの私の心境というと、どうか「No」と言ってくれ! だった。突然出てくる夜食、台所の開かずの扉、作品をお供えしないとならない神棚、部外者には感知すらできない建物……ホラーじゃん。マイルドに言っても、ホラーじゃん。
私が投稿し続けている『月刊ハニーローズ』は、八月発売の号には必ず、別冊付録がついている。夏ということで、厳選したホラー漫画のみが掲載されているそれは、表紙からして不気味で、毎年その号だけ買えないくらい、ホラーが苦手なのだ。
開かずの扉の時点で、結構「やばいな」と思っていたけれど、普通の人には見えない建物に住んでいるなんて、考えたくもない。
私の祈りは届かない。辰野さんはこともなげに、「うん、そうだよ。あれ? 言ってなかったっけ?」と言い放った。
「まぁでも、八木沢さんは漫画描きだから問題ないよ。僕がクリエイターとは名ばかりだから、たまに見えなくなるだけで……」
「名ばかり?」
お化け屋敷に暮らしていることを若干後悔していた私は、現実に引き戻された。
「そんな。辰野さん、金曜の夜とか毎週頑張ってるじゃないですか。土日もほとんどゲーム制作に追われてて」
「うーん。まぁ、そうなんだけどね。でも僕の場合は、みんなと違って、分業制だから」
辰野曰く、彼がサークルで担当しているのはプログラミングだから仕方のないことなのだ、と。
テキストやグラフィックが、指定通りに動くようにコードを書いて命令をする。ゲームに必要なシナリオや音楽、キャラクターグラフィックに背景はすべて、他のメンバーが担当している。
「そのプログラミングって、ひとりでやってるんですか?」
「うん。好きだからね」
よくよく話を聞けば、彼は本業でもプログラマーとして活躍している筋金入りで、スマホアプリを作る会社に勤めているという。名前を聞いたら、私も使っているアプリだった。
「それでなんで名ばかりなんですか。シナリオがあってもイラストがあっても音楽があっても、辰野さんが動かす命令を書かなきゃ、ゲームにはならないんでしょ?」
私は漫画描きだから、シナリオとイラストはできる。でも、それを動かす術は知らない。作画ソフトの機能を使えば、アニメーションは作れるかな? くらいだ。選択肢を設けてそれに沿ったシーンを繋げて、というのは無理だ。
全然、名ばかりなんかじゃないですよ! と私が拳を握って熱弁を振るうと、彼は嬉しそうに、困ったように笑った。
「ありがとう。八木沢さんにそう言ってもらえて、元気が出たよ」
「まったく! 誰がそんなひどいことを言うんですか!」
辰野さんは再び、唸ってしまった。
「……そういえば八木沢さん。引っ越してきて、もうすぐ二か月だっけ?」
「はい? はぁ、そうですけど」
なんだ突然。話題が変わりすぎてついていけないぞ。
首を傾げる私に、
「そろそろワタナベくんが来てくれるからさ。そうしたら、君にもわかるよ」
と、意味深なことを言う。
それまで柔和で親しみやすいと思っていた辰野さんの笑顔が、なんだか途端に、得体のしれないもののように感じられて、ぶるっと震えた。
先週提出した課題の講評があったのだが、もう、ズタボロだった。
心情が伝わってこない。絵が下手。セリフが冗長。エトセトラエトセトラ。
他の同級生は褒められている子も多かったのに、私だけ集中砲火を受けた。しかも、高校時代からずっと憧れていた漫画家の先生に批判されまくったので、立ち直れない。
綴ソート先生。高校生デビューを果たし、すぐにあの、『週刊少年ステップ』の看板作家の仲間入りをした。二作目の連載はアニメ化して大人気になり、最近はポツポツと月刊誌やwebマガジンに読み切りを掲載するくらいだが、過去の作品は今もなお人気で、コミックスが売れ続けている怪物みたいな漫画家だ。最近描いていない理由は、「後進の育成に取り組みたいから」とのことで、私はその恩恵にあずかっている。
『やる気がないなら、授業に出なくても構わないぞ』
私を育てようとしてくれている先生から、そんな風にダメ出しをされて、かなり落ち込んでいる。
やる気は……ある。父を見返してやるんだという一心で描いていたときとは違って、わだかまりが解消した今、ちょっと緩くなっているところは、正直あるかもしれない。
でもさあ、あそこまで言う!?
こっちは言い返すことも「そこはこういう意図で」と説明することも許されずに、頭を下げている。それをひたすら叩かれるの。しかも人前で。
先生も編集さんに同じことをされたことがあるのかもしれない。そう納得しようと思ったけど、無理。だって打ち合わせで、あんなに大勢の前でダメ出しされることなんて、なくない?
それに、漫画編集者と漫画家は、ひとつの同じ目的に向かって走っている、いわば同志だ。
今描いている漫画をもっとよくして、売れるようにするにはどうしたらいいか。
漫画家なりのこだわりがあるのなら、お互いの妥協点を探っていくことができる。対して私と先生は、講師と生徒という立場だから、反論する機会も与えられない。正しいのは、「プロ」なのだ。
最終的には涙目になってでも、「ありがとうございました」と言えた自分を、自分で褒めたい。さすがに級友たちも私を心配して、学校近くのスタバに連れていって、フラペチーノを奢ってくれた。
「綴先生、最近ヒット作に恵まれてないから、ストレス解消にうちらのこと使ってるんだよ。みんな言ってる。今日はたまたま、凛がターゲットになっただけ」
そう慰めてくれたけれど、私としては、憧れの綴先生がそんな人だなんて思いたくもなかったし、その後先生の悪口大会に発展したのは、気分がよくなかった。デビューしていない私たちが、プロの先生の近作を「駄作」「オワコン」なんていう風に、批評精神なく貶して笑うことは、あってはならない。
フラペチーノは美味しかったけれど、結局のところ、胸につかえたもやもやは消えなかった。
とぼとぼと帰路についていると、家の近くの公園前で、キョロキョロしている人に出会った。
「辰野さん。何してるんですか?」
知り合い以上友人……というにはちょっと年が離れている。辰野智秋ともあきは、鬼百合荘でルームシェアをしている仲間だ。
クリエイターしか入居できない特殊なシェアハウスで、彼は趣味でゲームを制作し、ダウンロードサイトを通じて販売している。
私に声をかけられて、辰野さんはその柔和なクマみたいな顔をくしゃりと歪めた。目は潤んでいる。
「八木沢さん! 助かった!」
どうやら彼、家に帰れなくて迷子になっていたらしい。初日に自己紹介で「時々迷子になるので助けてください」と言っていたのが、本当にその場限りのジョークではなかったことに、衝撃が走る。
鬼百合荘は、駅から歩いて十五分。これを近いと取るか遠いと取るかは人それぞれだが、バスに乗らなくてもいい距離、しかも平坦な道のりだから歩くのも苦ではない。どれほど方向音痴であっても、目印がしっかりしているので、何度か通えば迷うはずもない。
「なんで迷子になるんですか」
「うーん……僕がクリエイターとして、認められていないから……かなあ」
「はぁ」
家に一緒に連れ帰ってもらうお礼に、と、辰野さんは私をコンビニに連れていき、「好きなもの買っていいよ」と言った。遠慮するなと言われたので、これ幸いと晩ご飯のお弁当を買ってもらう。
「それだけでいいの?」
「いいです。そんなに大したことしてないし」
私が味をしめて、辰野さんを駅で待ち伏せするようになったらどうするつもりなんだ。
指摘すると、辰野さんはほんわかと微笑んだ。
「八木沢さんは、そういうことしないでしょ?」
「まぁ、しないですけどねえ」
荷物を持ってもらって、私は手ぶらだ。コンビニからは徒歩五分。曲がって、まっすぐ。
辿り着いた三階建ての洋風の建物が、鬼百合荘だ。いかつい名前と違って、ちょっとメルヘン感があるのは、壁に使われているのがレンガっぽいタイルだからかもしれない。ここに緑の蔦が張ってたら、完璧。まぁ二階の私の部屋は畳の和室なので「鬼百合!」って名前にもふさわしいかも。
「ああ、よかった……着いた」
本気で安堵している辰野さんには悪いんだけど、なんでそんなに迷子になるかなあ。というか、迷っている感じではなかったんだよね。正しい道を選んでいるのにたどり着けないなんて、そんなこと……。
うん、あったわ。
実際、うちの父親が突然シェアハウスに住み始めた娘を心配し、アポなしでやってきた。住所は伝えてあったから、地図アプリを駆使して辿り着こうとしたんだけど、全然建物が見えてこない、と怒りのヘルプコールが入った。私や住人の猫目樹、それから指定配送業者のワタナベと一緒に駅前から歩いたら、普通に見つかった。
そういえば、シェアハウスの見学に来たときには、前の住人である先輩漫画家の太田さんが迎えに来てくれたんだった。
シェアハウスの摩訶不思議ルールを思い出す。
友人・家族の来訪は事前に申請をすること。郵便物は局留めにして、荷物の配送はワタナベ運送でのみ行うこと……。
「ねぇ、辰野さん」
鬼百合荘を見上げながら、私は問う。そういえば、直接確認したことはなかったな。
「うん?」
「もしかして鬼百合荘って、住人にしか見えないし、入れない……んですか?」
このときの私の心境というと、どうか「No」と言ってくれ! だった。突然出てくる夜食、台所の開かずの扉、作品をお供えしないとならない神棚、部外者には感知すらできない建物……ホラーじゃん。マイルドに言っても、ホラーじゃん。
私が投稿し続けている『月刊ハニーローズ』は、八月発売の号には必ず、別冊付録がついている。夏ということで、厳選したホラー漫画のみが掲載されているそれは、表紙からして不気味で、毎年その号だけ買えないくらい、ホラーが苦手なのだ。
開かずの扉の時点で、結構「やばいな」と思っていたけれど、普通の人には見えない建物に住んでいるなんて、考えたくもない。
私の祈りは届かない。辰野さんはこともなげに、「うん、そうだよ。あれ? 言ってなかったっけ?」と言い放った。
「まぁでも、八木沢さんは漫画描きだから問題ないよ。僕がクリエイターとは名ばかりだから、たまに見えなくなるだけで……」
「名ばかり?」
お化け屋敷に暮らしていることを若干後悔していた私は、現実に引き戻された。
「そんな。辰野さん、金曜の夜とか毎週頑張ってるじゃないですか。土日もほとんどゲーム制作に追われてて」
「うーん。まぁ、そうなんだけどね。でも僕の場合は、みんなと違って、分業制だから」
辰野曰く、彼がサークルで担当しているのはプログラミングだから仕方のないことなのだ、と。
テキストやグラフィックが、指定通りに動くようにコードを書いて命令をする。ゲームに必要なシナリオや音楽、キャラクターグラフィックに背景はすべて、他のメンバーが担当している。
「そのプログラミングって、ひとりでやってるんですか?」
「うん。好きだからね」
よくよく話を聞けば、彼は本業でもプログラマーとして活躍している筋金入りで、スマホアプリを作る会社に勤めているという。名前を聞いたら、私も使っているアプリだった。
「それでなんで名ばかりなんですか。シナリオがあってもイラストがあっても音楽があっても、辰野さんが動かす命令を書かなきゃ、ゲームにはならないんでしょ?」
私は漫画描きだから、シナリオとイラストはできる。でも、それを動かす術は知らない。作画ソフトの機能を使えば、アニメーションは作れるかな? くらいだ。選択肢を設けてそれに沿ったシーンを繋げて、というのは無理だ。
全然、名ばかりなんかじゃないですよ! と私が拳を握って熱弁を振るうと、彼は嬉しそうに、困ったように笑った。
「ありがとう。八木沢さんにそう言ってもらえて、元気が出たよ」
「まったく! 誰がそんなひどいことを言うんですか!」
辰野さんは再び、唸ってしまった。
「……そういえば八木沢さん。引っ越してきて、もうすぐ二か月だっけ?」
「はい? はぁ、そうですけど」
なんだ突然。話題が変わりすぎてついていけないぞ。
首を傾げる私に、
「そろそろワタナベくんが来てくれるからさ。そうしたら、君にもわかるよ」
と、意味深なことを言う。
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