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第9部
第六章 「シルクディス遺跡」④
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その日の夜。
「………はァ、結局外れだったな」
と、ホテル『ハイランド』のロビーにてエドワードが深い溜息をついた。
ラッセルのホテル同様に、このロビーにも飲食のためのフロアがある。
エドワードはロックと二人で多数ある大きな丸テーブルの一つに座っていた。
彼らの隣のテーブルにはオトハとユーリィ。オルタナを肩に乗せたルカ。そしてアリシアとサーシャが座っている。
要するにゴドーとランド。アッシュだけがいない状況だった。
「けど、オニキスさん。あの大扉は百二十年以上、開いてません。今回開かなくても仕方がないと、思います」
と、ルカがストローでアイスコーヒーを一口分吸って告げる。
ちなみにアイスコーヒーは、全員の分がテーブルの上に置かれていた。
「そうだよね。ここでいきなり開いたら流石に都合がいいと言うか」
サーシャがルカに視線を向けてそう言った。
「確かにそうとは思うが、俺達にとってはいきなりでも、ゴドーさんの方は長年かけて調査してきていたんだ。やはり期待してしまうだろう」
と、ロックが珍しくぶすっとした表情でそう反論する。
すると、アリシアが両頬を肘で支えて、やれやれと作り笑いを見せた。
「それもそうか。あのおじさんならやってのけそうな雰囲気もあったものね。オニキスもハルトも興味津々だったし」
「うん。それに関しては私も残念。面白いものが見れると思ったのに」
と、ユーリィが話を継いだ。
「はははっ、それは残念だったねユーリィちゃん。けど、ゴドーさんはもっと残念じゃないかな? 落ち込んでないといいけど……」
と、人の良いサーシャが父の旧友の心情を心配していたら、
「それなら大丈夫でしょう。あのおじさんなら落ち込むどころか明日にはもうケロッとして『このままでは帰れない。別の成果を上げねば!』とか言って、オトハさんに本格的にアタックしてきそうだわ」
「おい待て。不吉なことを言うな。それは本気で嫌だぞ」
いきなり寒気がするようなことを言われて、オトハはアリシアを睨み付けた。
「正直、私も限界なんだ。そろそろこれを抜きたい」
言って、腰の小太刀の柄に触れる。
疑いようもない本音の声と本気の意思だ。目が完全に据わってしまっている鬼教官に、エドワードとロックは青ざめた。
が、教え子の一人である前に恋敵であるアリシアはその程度では怯えなかった。
「ええ~、そうですか~。確かに最近のオトハさんは、精神的には結構キツいかもしれませんけど役得だっててんこ盛りじゃないですか~。アッシュさんにはずっと気をかけてもらっているし、何かあるたびにこっそりアッシュさんの服の裾を掴んでいるでしょう? 不安がる幼い女の子みたいに。私達全員気付いていますよ」
「な、なにっ!?」
アリシアのツッコミにオトハが目を剥いた。
そして盛んに視線を泳がせながら、言い訳を始める。
「な、何の話だ!? 私はクラインの服の裾なんて掴んでいないぞ!? 気弱な少女じゃあるまいし! その、掴んでいても掴みやすかったからたまたまという奴だ!」
「「「………………」」」
少女達は何も言わなかった。
アリシアとユーリィはジト目でオトハを睨み、ルカは少し真剣な顔をしてテーブルの上で指先を動かしていた。自分も実行するためのイメージトレーニングのようだ。
一方、少年達は何やら修羅場の匂いを感じ取って気まずそうだった。
両手を膝の上に置いて未だ視線を泳がせるオトハを中心に緊迫した空気が流れるが、それを払拭したのは穏やかなサーシャの声だった。
「そんな事を言ったらダメだよ。アリシア」
慈母の眼差しで言う。
「オトハさんはいま好きじゃない人に迫られている立場なんだよ。それって本当に危険だと思うの。あらゆる意味で。ちゃんと私達も助けなきゃ。じゃないと――」
そこで何やら覚悟を決めた表情を見せてサーシャは告げる。
「例の話。このままだとオトハさんが、一人目になっちゃうよ」
一拍の間。
「「「―――――ッ!?」」」
アリシア、ユーリィ、ルカは絶句した。
一拍遅れて、呆気に取られていたオトハが顔を赤くして叫ぶ。
「ひ、一人目っ!? なっ、 そ、それは、もしかして私が昨日の夜に話したことを言っているのか!? おいフラム!?」
「だってオトハさんの話には説得力がありました。私もその可能性はあると思います。いいえ、それどころか、私達みんなが頑張れば頑張るほどに、オトハさんの言っていたことの現実性は高くなると感じました」
と、サーシャは自分の直感を告げる。
それから、わずかに柳眉を下げて――。
「それに私も以前、『ラフィルの森』で少しだけ先生が心の奥に秘めている本当の顔を見たことがありますから。だから、きっと先生は……」
あの日のことは忘れられない。
あれほどまでに強い青年が、失うことを恐れて震えていた夜のことは。
サーシャは微かな吐息を零し、視線を少しだけ落とした。
「昨晩からずっと考え続けて、ようやく私も覚悟を決めました」
彼の傍に居て上げたい。
そして何よりも自分自身が、どんな形であっても彼の傍に居たいと思っている。
それが、自分の心と向き合ったサーシャの本心だった。
だったら、結論は一つしかない。
「もしも先生――アッシュが本当にそれを望むのなら、父や周囲の人達が何と言おうと私はすべてを受け入れようと思います」
と、銀色の髪の少女は、神妙な声で言った。
――が、すぐにニコッと微笑んで。
「けど、やっぱり『一番』は魅力的ですし、簡単に譲るつもりはありませんから」
手強い恋敵全員に、堂々と『序列争い』の宣戦布告をする。
いかなる形であっても受け入れる覚悟ではいるが、やはり『一番』は最も愛されているような気がするのだ。出来ることならその座は手に入れたい。
「――ふふっ、負けませんから」
最後にそう告げて、サーシャは不敵にも思える笑みを見せた。
すると、すでにハーレムの可能性を視野に入れている肯定派のユーリィとルカは「「おお~」」とサーシャに拍手を贈った。
「これで三人目。ようこそメットさん」
「うん。お互いにガンバろ。サーシャお姉ちゃん」
一方、アリシアとオトハは着々と増える勢力に愕然として言葉もなかった。
ちなみに話に全くついていけていないエドワードとロックはキョトンとしていた。
「ところでその先生だけど……」
不意にサーシャはキョロキョロと周囲を見渡した。
「どうしてここにいないの?」
と、残念そうに呟く。
覚悟を決めたとしても、最近アッシュ成分不足のような気がする。不発ではあるが大きなイベントが終わった今、少しでも旅行の時間を共有したかったのだが……。
「あ、ああ。師匠か……」その質問にはエドワードが答えてくれた。「師匠なら近所のじいさんばあさんや工房のお得意さんに贈るまんじゅう系の土産を大量に購入してたよ。部屋で漏れがないかチェックしてたみてえだ」
いかにもアッシュらしい細やかな気配りだった。
サーシャは、口元を片手で押さえてクスリと微笑んだ。
が、すぐに、
「先生がお部屋でおまんじゅうを数えているのは分かったけど……」
サーシャが小首を傾げて尋ねる。
「そう言えば、ゴドーさんの方はどこに行ったの?」
父の友人ではあるが同時にオトハを狙う要注意人物でもある。これ以上アッシュの『守護欲』を刺激しないように警戒しなければならない。
サーシャの気持ちを察したのか、ユーリィとルカもゴドーの姿を探し始めた。
なお、ゴドーに迫られている当人であるオトハと、本来なら真っ先に行動するアリシアはまだ思考停止中だった。
「ん? ゴドーさんの方か?」
するとその時、再びエドワードが、ストローで少し温くなったアイスコーヒーをチュルチュルと吸ってから答えた。
「ゴドーさんは少し出かけるって言ってたぞ。まあ、ゴドーさんも何だかんだでヘコんでいるだろうから酒場にでも行ったんじゃね?」
◆
――ズザザザザザ……。
それは、森の中で蠢いていた。
例えるならばその姿は黒い濁流か――。
闇の中に潜み、あらゆる障害物をくぐり抜け、それは目標へと突き進んでいた。
それは巨体でもあるため、邪魔をする木々を時折削り抉り取る。繁みが散り、木々が倒れるがお構いなしに森の中へと浸食していく。
ただ主人の意志に従い、それは這い寄るように『彼ら』に近付いていた。
『――ヒル隊長。鎧機兵の最終チェック、完了しました』
時刻は二十時十五分。副官である部下がそう報告した。
『そうか。異常はなかったか?』
と、自分の鎧機兵に乗ったカルロスが尋ねると、同じく鎧機兵に搭乗している副官は明確な声で答えた。
『はッ! 全機とも異常はありません。今すぐにでも出撃できます』
『……よし』
言ってカルロスは前方に目をやった。
そこはシルクから少し離れた森の中。深い森の中にぽっかりと空いた二十数機程度の鎧機兵ならば陣取れるできるぐらいの広場だ。
そしてカルロスの眼前では十七機。黒い鎧機兵が三列になって整列している。
全機が騎士型。剣と盾を装備し、肩当てには黒い太陽の紋章が刻まれていた。カルロスの隣に立つ副官の機体も同様のタイプだ。
各機の恒力値は、多少差異はあるが、おおよそ一万二千ジン。一般社員に与えられる機体の中では最上級のものだ。
それに加え、カルロスの愛機。
タイプとしては騎士型になるが、他の機体とは一線を画している。
手に携える武器は斧槍。長い竜尾は他の機体と同じだが、両足は少しひしゃげた蹄を持つ獣の脚。頭部は馬を模したものになっていた。
恒力値は二万五千ジン。同期であり、カルロス同様に出世頭の一人と呼ばれるカテリーナ=ハリスの愛機・《羅刹》にも劣らない名機だ。
だが、それもそのはず。なにせ、カルロスの愛機――機体名・《馬頭》は本来、《妖星》の名を冠する機体の一機として開発されたものだからだ。
その戦闘力はまさに折り紙付きなのだが、結局色々あって《妖星》の称号を戴くまでには至らず、上級幹部用に降格となった不遇の機体でもあった。
――愛機まであの男に劣るのか、俺は……。
そんな不満も抱いた日々もあったが、今では頼れる相棒である。
『さて。お前達』
拡声器を通じてカルロスは部下達に告げる。
『今夜、我々は夜襲を仕掛ける。相手は《双金葬守》。そして《天架麗人》だ。闘いは熾烈を極めるだろう。だが、臆するな。我々は《火妖星》の部下――眷属なのだ。命を燃やし尽くしてこそ本望。我らの命の炎で奴を怯ませ、ただ一人でいい。ただ一人の刃が《双金葬守》の心臓に届けば良いのだ』
――全滅覚悟で挑め。
暗にそう告げるカルロスに批判の声を上げる者はいない。
そんなこと全員がすでに覚悟しているからだ。
(士気は高いな。これならばこの作戦も実行可能かもしれない)
と、カルロスは思う。二人の《七星》を相手取るにはあまりにも少ない勢力だが、そのために綿密に練った作戦だ。
覚悟は知った。後は必勝の策を伝えるだけだ。
『ではお前達。今から作戦を伝える。ネルソン。本作戦の内容を説明せよ』
と、ネルソン――自分の副官に説明を促した。
――が、
『……? どうした? ネルソン?』
一向に説明が始まらない。
すると、部下の一人が唐突に悲鳴じみた声を上げた。
『な、何だッ!? 今のはッ!?』
その悲鳴を皮切りに部下達が騒ぎ始める。異常を察したカルロスは隣にいたはずの副官へと目をやり――絶句した。
『な、何だこれは……』
そこにいたのは副官の機体の――一部だった。
頭部、右腕、左足。ただそれだけが地面に落ちている。副官が搭乗していた胴体はどこにもない。目を凝らせば頭部や四肢の切断面は削られたような損傷があった。
カルロスは森から跳び退き、部下達に問う。
『お前達! いま何があった!』
『わ、分かりません! いきなり副長の機体が音もなく現れた巨大な黒い何かに掴まれて森の中へ――』
と、近くにいた部下の一人が答えようとしたが、次の瞬間、カルロスの目の前からその部下の機体は消えた。
突如現れた黒い巨大な手のようなモノに捕われ、森の奥へと連れ去られたのだ。その際、黒い手からはみ出した頭部と尾の一部が火花を散らしてズズンと落ちた。
『――ひ、ひィ!』『た、隊長……ッ!』
部下達が困惑と恐怖を孕んだ悲鳴を上げる。
その気持ちはカルロスもよく分かるが、問答無用で襲撃された以上、あの黒い手は敵ということだ。この森に潜む固有種の魔獣なのか、その正体は知れないが、カルロスはすぐさま戦士の顔つきになった。
『各機、円陣を組んで周囲を警戒! 襲撃に備え死角を潰せ!』
と、指示を飛ばすが、結果としてそれは無意味だった。
鎧機兵を握り潰すような巨大な手が、今度は十数本木々の間から現れたのだ。
巨大な腕は動揺する暇も与えず部下達の機体を掴むと、一瞬で暗い森の中へと連れ去っていった。残ったモノは次々と地面に落ちる四肢の残骸だった。
『ば、馬鹿な……』
愛機に斧槍を構えさせたまま、呆然と呟くカルロス。
たった数秒だ。数秒でカルロスは精鋭であるはずの部下達を全員失った。
『な、何なんだ! これは!』
部下達の機体の残骸の中でカルロスは絶叫を上げる――と、
『……くだらんな』
不意に森の中から聞き覚えのない『男』の声が響いた。
カルロスは反射的に《馬頭》を声の方へと向けるが、
――ギシリッ、と。
刹那の瞬間には愛機の全身を黒い手に掴まれていた。
恒力値・二万五千ジンを誇る《馬頭》でさえ振り解けない凶悪な圧力だ。胸部装甲に亀裂が走り、破片が零れた。このままだと圧死は必至だ。
そして抵抗さえも出来ずに《馬頭》は宙へと持ち上げられていった。
と、そこでようやくカルロスは気付く。
この黒い腕の正体に――。
『な、なんだと! まさかこの機体は――』
バキンと斧槍の柄が砕け散り、斧の刃が地に落ちる中、カルロスがそう叫ぶと、
『ガレックの残火と聞いていたが、この程度とは片腹痛いな』
森の奥から再度男の声が響いた。
カルロスは愕然とした面持ちで森の中へと目をやった。
そこにはこの黒い腕の本体がいるはずだった。
『ど、どうして貴方が我々を襲う!』
と、抱いた疑問を告げる。
すると、森の奥から声が返ってきた。
『なに。少々興味が湧いて来てみただけだ。しかしいざ来てみればガレックに依存しただけの弱者の集まりとはな。実に興ざめだ』
言って、再び森の中から無数の黒い腕が伸びてきた。
その掌にはカルロスの部下達の姿がある。
そしてズズン、ズズンと地面に落とされる部下の鎧機兵達。
『このまま握り潰しても良かったが、仮にも同僚だ。それは忍びない。生かしている』
そう告げる『男』に、カルロスは何も答えなかった。
代わりに部下達の機体の様子を見やる。
操縦席である胴体こそ原型を留めているが、各機とも完全に四肢が壊れている。どう考えても戦闘可能とは思えない。
ずっと沈黙しているため、部下達は気絶でもしているのだろう。だが、今となっては生きていても死んでいても変わりない。鎧機兵がここまで大破した以上、もはや作戦決行は不可能だった。
無言になったカルロスを『男』は鼻で笑う。
『お前達程度がいかに足掻いたところで《双金葬守》には敵わん。お前達の行為はただガレックの名を貶めるだけの無意味なものだ。無駄に死ぬ前に大人しく帰れ』
そう言って、黒い手は《馬頭》の機体も離した。
足から地面に落ちた《馬頭》はズズンとそのまま両膝をつく。
未だ黙り込むカルロスに興味が完全に無くなったのか、黒い腕達は森の奥に消えようとした――が、
『……ガレックの名誉など知ったことか』
カルロスが不意に口を開いた。
ピタリと黒い腕達の動きが止まる。
『……それはどういう意味だ?』
森の奥から『男』が声をかけてくる。
沈黙で返すことも出来たが、カルロスは語ることにした。
『俺はガレックの仇討ちなどに興味はない。むしろ俺はあの男を誰よりも嫌っている。俺をこの世界に引きずり込んだのは奴だし、何より奴は俺の妹を手籠めにしたんだ。いま妹は奴の子を身籠もっている。本人曰くこのまま産むつもりだそうだ』
『ほう。そうだったのか』
興味を抱いたのか、『男』の声がわずかに弾んだ。
『では、貴様はガレックの子の伯父という訳か。しかし子供とはな。そんな忘れ形見がいるとは知らなかったぞ』
そこで『男』は一拍おいてからくつくつと笑い、
『それ以前にガレックの女の扱いは最悪だと聞くぞ。奴の子を産もうと考える物好きな女がいたこと自体が驚きだな』
『俺もそう思うよ』かなり疲れた様子でカルロスは話を続ける。『だが妹は頑固なんだ。決めた以上、絶対に産むだろう。そのこと自体に口を挟む気もないが、俺は産まれてくる子を《火妖星》の子とは呼ばせないつもりだ』
『……? どういうことだ?』
と、『男』が疑問の声を上げる。
産まれてくるのはガレックの子だというのに《火妖星》の子とは呼ばせないというのはどういう意味なのか――。
すると、カルロスは答えた。
『産まれてくる子はガレックの子ではなく、俺――カルロス=ヒルの血縁者と呼ばせてみせる。俺がガレックよりも優れていることを周囲に認めさせてな』
『……なるほどな。そういう意味か』
『男』は得心がいった。
『要するにお前はガレックよりも名を馳せるつもりということだな。お前の方が名を知らしめれば自然とお前の名の方が産まれてくる子の冠になるからな』
『ああ、その通りだ』
そこでカルロスはギリと歯を鳴らした。
『――俺はガレックを超えるんだ。これ以上あの男に負けてたまるか』
ここまで来たらもはや何も隠さない。
カルロスは真っ直ぐ心からの望みを告げた。
森の奥に潜む『男』は何も答えない。
しばし沈黙が訪れる。
そして――。
『……ふむ。お前は面白いな。炎の色が他の連中と違うということか』
やがて、それは不意に森の中から立ち上がった。
夜に降り注ぐ月光が、ゆっくりと動く巨大な影に遮られる。
カルロスは目を見開いて、その影に見入った。
『――良い。お前だけは気に入ったぞ』
そして月を背にした怪物は告げる。
『お前の心の中に宿る炎。残火としてここで燻り、消えてしまうか。それとも今宵の夜宴を照らす篝火とするか。選択するといい――』
「………はァ、結局外れだったな」
と、ホテル『ハイランド』のロビーにてエドワードが深い溜息をついた。
ラッセルのホテル同様に、このロビーにも飲食のためのフロアがある。
エドワードはロックと二人で多数ある大きな丸テーブルの一つに座っていた。
彼らの隣のテーブルにはオトハとユーリィ。オルタナを肩に乗せたルカ。そしてアリシアとサーシャが座っている。
要するにゴドーとランド。アッシュだけがいない状況だった。
「けど、オニキスさん。あの大扉は百二十年以上、開いてません。今回開かなくても仕方がないと、思います」
と、ルカがストローでアイスコーヒーを一口分吸って告げる。
ちなみにアイスコーヒーは、全員の分がテーブルの上に置かれていた。
「そうだよね。ここでいきなり開いたら流石に都合がいいと言うか」
サーシャがルカに視線を向けてそう言った。
「確かにそうとは思うが、俺達にとってはいきなりでも、ゴドーさんの方は長年かけて調査してきていたんだ。やはり期待してしまうだろう」
と、ロックが珍しくぶすっとした表情でそう反論する。
すると、アリシアが両頬を肘で支えて、やれやれと作り笑いを見せた。
「それもそうか。あのおじさんならやってのけそうな雰囲気もあったものね。オニキスもハルトも興味津々だったし」
「うん。それに関しては私も残念。面白いものが見れると思ったのに」
と、ユーリィが話を継いだ。
「はははっ、それは残念だったねユーリィちゃん。けど、ゴドーさんはもっと残念じゃないかな? 落ち込んでないといいけど……」
と、人の良いサーシャが父の旧友の心情を心配していたら、
「それなら大丈夫でしょう。あのおじさんなら落ち込むどころか明日にはもうケロッとして『このままでは帰れない。別の成果を上げねば!』とか言って、オトハさんに本格的にアタックしてきそうだわ」
「おい待て。不吉なことを言うな。それは本気で嫌だぞ」
いきなり寒気がするようなことを言われて、オトハはアリシアを睨み付けた。
「正直、私も限界なんだ。そろそろこれを抜きたい」
言って、腰の小太刀の柄に触れる。
疑いようもない本音の声と本気の意思だ。目が完全に据わってしまっている鬼教官に、エドワードとロックは青ざめた。
が、教え子の一人である前に恋敵であるアリシアはその程度では怯えなかった。
「ええ~、そうですか~。確かに最近のオトハさんは、精神的には結構キツいかもしれませんけど役得だっててんこ盛りじゃないですか~。アッシュさんにはずっと気をかけてもらっているし、何かあるたびにこっそりアッシュさんの服の裾を掴んでいるでしょう? 不安がる幼い女の子みたいに。私達全員気付いていますよ」
「な、なにっ!?」
アリシアのツッコミにオトハが目を剥いた。
そして盛んに視線を泳がせながら、言い訳を始める。
「な、何の話だ!? 私はクラインの服の裾なんて掴んでいないぞ!? 気弱な少女じゃあるまいし! その、掴んでいても掴みやすかったからたまたまという奴だ!」
「「「………………」」」
少女達は何も言わなかった。
アリシアとユーリィはジト目でオトハを睨み、ルカは少し真剣な顔をしてテーブルの上で指先を動かしていた。自分も実行するためのイメージトレーニングのようだ。
一方、少年達は何やら修羅場の匂いを感じ取って気まずそうだった。
両手を膝の上に置いて未だ視線を泳がせるオトハを中心に緊迫した空気が流れるが、それを払拭したのは穏やかなサーシャの声だった。
「そんな事を言ったらダメだよ。アリシア」
慈母の眼差しで言う。
「オトハさんはいま好きじゃない人に迫られている立場なんだよ。それって本当に危険だと思うの。あらゆる意味で。ちゃんと私達も助けなきゃ。じゃないと――」
そこで何やら覚悟を決めた表情を見せてサーシャは告げる。
「例の話。このままだとオトハさんが、一人目になっちゃうよ」
一拍の間。
「「「―――――ッ!?」」」
アリシア、ユーリィ、ルカは絶句した。
一拍遅れて、呆気に取られていたオトハが顔を赤くして叫ぶ。
「ひ、一人目っ!? なっ、 そ、それは、もしかして私が昨日の夜に話したことを言っているのか!? おいフラム!?」
「だってオトハさんの話には説得力がありました。私もその可能性はあると思います。いいえ、それどころか、私達みんなが頑張れば頑張るほどに、オトハさんの言っていたことの現実性は高くなると感じました」
と、サーシャは自分の直感を告げる。
それから、わずかに柳眉を下げて――。
「それに私も以前、『ラフィルの森』で少しだけ先生が心の奥に秘めている本当の顔を見たことがありますから。だから、きっと先生は……」
あの日のことは忘れられない。
あれほどまでに強い青年が、失うことを恐れて震えていた夜のことは。
サーシャは微かな吐息を零し、視線を少しだけ落とした。
「昨晩からずっと考え続けて、ようやく私も覚悟を決めました」
彼の傍に居て上げたい。
そして何よりも自分自身が、どんな形であっても彼の傍に居たいと思っている。
それが、自分の心と向き合ったサーシャの本心だった。
だったら、結論は一つしかない。
「もしも先生――アッシュが本当にそれを望むのなら、父や周囲の人達が何と言おうと私はすべてを受け入れようと思います」
と、銀色の髪の少女は、神妙な声で言った。
――が、すぐにニコッと微笑んで。
「けど、やっぱり『一番』は魅力的ですし、簡単に譲るつもりはありませんから」
手強い恋敵全員に、堂々と『序列争い』の宣戦布告をする。
いかなる形であっても受け入れる覚悟ではいるが、やはり『一番』は最も愛されているような気がするのだ。出来ることならその座は手に入れたい。
「――ふふっ、負けませんから」
最後にそう告げて、サーシャは不敵にも思える笑みを見せた。
すると、すでにハーレムの可能性を視野に入れている肯定派のユーリィとルカは「「おお~」」とサーシャに拍手を贈った。
「これで三人目。ようこそメットさん」
「うん。お互いにガンバろ。サーシャお姉ちゃん」
一方、アリシアとオトハは着々と増える勢力に愕然として言葉もなかった。
ちなみに話に全くついていけていないエドワードとロックはキョトンとしていた。
「ところでその先生だけど……」
不意にサーシャはキョロキョロと周囲を見渡した。
「どうしてここにいないの?」
と、残念そうに呟く。
覚悟を決めたとしても、最近アッシュ成分不足のような気がする。不発ではあるが大きなイベントが終わった今、少しでも旅行の時間を共有したかったのだが……。
「あ、ああ。師匠か……」その質問にはエドワードが答えてくれた。「師匠なら近所のじいさんばあさんや工房のお得意さんに贈るまんじゅう系の土産を大量に購入してたよ。部屋で漏れがないかチェックしてたみてえだ」
いかにもアッシュらしい細やかな気配りだった。
サーシャは、口元を片手で押さえてクスリと微笑んだ。
が、すぐに、
「先生がお部屋でおまんじゅうを数えているのは分かったけど……」
サーシャが小首を傾げて尋ねる。
「そう言えば、ゴドーさんの方はどこに行ったの?」
父の友人ではあるが同時にオトハを狙う要注意人物でもある。これ以上アッシュの『守護欲』を刺激しないように警戒しなければならない。
サーシャの気持ちを察したのか、ユーリィとルカもゴドーの姿を探し始めた。
なお、ゴドーに迫られている当人であるオトハと、本来なら真っ先に行動するアリシアはまだ思考停止中だった。
「ん? ゴドーさんの方か?」
するとその時、再びエドワードが、ストローで少し温くなったアイスコーヒーをチュルチュルと吸ってから答えた。
「ゴドーさんは少し出かけるって言ってたぞ。まあ、ゴドーさんも何だかんだでヘコんでいるだろうから酒場にでも行ったんじゃね?」
◆
――ズザザザザザ……。
それは、森の中で蠢いていた。
例えるならばその姿は黒い濁流か――。
闇の中に潜み、あらゆる障害物をくぐり抜け、それは目標へと突き進んでいた。
それは巨体でもあるため、邪魔をする木々を時折削り抉り取る。繁みが散り、木々が倒れるがお構いなしに森の中へと浸食していく。
ただ主人の意志に従い、それは這い寄るように『彼ら』に近付いていた。
『――ヒル隊長。鎧機兵の最終チェック、完了しました』
時刻は二十時十五分。副官である部下がそう報告した。
『そうか。異常はなかったか?』
と、自分の鎧機兵に乗ったカルロスが尋ねると、同じく鎧機兵に搭乗している副官は明確な声で答えた。
『はッ! 全機とも異常はありません。今すぐにでも出撃できます』
『……よし』
言ってカルロスは前方に目をやった。
そこはシルクから少し離れた森の中。深い森の中にぽっかりと空いた二十数機程度の鎧機兵ならば陣取れるできるぐらいの広場だ。
そしてカルロスの眼前では十七機。黒い鎧機兵が三列になって整列している。
全機が騎士型。剣と盾を装備し、肩当てには黒い太陽の紋章が刻まれていた。カルロスの隣に立つ副官の機体も同様のタイプだ。
各機の恒力値は、多少差異はあるが、おおよそ一万二千ジン。一般社員に与えられる機体の中では最上級のものだ。
それに加え、カルロスの愛機。
タイプとしては騎士型になるが、他の機体とは一線を画している。
手に携える武器は斧槍。長い竜尾は他の機体と同じだが、両足は少しひしゃげた蹄を持つ獣の脚。頭部は馬を模したものになっていた。
恒力値は二万五千ジン。同期であり、カルロス同様に出世頭の一人と呼ばれるカテリーナ=ハリスの愛機・《羅刹》にも劣らない名機だ。
だが、それもそのはず。なにせ、カルロスの愛機――機体名・《馬頭》は本来、《妖星》の名を冠する機体の一機として開発されたものだからだ。
その戦闘力はまさに折り紙付きなのだが、結局色々あって《妖星》の称号を戴くまでには至らず、上級幹部用に降格となった不遇の機体でもあった。
――愛機まであの男に劣るのか、俺は……。
そんな不満も抱いた日々もあったが、今では頼れる相棒である。
『さて。お前達』
拡声器を通じてカルロスは部下達に告げる。
『今夜、我々は夜襲を仕掛ける。相手は《双金葬守》。そして《天架麗人》だ。闘いは熾烈を極めるだろう。だが、臆するな。我々は《火妖星》の部下――眷属なのだ。命を燃やし尽くしてこそ本望。我らの命の炎で奴を怯ませ、ただ一人でいい。ただ一人の刃が《双金葬守》の心臓に届けば良いのだ』
――全滅覚悟で挑め。
暗にそう告げるカルロスに批判の声を上げる者はいない。
そんなこと全員がすでに覚悟しているからだ。
(士気は高いな。これならばこの作戦も実行可能かもしれない)
と、カルロスは思う。二人の《七星》を相手取るにはあまりにも少ない勢力だが、そのために綿密に練った作戦だ。
覚悟は知った。後は必勝の策を伝えるだけだ。
『ではお前達。今から作戦を伝える。ネルソン。本作戦の内容を説明せよ』
と、ネルソン――自分の副官に説明を促した。
――が、
『……? どうした? ネルソン?』
一向に説明が始まらない。
すると、部下の一人が唐突に悲鳴じみた声を上げた。
『な、何だッ!? 今のはッ!?』
その悲鳴を皮切りに部下達が騒ぎ始める。異常を察したカルロスは隣にいたはずの副官へと目をやり――絶句した。
『な、何だこれは……』
そこにいたのは副官の機体の――一部だった。
頭部、右腕、左足。ただそれだけが地面に落ちている。副官が搭乗していた胴体はどこにもない。目を凝らせば頭部や四肢の切断面は削られたような損傷があった。
カルロスは森から跳び退き、部下達に問う。
『お前達! いま何があった!』
『わ、分かりません! いきなり副長の機体が音もなく現れた巨大な黒い何かに掴まれて森の中へ――』
と、近くにいた部下の一人が答えようとしたが、次の瞬間、カルロスの目の前からその部下の機体は消えた。
突如現れた黒い巨大な手のようなモノに捕われ、森の奥へと連れ去られたのだ。その際、黒い手からはみ出した頭部と尾の一部が火花を散らしてズズンと落ちた。
『――ひ、ひィ!』『た、隊長……ッ!』
部下達が困惑と恐怖を孕んだ悲鳴を上げる。
その気持ちはカルロスもよく分かるが、問答無用で襲撃された以上、あの黒い手は敵ということだ。この森に潜む固有種の魔獣なのか、その正体は知れないが、カルロスはすぐさま戦士の顔つきになった。
『各機、円陣を組んで周囲を警戒! 襲撃に備え死角を潰せ!』
と、指示を飛ばすが、結果としてそれは無意味だった。
鎧機兵を握り潰すような巨大な手が、今度は十数本木々の間から現れたのだ。
巨大な腕は動揺する暇も与えず部下達の機体を掴むと、一瞬で暗い森の中へと連れ去っていった。残ったモノは次々と地面に落ちる四肢の残骸だった。
『ば、馬鹿な……』
愛機に斧槍を構えさせたまま、呆然と呟くカルロス。
たった数秒だ。数秒でカルロスは精鋭であるはずの部下達を全員失った。
『な、何なんだ! これは!』
部下達の機体の残骸の中でカルロスは絶叫を上げる――と、
『……くだらんな』
不意に森の中から聞き覚えのない『男』の声が響いた。
カルロスは反射的に《馬頭》を声の方へと向けるが、
――ギシリッ、と。
刹那の瞬間には愛機の全身を黒い手に掴まれていた。
恒力値・二万五千ジンを誇る《馬頭》でさえ振り解けない凶悪な圧力だ。胸部装甲に亀裂が走り、破片が零れた。このままだと圧死は必至だ。
そして抵抗さえも出来ずに《馬頭》は宙へと持ち上げられていった。
と、そこでようやくカルロスは気付く。
この黒い腕の正体に――。
『な、なんだと! まさかこの機体は――』
バキンと斧槍の柄が砕け散り、斧の刃が地に落ちる中、カルロスがそう叫ぶと、
『ガレックの残火と聞いていたが、この程度とは片腹痛いな』
森の奥から再度男の声が響いた。
カルロスは愕然とした面持ちで森の中へと目をやった。
そこにはこの黒い腕の本体がいるはずだった。
『ど、どうして貴方が我々を襲う!』
と、抱いた疑問を告げる。
すると、森の奥から声が返ってきた。
『なに。少々興味が湧いて来てみただけだ。しかしいざ来てみればガレックに依存しただけの弱者の集まりとはな。実に興ざめだ』
言って、再び森の中から無数の黒い腕が伸びてきた。
その掌にはカルロスの部下達の姿がある。
そしてズズン、ズズンと地面に落とされる部下の鎧機兵達。
『このまま握り潰しても良かったが、仮にも同僚だ。それは忍びない。生かしている』
そう告げる『男』に、カルロスは何も答えなかった。
代わりに部下達の機体の様子を見やる。
操縦席である胴体こそ原型を留めているが、各機とも完全に四肢が壊れている。どう考えても戦闘可能とは思えない。
ずっと沈黙しているため、部下達は気絶でもしているのだろう。だが、今となっては生きていても死んでいても変わりない。鎧機兵がここまで大破した以上、もはや作戦決行は不可能だった。
無言になったカルロスを『男』は鼻で笑う。
『お前達程度がいかに足掻いたところで《双金葬守》には敵わん。お前達の行為はただガレックの名を貶めるだけの無意味なものだ。無駄に死ぬ前に大人しく帰れ』
そう言って、黒い手は《馬頭》の機体も離した。
足から地面に落ちた《馬頭》はズズンとそのまま両膝をつく。
未だ黙り込むカルロスに興味が完全に無くなったのか、黒い腕達は森の奥に消えようとした――が、
『……ガレックの名誉など知ったことか』
カルロスが不意に口を開いた。
ピタリと黒い腕達の動きが止まる。
『……それはどういう意味だ?』
森の奥から『男』が声をかけてくる。
沈黙で返すことも出来たが、カルロスは語ることにした。
『俺はガレックの仇討ちなどに興味はない。むしろ俺はあの男を誰よりも嫌っている。俺をこの世界に引きずり込んだのは奴だし、何より奴は俺の妹を手籠めにしたんだ。いま妹は奴の子を身籠もっている。本人曰くこのまま産むつもりだそうだ』
『ほう。そうだったのか』
興味を抱いたのか、『男』の声がわずかに弾んだ。
『では、貴様はガレックの子の伯父という訳か。しかし子供とはな。そんな忘れ形見がいるとは知らなかったぞ』
そこで『男』は一拍おいてからくつくつと笑い、
『それ以前にガレックの女の扱いは最悪だと聞くぞ。奴の子を産もうと考える物好きな女がいたこと自体が驚きだな』
『俺もそう思うよ』かなり疲れた様子でカルロスは話を続ける。『だが妹は頑固なんだ。決めた以上、絶対に産むだろう。そのこと自体に口を挟む気もないが、俺は産まれてくる子を《火妖星》の子とは呼ばせないつもりだ』
『……? どういうことだ?』
と、『男』が疑問の声を上げる。
産まれてくるのはガレックの子だというのに《火妖星》の子とは呼ばせないというのはどういう意味なのか――。
すると、カルロスは答えた。
『産まれてくる子はガレックの子ではなく、俺――カルロス=ヒルの血縁者と呼ばせてみせる。俺がガレックよりも優れていることを周囲に認めさせてな』
『……なるほどな。そういう意味か』
『男』は得心がいった。
『要するにお前はガレックよりも名を馳せるつもりということだな。お前の方が名を知らしめれば自然とお前の名の方が産まれてくる子の冠になるからな』
『ああ、その通りだ』
そこでカルロスはギリと歯を鳴らした。
『――俺はガレックを超えるんだ。これ以上あの男に負けてたまるか』
ここまで来たらもはや何も隠さない。
カルロスは真っ直ぐ心からの望みを告げた。
森の奥に潜む『男』は何も答えない。
しばし沈黙が訪れる。
そして――。
『……ふむ。お前は面白いな。炎の色が他の連中と違うということか』
やがて、それは不意に森の中から立ち上がった。
夜に降り注ぐ月光が、ゆっくりと動く巨大な影に遮られる。
カルロスは目を見開いて、その影に見入った。
『――良い。お前だけは気に入ったぞ』
そして月を背にした怪物は告げる。
『お前の心の中に宿る炎。残火としてここで燻り、消えてしまうか。それとも今宵の夜宴を照らす篝火とするか。選択するといい――』
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