私の話

雛川逢瀬

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美春は幼稚園に入り、友達もできて少しづつ成長していってる。友達には「髪型かわいいねっ!」「ママがやってくれたの!」て美春は笑顔で自慢した。
そう、母は料理も美味しく作れて、かわいい髪型もやってくれる。優しい母だ。
いつもお迎えもしてくれる。美春は今日起きたことを母に話すのが日課だ。「今日ね友達に髪型かわいいって言ってくれたのっ!」母も嬉しいと言いながら手を繋いで帰っていた。その手は凄く温かく大きな手で居心地が良かったのはよく覚えている。
ある日、美春が人形で遊んでいた時に母がきて、「遊ぶのやめなさい。うざいから」と言って私の人形を奪って目の前で壊したのだ。そして何も無かったかのように母はその場を離れた。私は悲しかった、父が私に買ってくれた人形だったから、必死に直そうとしても出来なくて、壊れた人形と一緒に居た。そして、父が仕事から帰ってきて、「美春、どうしたの?」て声をかけてくれて私は小さな声で「ママに壊されたの」そして父は壊れた人形をみて優しく言ってくれた「ママが寝たらパパが元に直してあげるね、美春はこの人形が好きだもんな、ははは。ママはどうしてこんなとをするのかなぁ」次の日の朝に起きたら人形が元に戻っていたのだ!前みたいに完璧ではないけど、凄く嬉しかった。
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