355 / 499
第12部
第一章 スクランブル・サミット①
しおりを挟む
「……してやられたわ」
少女が呟く。
時刻は午後四時過ぎ。そこは《獅子の胃袋亭》。
丸いテーブルを囲んで三人の少女がいた。
テーブルの上にはもう冷めた紅茶。三人はかなり長い間、その席に座っていた。
「まったくもう……」
一人は絹糸のような長い栗色の髪を持つ少女。
切れ長の蒼い瞳に、美麗な顔立ちを持ち、スレンダーな肢体にはアティス王国騎士学校を纏っている。勝気そうな少女だ。
アリシア=エイシスである。
「……確かにそだね」
と、神妙な声を上げるのは銀色の髪の少女。
銀のヘルムを机の上に、アリシアと同じ制服の上に鎧と短い赤マントを着ている。古の騎士のような格好に、群を抜いた美貌。まるで物語の女性騎士を思わす少女だ。
ただ、その性格はとても温和なのだが。
アリシアの幼馴染。サーシャ=フラムだ。
アリシアとサーシャは、溜息をつくと、視線を別の方へと向けた。
そこにいるのは最後の一人。
淡い栗色のショートヘアに、澄んだ水色の瞳。長い前髪が印象的な少女だ。二人同様に騎士学校の制服を着ているが、アリシアと違い、そのスタイルは実に存在感をアピールしている。まあ、サーシャの方は鎧を外せば、彼女さえ上回るのだが。
ルカ=アティス。
このアティス王国の第一王女であり、アリシア達の幼馴染でもあった。
「え、えっと。お姉ちゃん達……」
ルカは、少し頬を強張らせて笑った。
対し、
「……ルカ」
アリシアが、妹分の名を呼ぶ。
アリシアとサーシャは、ルカをジト目で見据えた。
「ルカは知ってたのよね? コウタ君がアッシュさんの弟だって」
アリシアが言う。サーシャは何も言わないが、笑顔で圧力をかけてくる。
ルカは「ひ、ひう」と呻いた。
「わ、私も知ったのは前日の晩、です。その時、初めてお師匠さまから聞きました」
「……そう。メルちゃんから……」
と、サーシャが呟く。
それから、さらに深い溜息をついた。
「ルカの友達って、みんな知ってたんだよね。コウタ君と先生のこと。だから、ずっとあんな感じだったんだ」
「ええ。そうね。そして、それは当然、ミランシャさんやシャルロットさんもね。本当にしてやられたわ」
と、アリシアが頬杖をついて告げる。
あの衝撃の展開から、丸三日が経っていた。
本当にあれは衝撃的だった。ユーリィほどではなかったが、アリシアにしろ、サーシャにしろ、本当に驚いたのだ。
まさか、遠い異国の地からやって来たルカの先輩が、想い人の弟だったなんて、どうやって気づけというのか。
(救いなのは、うっかりコウタ君に嫌われるような態度を取っていなかったことよね)
思わず嘆息するアリシア。
――と、
「……けど、オトハさんは、あんまり驚いてなかったよね」
ふと、サーシャがあごに指を当てて呟く。
アリシアは顔を上げて「……そうね」と返した。
「確か、初日にシャルロットさんがクライン工房に行ったじゃない。たぶん、オトハさんはその時、聞いたんじゃないかしら? 思い返せば、オトハさんもコウタ君に対しては最初から神妙な様子だったし。まあ、いずれにせよ」
アリシアは視線をルカに戻した。
「ミランシャさんがコウタ君を可愛がるはずだわ。何せ、アッシュさんの実の弟なんですもの。私達がかなり出遅れたのは間違いないわよね」
「……うん。そうだね」
サーシャは眉を落として頷く。
「コウタ君が、ミランシャさんやシャルロットさんを信頼しているのは、見てて分かるもん。私達は大分遅れた感じがするよ」
「『将を射んとする者はまず馬を射よ』は当然の戦術だしね。だからこそ」
アリシアは、改めてルカを見つめた。
「攻略相手を知ることも戦術の基本よ。ルカ」
「は、はい」
姉貴分に名を呼ばれ、ルカが姿勢を正した。
「コウタ君のことで、知っていることを洗いざらい話して」
「あ、洗いざらい、ですか?」
ルカがおどおどした様子で返すと、アリシアは「ええ」と答えた。
「コウタ君の趣味とか、特技とか、性格とか。何でもいいわ。とりあえず『お姉ちゃんアピール』は始めたけど、まだまだ弱いからね。あと、特に重要なことがあるわ」
そこで、アリシアは少しだけ躊躇うような表情を見せた。
幼馴染の躊躇に、サーシャも気付く。
数瞬の沈黙。
「……そうだね」
サーシャは、親友の代わりに尋ねた。
「コウタ君の家名のこと。どうして先生と違うのか。それが一番知りたい」
――そう。これこそが。
サーシャ達が、あの少年がアッシュの弟であると気づけなかった最大の要因だろう。あの少年の家名が『クライン』ではなかったからだ。
「『ヒラサカ』ってアロンの家名よね? オトハさんの『タチバナ』と同じで」
「うん」
サーシャが頷く。
「セラ大陸では、あまり聞かない家名だよね」
家名の違う兄弟。考えられるとしたら、やはり養子縁組だろうか?
あの少年は、兄とは八年ぶりの再会だと言っていた。
何かしらの理由で、幼い頃に養子に出されていた可能性もある。
「コウタ君って、養子なの?」
と、アリシアが、ルカに率直に訊いた。
すると、ルカは神妙な顔でかぶりを振った。
「違います。その、コウ君はアシュレイ家にお世話になっているけど、別の家の養子じゃない、です。ヒラサカはコウ君の本当の家名。だから」
一拍おいて、ルカは告げる。
「仮面さんの、本当の家名なんです」
「「………え?」」
アリシアとサーシャは目を見開いた。
「え? ちょ、ちょっと待って。え? それって、どういうこと?」
そう言って、アリシアが困惑した様子でテーブルの上に身を乗り出した。
サーシャは乗り出しこそしなかったが、ルカを凝視していた。
ルカは少し返答を躊躇う。
しかし、アリシアとサーシャは幼馴染であり、姉同然の人達だ。
何より、今や彼女達とは志を同じとする仲間だ。
ある意味、これから人生を共にする予定の家族だった。
――アッシュ=クラインの妻達として。
(だ、だったら、言っとかないと)
ルカは、そう決断する。
「お、お師匠さまが言ってたん、です。仮面さんの名前は、失った仮面さんの故郷――クライン村から取ったものだって。本当の名前は別にあるって」
一拍の間。アリシアは「え?」と声を零した。
「……せ、先生の本当の名前……?」
次いで、サーシャが茫然と呟く。
「……何、その話?」
アリシアが立ち上がり、テーブルの上に乗り出した。
「失った故郷って何? どういうことなの? ルカ」
「え、えっと」
言い淀みつつ、ルカはとても悲しそうに眉をひそめた。
「仮面さんの故郷は、八年前にある組織に襲撃されて、村人は皆、こ、殺されてしまったんです。仮面さんと、コウ君は、生き延びたけど、離れ離れになって……」
サーシャとアリシアは、息を呑んだ。
それは初めて聞く話だった。
ルカは、さらに言葉を続ける。
「わ、私もお師匠さまから、聞いたので、仮面さんや、コウ君から聞いた訳じゃありません。けど、仮面さんはその時から、今の名前を名乗っているみたいです」
言って、ルカは指先を組んで深く俯いた。
長い沈黙が続く。
「……それって」
ようやく、アリシアが口を開いた。
「……『アッシュ』の方も違うってことなの?」
コウタという名前は、オトハ同様にアロン風だ。
そう考えると、『アッシュ』というのは、兄弟にしては不自然な気がする。
アリシアが身を乗り出したまま尋ねると、ルカはフルフルとかぶりを振った。
「そ、そこまでは、私も知りません。お師匠さまは、そこまでは自分が教えるべきことじゃないって言ってたから。ただ、コウ君は当然知っていて……」
「……そう」
アリシアは、ドスン、と椅子に座り直した。
「……アッシュさんが、昔、何か大切なものを失ったことがあるってのは、オトハさんやユーリィちゃんの話から薄々気付いていたけど……本当の名前なんて」
片手で額を押さえて、深々と息を吐き出す。
自分が、何も知らないことを思い知った気分だ。
正直、弟がいたことよりもショックだった。
「……アッシュさんの本名って、ユーリィちゃんとオトハさんは知っているのかしら?」
アリシアは、空いた二人分の席に目をやった。
今回の緊急サミット。本来ならば、アティス滞在組の五人を全員招集するつもりだったのだが、結果としてユーリィ、オトハは欠席となった。
ユーリィは昨日の内に声を掛けたのだが、アッシュから離れたがらず、
『……私はいい』
と、欠席を告げてきた。一方、オトハは、騎士学校の授業が終わってから彼女の教官室に行ってみたのだが、すでに不在だった。
再び訪れる静寂。
すると、サーシャが、ポツポツと語り出した。
「……オトハさんは私達よりも、先生との付き合いがずっと長いから知っているかも。けど、ユーリィちゃんの方は……」
そこで言い淀む。
「……多分、知らないかも」
直感だがそう感じる。アッシュが弟の前でまで名乗らなかった名前だ。
ユーリィにさえも教えていない気がする。
「……これはまた、コウタ君と仲良くなる前に、大きな課題が出てきたわね」
アリシアは溜息をついた。
サーシャとルカも、神妙な顔で頷く。
「アッシュさんの本当の名前か」
愛する人の本当の名前。
当然、知っておきたい。
けれど、
「……知っちゃダメな気もするわね」
小さく嘆息しつつ、アリシアは告げる。
「ここは、まずオトハさんの話が聞きたいとこね」
少女が呟く。
時刻は午後四時過ぎ。そこは《獅子の胃袋亭》。
丸いテーブルを囲んで三人の少女がいた。
テーブルの上にはもう冷めた紅茶。三人はかなり長い間、その席に座っていた。
「まったくもう……」
一人は絹糸のような長い栗色の髪を持つ少女。
切れ長の蒼い瞳に、美麗な顔立ちを持ち、スレンダーな肢体にはアティス王国騎士学校を纏っている。勝気そうな少女だ。
アリシア=エイシスである。
「……確かにそだね」
と、神妙な声を上げるのは銀色の髪の少女。
銀のヘルムを机の上に、アリシアと同じ制服の上に鎧と短い赤マントを着ている。古の騎士のような格好に、群を抜いた美貌。まるで物語の女性騎士を思わす少女だ。
ただ、その性格はとても温和なのだが。
アリシアの幼馴染。サーシャ=フラムだ。
アリシアとサーシャは、溜息をつくと、視線を別の方へと向けた。
そこにいるのは最後の一人。
淡い栗色のショートヘアに、澄んだ水色の瞳。長い前髪が印象的な少女だ。二人同様に騎士学校の制服を着ているが、アリシアと違い、そのスタイルは実に存在感をアピールしている。まあ、サーシャの方は鎧を外せば、彼女さえ上回るのだが。
ルカ=アティス。
このアティス王国の第一王女であり、アリシア達の幼馴染でもあった。
「え、えっと。お姉ちゃん達……」
ルカは、少し頬を強張らせて笑った。
対し、
「……ルカ」
アリシアが、妹分の名を呼ぶ。
アリシアとサーシャは、ルカをジト目で見据えた。
「ルカは知ってたのよね? コウタ君がアッシュさんの弟だって」
アリシアが言う。サーシャは何も言わないが、笑顔で圧力をかけてくる。
ルカは「ひ、ひう」と呻いた。
「わ、私も知ったのは前日の晩、です。その時、初めてお師匠さまから聞きました」
「……そう。メルちゃんから……」
と、サーシャが呟く。
それから、さらに深い溜息をついた。
「ルカの友達って、みんな知ってたんだよね。コウタ君と先生のこと。だから、ずっとあんな感じだったんだ」
「ええ。そうね。そして、それは当然、ミランシャさんやシャルロットさんもね。本当にしてやられたわ」
と、アリシアが頬杖をついて告げる。
あの衝撃の展開から、丸三日が経っていた。
本当にあれは衝撃的だった。ユーリィほどではなかったが、アリシアにしろ、サーシャにしろ、本当に驚いたのだ。
まさか、遠い異国の地からやって来たルカの先輩が、想い人の弟だったなんて、どうやって気づけというのか。
(救いなのは、うっかりコウタ君に嫌われるような態度を取っていなかったことよね)
思わず嘆息するアリシア。
――と、
「……けど、オトハさんは、あんまり驚いてなかったよね」
ふと、サーシャがあごに指を当てて呟く。
アリシアは顔を上げて「……そうね」と返した。
「確か、初日にシャルロットさんがクライン工房に行ったじゃない。たぶん、オトハさんはその時、聞いたんじゃないかしら? 思い返せば、オトハさんもコウタ君に対しては最初から神妙な様子だったし。まあ、いずれにせよ」
アリシアは視線をルカに戻した。
「ミランシャさんがコウタ君を可愛がるはずだわ。何せ、アッシュさんの実の弟なんですもの。私達がかなり出遅れたのは間違いないわよね」
「……うん。そうだね」
サーシャは眉を落として頷く。
「コウタ君が、ミランシャさんやシャルロットさんを信頼しているのは、見てて分かるもん。私達は大分遅れた感じがするよ」
「『将を射んとする者はまず馬を射よ』は当然の戦術だしね。だからこそ」
アリシアは、改めてルカを見つめた。
「攻略相手を知ることも戦術の基本よ。ルカ」
「は、はい」
姉貴分に名を呼ばれ、ルカが姿勢を正した。
「コウタ君のことで、知っていることを洗いざらい話して」
「あ、洗いざらい、ですか?」
ルカがおどおどした様子で返すと、アリシアは「ええ」と答えた。
「コウタ君の趣味とか、特技とか、性格とか。何でもいいわ。とりあえず『お姉ちゃんアピール』は始めたけど、まだまだ弱いからね。あと、特に重要なことがあるわ」
そこで、アリシアは少しだけ躊躇うような表情を見せた。
幼馴染の躊躇に、サーシャも気付く。
数瞬の沈黙。
「……そうだね」
サーシャは、親友の代わりに尋ねた。
「コウタ君の家名のこと。どうして先生と違うのか。それが一番知りたい」
――そう。これこそが。
サーシャ達が、あの少年がアッシュの弟であると気づけなかった最大の要因だろう。あの少年の家名が『クライン』ではなかったからだ。
「『ヒラサカ』ってアロンの家名よね? オトハさんの『タチバナ』と同じで」
「うん」
サーシャが頷く。
「セラ大陸では、あまり聞かない家名だよね」
家名の違う兄弟。考えられるとしたら、やはり養子縁組だろうか?
あの少年は、兄とは八年ぶりの再会だと言っていた。
何かしらの理由で、幼い頃に養子に出されていた可能性もある。
「コウタ君って、養子なの?」
と、アリシアが、ルカに率直に訊いた。
すると、ルカは神妙な顔でかぶりを振った。
「違います。その、コウ君はアシュレイ家にお世話になっているけど、別の家の養子じゃない、です。ヒラサカはコウ君の本当の家名。だから」
一拍おいて、ルカは告げる。
「仮面さんの、本当の家名なんです」
「「………え?」」
アリシアとサーシャは目を見開いた。
「え? ちょ、ちょっと待って。え? それって、どういうこと?」
そう言って、アリシアが困惑した様子でテーブルの上に身を乗り出した。
サーシャは乗り出しこそしなかったが、ルカを凝視していた。
ルカは少し返答を躊躇う。
しかし、アリシアとサーシャは幼馴染であり、姉同然の人達だ。
何より、今や彼女達とは志を同じとする仲間だ。
ある意味、これから人生を共にする予定の家族だった。
――アッシュ=クラインの妻達として。
(だ、だったら、言っとかないと)
ルカは、そう決断する。
「お、お師匠さまが言ってたん、です。仮面さんの名前は、失った仮面さんの故郷――クライン村から取ったものだって。本当の名前は別にあるって」
一拍の間。アリシアは「え?」と声を零した。
「……せ、先生の本当の名前……?」
次いで、サーシャが茫然と呟く。
「……何、その話?」
アリシアが立ち上がり、テーブルの上に乗り出した。
「失った故郷って何? どういうことなの? ルカ」
「え、えっと」
言い淀みつつ、ルカはとても悲しそうに眉をひそめた。
「仮面さんの故郷は、八年前にある組織に襲撃されて、村人は皆、こ、殺されてしまったんです。仮面さんと、コウ君は、生き延びたけど、離れ離れになって……」
サーシャとアリシアは、息を呑んだ。
それは初めて聞く話だった。
ルカは、さらに言葉を続ける。
「わ、私もお師匠さまから、聞いたので、仮面さんや、コウ君から聞いた訳じゃありません。けど、仮面さんはその時から、今の名前を名乗っているみたいです」
言って、ルカは指先を組んで深く俯いた。
長い沈黙が続く。
「……それって」
ようやく、アリシアが口を開いた。
「……『アッシュ』の方も違うってことなの?」
コウタという名前は、オトハ同様にアロン風だ。
そう考えると、『アッシュ』というのは、兄弟にしては不自然な気がする。
アリシアが身を乗り出したまま尋ねると、ルカはフルフルとかぶりを振った。
「そ、そこまでは、私も知りません。お師匠さまは、そこまでは自分が教えるべきことじゃないって言ってたから。ただ、コウ君は当然知っていて……」
「……そう」
アリシアは、ドスン、と椅子に座り直した。
「……アッシュさんが、昔、何か大切なものを失ったことがあるってのは、オトハさんやユーリィちゃんの話から薄々気付いていたけど……本当の名前なんて」
片手で額を押さえて、深々と息を吐き出す。
自分が、何も知らないことを思い知った気分だ。
正直、弟がいたことよりもショックだった。
「……アッシュさんの本名って、ユーリィちゃんとオトハさんは知っているのかしら?」
アリシアは、空いた二人分の席に目をやった。
今回の緊急サミット。本来ならば、アティス滞在組の五人を全員招集するつもりだったのだが、結果としてユーリィ、オトハは欠席となった。
ユーリィは昨日の内に声を掛けたのだが、アッシュから離れたがらず、
『……私はいい』
と、欠席を告げてきた。一方、オトハは、騎士学校の授業が終わってから彼女の教官室に行ってみたのだが、すでに不在だった。
再び訪れる静寂。
すると、サーシャが、ポツポツと語り出した。
「……オトハさんは私達よりも、先生との付き合いがずっと長いから知っているかも。けど、ユーリィちゃんの方は……」
そこで言い淀む。
「……多分、知らないかも」
直感だがそう感じる。アッシュが弟の前でまで名乗らなかった名前だ。
ユーリィにさえも教えていない気がする。
「……これはまた、コウタ君と仲良くなる前に、大きな課題が出てきたわね」
アリシアは溜息をついた。
サーシャとルカも、神妙な顔で頷く。
「アッシュさんの本当の名前か」
愛する人の本当の名前。
当然、知っておきたい。
けれど、
「……知っちゃダメな気もするわね」
小さく嘆息しつつ、アリシアは告げる。
「ここは、まずオトハさんの話が聞きたいとこね」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる