蛇神さま、どうか私を

ゆに蔵

文字の大きさ
1 / 14

プロローグ

しおりを挟む

襖に囲まれた薄暗い部屋の中、行灯に照らされるのは一組の男女。



一方は、力無く寝台に倒れ込む、年頃の女。情事の直後であるためか、顔を紅潮させ、荒い息を整えている。



もう一方は、倒れ込む女のすぐ横に腰掛ける、白銀の長髪をもつ美しい男。女とは対照的に、情事の直後であるというのに涼しい顔で女のことを見下ろしている。



女の体力は限界に近づいているのか、睡魔に抵抗しつつも瞼が自然と降りていく。やっと呼吸が整い、女が安らかな顔ですぅすぅと寝息を立てかけたとき、男は女の髪を一束手に取り弄びながら、薄い笑みを浮かべ酷な耳打ちをする。



「おい、私はまだ満足していないぞ。」



一度入りかけた眠りの世界からすぐに引き戻された女は、怯えた表情を見せ、震える声でこう答える。



「そ、んな、……だって、もう四回も………」


「私を人間の男と一緒にするな。」


「せ、せめて、もう少し時間を置いていただけませんか。」


「休みなどしたら其方はまたすぐ眠りに落ちてしまうだろう。完全に眠っている者を呼び起こすのは酷だからな。」



冷たく微笑む男は女に覆い被さり、腕で腰を引き寄せる。弱々しい抵抗も虚しく、女はまた貫かれてしまう。



「……あぁ!や、やぁ…………」



言葉にならない声で鳴く女は、苦痛にすら似た快楽を逃がそうと、男の背に腕を回し爪を立てる。



「神の背に爪を立てようとは、まったく顔に見合わずいい度胸だ。」



くすりと笑い、男は女の中を押し進んで最奥を押し潰すように刺激した。女は目を見開き口をはくはくとさせる。今にも意識が飛んでしまいそうだった。



「だ、め…………それ、だめ……………」



うわ言のように呟き、男から逃れようと一心不乱に身を捩る女。そんな抵抗はものともせず、男は最奥を小刻みに小突く。



「やぁ、やめ……………ああぁっ………!!」


「逃がさない。言っただろう、蛇の交尾は長いんだ。」



男は女の腰を一層強く抱き寄せ耳元でそう囁いた。女が快楽の地獄から解放され、眠ることができたのは、結局随分と後のことだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

お義父さん、好き。

うみ
恋愛
お義父さんの子を孕みたい……。義理の父を好きになって、愛してしまった。

処理中です...