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離婚しませんよ
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「いつも言うけど、愛してるのは依子だけだから。」
全くもって、伝わってませんがね、その『愛』ってヤツ。
「残念ながら、私は愛していません。これからも、愛することはできません。応じて貰えないのなら…」
「裁判でもするって?有りがちだな。」
「生活費は頂きます。ただ、そのお金の使い道は、私の生活にのみ使うもの。口出し無用でお願いします。」
「なんだそれ?変な条件だな。まっ、そんなことで依子がそばにいてくれるなら承諾するよ。とにかく依子も自由にしたらいいよ。そのうち俺が1番だって気づくからさ。」
「…じゃあ、口出しした暁には、離婚届にサインをお願いしますね。…全部、録音してますからね。」
「こ、こわっ!!」
カチッ
小さなボイスレコーダーのスイッチをオフにして、私はいつものように出勤前のシャワーを浴びる為、浴室に向かった。
絶対に成功させる。
もう、何度目だろうか?
離婚届は何枚目だろうか?
そろそろ追加の予備を貰っといたほうが安心できそう。
これが手元にないと、落ち着かない。
そして離婚しても生きていく為に、仕事をしていないと、落ち着かない。
季節毎にスーツケースをいっぱいにしていないと、落ち着かない。
結婚5年目。
諭と出会って20年目。
まだ、人生やり直せる。25歳、女盛り。
シャワーを浴びていると、ガラっと開けて諭が入ってくる。
徐ろに、後ろから両手で私の胸に触れる。
もう、両手じゃ足りないくらいの私じゃない女を弄った、その手で。
「依子……もう、しないから…離婚とか言うなよ。」
既に硬くなっている自身の中心を、私の腰部に当てながら耳元で囁く。
たった数時間前まで、他の女を堪能していた部分が、私を欲していることを訴える。
私はまだ妻だから、妻として、その行為は受け入れた。
心はシャワーから流れる水の如く。
「依子が1番気持ちいい。」
妻に、平気でそんなこという夫。
存在していいですか?
全くもって、伝わってませんがね、その『愛』ってヤツ。
「残念ながら、私は愛していません。これからも、愛することはできません。応じて貰えないのなら…」
「裁判でもするって?有りがちだな。」
「生活費は頂きます。ただ、そのお金の使い道は、私の生活にのみ使うもの。口出し無用でお願いします。」
「なんだそれ?変な条件だな。まっ、そんなことで依子がそばにいてくれるなら承諾するよ。とにかく依子も自由にしたらいいよ。そのうち俺が1番だって気づくからさ。」
「…じゃあ、口出しした暁には、離婚届にサインをお願いしますね。…全部、録音してますからね。」
「こ、こわっ!!」
カチッ
小さなボイスレコーダーのスイッチをオフにして、私はいつものように出勤前のシャワーを浴びる為、浴室に向かった。
絶対に成功させる。
もう、何度目だろうか?
離婚届は何枚目だろうか?
そろそろ追加の予備を貰っといたほうが安心できそう。
これが手元にないと、落ち着かない。
そして離婚しても生きていく為に、仕事をしていないと、落ち着かない。
季節毎にスーツケースをいっぱいにしていないと、落ち着かない。
結婚5年目。
諭と出会って20年目。
まだ、人生やり直せる。25歳、女盛り。
シャワーを浴びていると、ガラっと開けて諭が入ってくる。
徐ろに、後ろから両手で私の胸に触れる。
もう、両手じゃ足りないくらいの私じゃない女を弄った、その手で。
「依子……もう、しないから…離婚とか言うなよ。」
既に硬くなっている自身の中心を、私の腰部に当てながら耳元で囁く。
たった数時間前まで、他の女を堪能していた部分が、私を欲していることを訴える。
私はまだ妻だから、妻として、その行為は受け入れた。
心はシャワーから流れる水の如く。
「依子が1番気持ちいい。」
妻に、平気でそんなこという夫。
存在していいですか?
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