【フリー台本】一人向け(ヤンデレもあるよ)

しゃどやま

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狐の看取り【死ネタ/一人台本】

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 (舞台は神社。数百歳の狐神が、死の際にいる人間の恋人を穏やかに見守っている。)

狐:おお、今日はよく晴れておるな。風が心地よいぞ。

狐:葉も青々と光っていて、爽やかだな。

狐:いい日だ。はぁ……。

 (狐はせつなそうにため息を吐く。恋人に振り返り、微笑みを作る。)


狐:何か、ほしいものはあるか? 甘いものでも、茶でも準備しよう。

狐:ふふ。そうか。側にいて欲しいか。

狐:おまえは、何歳になっても甘えん坊だな……。

狐:なで、なで。可愛いやつめ。ん? 寒いか?

狐:……そうか。では、戸を閉めて来ような。

  (立ち上がり、戸を閉める。そのまま歩み寄り、恋人の側に座る。


狐:これでどうだ? まだ寒ければ、我が抱きしめてやろうか。

狐:本当に……抱きしめて欲しいのか?

狐:……ッ、わかった。本当に、甘え上手だ。

 (狐は、恋人を抱きしめる。いよいよ命が消えそうとわかっている。


狐:あたたかいか? ふふ、我も丸くなったモノだな。ん?

狐:我は、遥かを生きる狐神ぞ。おまえの願いぐらい、叶えてやるとも。

狐:……名前を、覚えていて欲しいとな。わかった。

狐:頼まれずとも、おまえの名を忘れることなどない。

狐:これからも、永遠に。

狐:そろそろか……。愛しい、か弱い人間よ。おまえも我の名を、忘れないでくれ。

 (恋人が息を引き取る。
狐:ああ……。本当に、いってしまった。

狐:我の願いだけは、決して叶わないのだな……。

狐:愛しいひとの側に有りたいという願いは……。

  (狐神は、改めて恋人を抱きしめる。

狐:短い間だったが、我の百年にまさる日々を――ありがとう。
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