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僕の海へおいで(ヤンデレ/一人台本/性別不問)
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(深い、青い海の中。誘う声は、水の妖怪か人魚なのか。あなたは、体を冷たい水に浸す。波が心地よく、肌をくすぐった。(この文章はナレーションとして読み上げてもいいし、読み上げなくてもいいです。)
僕:いらっしゃい。来てくれたんだね。待っていたよ。君が来るのを。
僕:波の音が、ざーん。ざーん。ささーって、心地よいね。月の光は熱くなくて、僕も過ごしやすいよ。
僕:今は夏って言うんだね。海水も少し暑いけど、深く潜ってしまえば関係ないよ。さあ、行こう。
僕:怖いのかい? 大丈夫、僕を信じて。君の呼吸が続くようになる魔法も知ってるし、強欲な魚から守ってあげるよ。
僕:海の中はとても素敵さ。君を邪魔するものなんて居ない。
僕:好きなだけ泳ごう? 北の海の冷たい激流でも、南の海のあたたかいサンゴ礁でもお望みのままだよ。北の海だったら追いかけっ子をしよう。難破船で宝探しをしよう。前はティアラを拾ったんだ。君をお姫様にしてあげるよ!
僕:南の海だったら、たくさんの小さな魚と遊ぼう。色とりどりの魚たちがかくれんぼするのを、たくさん見つけて遊ぼう。
僕:遊び疲れたら、サンゴの椅子に腰掛けて、クラゲを眺めておしゃべりしよう。
僕:フフ。お腹がすいたらいくらでも、僕が魚を獲ってくるからね。海の世界にルールはないんだ。食べることもあるし、食べられることもある。
僕:僕は肉食だよ。ほら、あーん。ギザギザの歯が見えたでしょ? これで僕は小魚や貝を食べるんだ。
僕:怖くないよ。君のことは絶対食べない。ちっちゃくてかわいくって、とっても柔らかそうだけど……大好きな子のことは食べないよ。
僕:僕の海へおいで。友達にも紹介するよ。陽気な魚ばかりだから、きっとすぐ仲良くなれるよ。
僕:みーんな歌うのが大好き。君のこと歓迎したら、もう何日も歌っちゃうかも。
僕:踊るのが好きな魚もいるよ。器用にひらひらとヒレを踊らせると、月の光で鱗が輝くんだ。とってもきれいだよ。
僕:君のその、長い手足を使ったら、きっとすごいダンスができるんだろうなあ。
僕:僕、ずっと君が来るのを待ってたんだ。海の中は楽しいけど、君がいないから寂しいよ。
僕:……人魚姫? ああ、前に君が聞かせてくれたおとぎ話の。
僕:ニンゲンに恋した魚が、失敗しちゃって消えちゃうお話だったよね。
僕:ふーん……君はそれが心配なの? 大丈夫。海の中なら僕が守ってあげるから、君が消えるなんてことはないよ。君は声を失う必要も、足を失う必要もないんだよ。
僕:僕の魔法で、水中で呼吸ができるようになるだけ。なんにも対価なんていただかないよ。僕がやりたくてやっているだけだからね。大切な人には側にいて欲しい、それだけ。
僕:ねえ。どうするの? このままずっと、海と陸とでお喋りしているの?
僕:僕ははやく君と、海の中で遊びたいよ。海の中なら、君に触れる。火傷しないで、君を抱きしめられる。
僕:……僕が地上に行くのは、難しいな。僕は足を生やす魔法をしらないし、陸で長いこと過ごしたら干からびてしまうよ。
僕:ごめん……本当は、君の話していたサクラや、クルマってやつとか、見てみたいんだけどね。
僕:君にばっかり、こっちへ来てもらうのは悪いかな……?
僕:そうだ! 今日は君が、僕の海へおいで。陸での疲れを、何もかも捨ててしまおう?
僕:そして、次会える時に、僕が陸へ行くよ。それまでに陸で過ごせる魔法を練習しておく。これでいいでしょう?
僕:じゃあ、今日は僕の海に来てくれる? ふふっ、やったあ!
僕:嬉しいな! ずっと君と、やりたかったことがあるんだ。たくさん。僕の作った楽器を使って欲しいし、僕の準備したベッドで休憩してほしい。
僕:苦手なものはある? 全部片付けておくからね。
僕:大丈夫? 大丈夫なら、おいで。
僕:ほら、一歩、二歩。海に入っておいで。
僕:膝。ふともも。腰。どんどん、君が海の中にやってくる。お腹。胸。肩。もう僕の目の前だ。
僕:さあ……僕の腕の中においで。
僕:僕の海へおいで。
(終)
僕:いらっしゃい。来てくれたんだね。待っていたよ。君が来るのを。
僕:波の音が、ざーん。ざーん。ささーって、心地よいね。月の光は熱くなくて、僕も過ごしやすいよ。
僕:今は夏って言うんだね。海水も少し暑いけど、深く潜ってしまえば関係ないよ。さあ、行こう。
僕:怖いのかい? 大丈夫、僕を信じて。君の呼吸が続くようになる魔法も知ってるし、強欲な魚から守ってあげるよ。
僕:海の中はとても素敵さ。君を邪魔するものなんて居ない。
僕:好きなだけ泳ごう? 北の海の冷たい激流でも、南の海のあたたかいサンゴ礁でもお望みのままだよ。北の海だったら追いかけっ子をしよう。難破船で宝探しをしよう。前はティアラを拾ったんだ。君をお姫様にしてあげるよ!
僕:南の海だったら、たくさんの小さな魚と遊ぼう。色とりどりの魚たちがかくれんぼするのを、たくさん見つけて遊ぼう。
僕:遊び疲れたら、サンゴの椅子に腰掛けて、クラゲを眺めておしゃべりしよう。
僕:フフ。お腹がすいたらいくらでも、僕が魚を獲ってくるからね。海の世界にルールはないんだ。食べることもあるし、食べられることもある。
僕:僕は肉食だよ。ほら、あーん。ギザギザの歯が見えたでしょ? これで僕は小魚や貝を食べるんだ。
僕:怖くないよ。君のことは絶対食べない。ちっちゃくてかわいくって、とっても柔らかそうだけど……大好きな子のことは食べないよ。
僕:僕の海へおいで。友達にも紹介するよ。陽気な魚ばかりだから、きっとすぐ仲良くなれるよ。
僕:みーんな歌うのが大好き。君のこと歓迎したら、もう何日も歌っちゃうかも。
僕:踊るのが好きな魚もいるよ。器用にひらひらとヒレを踊らせると、月の光で鱗が輝くんだ。とってもきれいだよ。
僕:君のその、長い手足を使ったら、きっとすごいダンスができるんだろうなあ。
僕:僕、ずっと君が来るのを待ってたんだ。海の中は楽しいけど、君がいないから寂しいよ。
僕:……人魚姫? ああ、前に君が聞かせてくれたおとぎ話の。
僕:ニンゲンに恋した魚が、失敗しちゃって消えちゃうお話だったよね。
僕:ふーん……君はそれが心配なの? 大丈夫。海の中なら僕が守ってあげるから、君が消えるなんてことはないよ。君は声を失う必要も、足を失う必要もないんだよ。
僕:僕の魔法で、水中で呼吸ができるようになるだけ。なんにも対価なんていただかないよ。僕がやりたくてやっているだけだからね。大切な人には側にいて欲しい、それだけ。
僕:ねえ。どうするの? このままずっと、海と陸とでお喋りしているの?
僕:僕ははやく君と、海の中で遊びたいよ。海の中なら、君に触れる。火傷しないで、君を抱きしめられる。
僕:……僕が地上に行くのは、難しいな。僕は足を生やす魔法をしらないし、陸で長いこと過ごしたら干からびてしまうよ。
僕:ごめん……本当は、君の話していたサクラや、クルマってやつとか、見てみたいんだけどね。
僕:君にばっかり、こっちへ来てもらうのは悪いかな……?
僕:そうだ! 今日は君が、僕の海へおいで。陸での疲れを、何もかも捨ててしまおう?
僕:そして、次会える時に、僕が陸へ行くよ。それまでに陸で過ごせる魔法を練習しておく。これでいいでしょう?
僕:じゃあ、今日は僕の海に来てくれる? ふふっ、やったあ!
僕:嬉しいな! ずっと君と、やりたかったことがあるんだ。たくさん。僕の作った楽器を使って欲しいし、僕の準備したベッドで休憩してほしい。
僕:苦手なものはある? 全部片付けておくからね。
僕:大丈夫? 大丈夫なら、おいで。
僕:ほら、一歩、二歩。海に入っておいで。
僕:膝。ふともも。腰。どんどん、君が海の中にやってくる。お腹。胸。肩。もう僕の目の前だ。
僕:さあ……僕の腕の中においで。
僕:僕の海へおいで。
(終)
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