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5.金色
きらきらと輝く金の瞳に魅入っているうちに、男の唇が再びわたしのそれを塞いだ。舌が入り込みそうになったので慌てて口を堅く閉ざすと、男は拍子抜けするくらいあっさりと身を引いた。
「……まだ恐ろしいか?」
「う、あ……その、舌は、いや……」
「そうか。ならば舌は使わん。できるだけな」
そう宣言して、男はもう一度私に口づける。宣言通り、今度は舌を入れずに唇だけを何度も啄むように触れ合わせた。たったそれだけで息が上がってしまって、空気を取り入れようと口を開ける。
すると、少し開いた唇の隙間から熱い液体が流れ込んでくる。この男の唾液だと理解したはずなのに、私はそれを思わずこくりと飲み込んでしまった。
しかし、飲み込んだあとすぐに後悔する。喉が焼けるように熱い。もしかしたら毒だったかもしれない。
「んん、あっ……! あ、熱っ……」
「ふっ、大丈夫だ。毒といえば毒だが、死ぬようなものではない」
やっぱりさっきの唾液は毒だったのか。でも、それにしては苦くも酸っぱくもなかった。ただ酒を飲んだときのように熱く、ほんのりとした甘ささえ感じる。
しかしこれが猛毒であったとしても、もう飲み込んでしまったのだ。死ぬことはないと言っていたし、無害であることを祈るしかない。
「んぅ、はっ……なんか、あつい……っ、びりびりするっ」
「もう効いてきたか。言い忘れていたが、俺の体液には催淫効果があってな。まあ、要するに媚薬のようなものだ」
「びや、くっ……!? そ、それって、やばいんじゃ……あっ!」
「やばい、か。害のあるものではないが、ある意味“やばい”かもしれぬな」
男は可笑しそうにそう言ったかと思うと、露わになった私の胸の先端にしゃぶりついた。その瞬間びくっと体が大きく跳ねて、体中に電気が走ったような感覚に襲われる。
「やぁっ、な、なにぃっ……!?」
「気持ちいいだろう? 舌が使えれば、もっと好くしてやれるのだが……約束したからな。これで我慢しろ」
「ふああっ! あっ、やあぁっ!」
ちゅうっと音を立てて、男の唇が私の乳首を強く吸い上げた。それだけでも刺激が強いのに、吸われていない方の胸も優しく揉まれて、じんじんと痺れるような快感が脳内を支配していく。
どうしよう。気持ちいいかもしれない。
「あっ、あぁんっ! ぅあ、やだぁっ……! あっ、吸わないでっ」
「注文が多いな。黙って気持ちよくなっていろ」
「なっ、なにそれっ……! あああっ! あっああっ、だめぇっ!」
じっとしていられなくて、体の上にのしかかる男の肩や背をばしばしと叩いた。でも、いくら強く叩いても私の乳首は男の口内から解放されない。それどころか固くなったそこに優しく歯を立てられて、私は大きく背を反らして喘いだ。
「……軽く達したか? くくっ、感じやすくて何よりだ」
「はぁっ、はぁっ……! もう、なにっ……?」
「快感に耐える顔も可愛かったぞ、天音。もっと見せてみろ」
「なっ……、あっ! やだ、そっちはだめっ!」
駄目だと言ったのに、男は私の両脚を軽々と持ち上げて股間に顔を埋めた。ただでさえ恥ずかしい場所なのに、私のそこはつい先程粗相をしたばかりなのだ。タオルで拭いてもらったとはいえ、完全に綺麗になっているとは言えない。
それなのに、男は何の躊躇もなくその陰部に口を付けて吸い上げた。
「あううぅっ!! あっ! やだぁっ、汚い! 汚いからっ、離してぇっ!」
「やはり、舌が使えぬともどかしいな……天音、お前に見せぬようにするから舐めてもよいか」
「ひ、人の話聞いてよっ……! 駄目だってばっ、舐めるのも吸うのもだめっ!」
「その要求は呑めんな。お前、未通だろう? 慣らさぬと痛い思いをするぞ」
痛い、と聞いて体が強張る。痛いのは誰だって嫌だ。
でも、誰にも見せたことがない大事な場所を、しかも排泄したばかりのそこを舐められるのも同じくらい嫌なのだ。せめて綺麗な状態であればよかったのに。
「あ……っ、あの、一度、お風呂に」
「駄目だ。そう言って逃げる気だろう」
「に、逃げないから! だって私、さっき漏らしてっ……あっ、ひゃうぅっ!?」
私の言葉を遮って、男は再び陰部に顔を埋めた。しかも、ぬるりとしたものが陰部全体を覆って何度もそこを往復している。見なくても分かる、先ほど目にしたあのおぞましい舌で舐められているのだ。
「いやっ、いやぁっ! あっんんっ、なめ、ないでぇっ……!」
「すごいな、天音……俺の体液の効果もあるだろうが、未通でこれほど濡らすとは」
「なっ……! あああっ! あっ、そ、れっ……」
「ふっ、ここが好いか? このように真っ赤に腫らして、よっぽど俺が恋しいようだな」
「ち、ちがうっ……! ぅあああっ! あっ、あ、い、くぅっ……!」
男の細く長い舌が、張りつめた淫核に絡まっている。びちゃ、びちゃ、と下品な音を立てているのは、きっと男の唾液だけではない。まだ男を受け入れたこともないのに、私の秘穴が疼くようにひくつくのが分かってしまう。
そしてずりずりと扱くように二又に別れた舌を器用に動かされ、それを何度か繰り返されただけで私はあっけなく絶頂に達した。
「いやっいやぁっ! あっ、あっ、ふああっ、あ──っ!!」
「はっ……達したか」
目をつぶり快感をやり過ごす私の髪を、男の大きな手がそっと撫でる。その動きが切ないほど優しくて、私はうっすらと目を開けて男の金色の瞳を見つめた。
「どうした。辛いか?」
「ううん……なんで、こんな優しいんだろって、思ってた……訳分かんない」
「随分な言い様だな。嫁に優しくするのは当たり前だろう」
何とも意外だが、うわばみというものは案外愛妻家らしい。化け物だとばかり思っていたけれど、そのあたりは下手な人間なんかよりもずっとしっかり躾けられている。
でも、だからと言ってこの男と結婚するという実感が沸いたわけではない。そもそも、結婚自体ずっと先だと思っていたのだから。
「嫁、かぁ……」
「不満か? 俺の嫁になるのは」
「……ううん。もう、どうにでもなれって感じ」
「ははっ、投げやりだな。だが、ようやく腹をくくったと見える」
ひどいことを言っているはずなのに、それでも男は嬉しそうに笑っている。腹立たしいだけだったその笑みが、今ではなんだか安心する。きっと私が何を言ってもこの男は笑うのだと思うと、なんだかそれが幸せなことのように思えた。
「さて、呼吸は落ち着いたか? 次は中だ」
「……ちょ、ちょっと待って。まだ落ち着いてな」
「下手な嘘をつくな。俺は早くお前と繋がりたいのだ。あまり焦らされると、間違えて食ってしまうやもしれんぞ」
「ひいっ!?」
食う、という言葉が、この男に関しては比喩でも何でもないような気がしてしまう。今のところ人間と大きく違うのは舌だけだけど、いつ大蛇に変化するかも分からない。そうなったら、私なんて一飲みで食べられてしまうことだろう。
丸飲みされることをうっかり想像して身が竦んだ隙に、男はもう一度私の秘所に舌を這わせた。びくっと跳ねあがりそうになる腰を押さえられて、二又に別れた先端が窺うように秘穴をつつく。
「あっ……! ま、待ってっ」
「待たぬ。言っただろう、俺は一刻も早くお前と繋がりたい」
「そ、そんなっ……、ああっ! あ、あ──っ!」
ずるん、と勢いよく舌を挿入されたことで、私は目を見開いた。
痛みはない。けれど、今まで感じたことのない違和感と快感が押し寄せて、縋るように布団を掴んだ。
「あっ、うああっ! はぁっく、ううぅっ! あ、だめぇっ……!」
「っは……、すごいな、天音。奥まですっかり濡れて……」
「やだぁっ、しゃべんないでっ……! んぅっ! あっやだっ、ど、どこまで入れるのっ……!?」
「決まっているだろう。入るところまでだ」
「う、そっ……!? あああっ! もうやだっ! もう入んない、もう無理ぃっ! ぅああああっ!!」
一体男の舌はどこまで長いのか、自分の中はどこが行き止まりなのか、どちらも分からない。だって私のそこは、まだ男を受け入れたことがないのだ。
それなのに、今このうわばみの長すぎる舌によって膣内を好き勝手に蹂躙されている。慣らす、なんて言っていたけれど、絶対そんな奥深くまで慣らす必要なんて無いはずだ。だとすれば、なぜ今こうしてありえない場所まで舌で突かれているのだろう。
「いやだぁっ……! ああっ、く、ふかいぃっ、もう、いれるなぁっ……!」
「良い声だな。深い所が好いのか?」
「よ、よくないっ、よくないの! あ、あんたまさか、内臓たべるつもりっ……!?」
「くくっ、食べてほしいのか? 残念ながら、今の俺の体は人間に近いのだ。生の内臓を食べればこっちがやられる」
「うそ、うそだっ、こんなありえない舌しといてっ……! はうぅっ!」
「少々お喋りが過ぎるぞ、天音。集中しろ」
集中しろと言われたって、集中できないようにしているのは貴様の舌だと言ってやりたい。それなのに中を押し広げるように舌を動かされたことで、私の口からは喘ぎ声しか出てこなかった。
多少は痛みも覚悟していたけれど、これっぽっちも痛くなかった。それどころか舌を動かされるたびに脳天を突き抜けそうな快感に苛まれて、開きっぱなしになった口からだらしなく涎が垂れてしまう。でも、その涎を拭くほどの余裕もない。
「あふっ、あっ、く、ふあぁっ……! あああっ、もうだめっ、もうだめぇっ!」
「我慢をするな。好きな時に果てろ」
「っ……! ぅああっ、もうやらぁっ、やぁ、はぁんっ……! あ、ああああっ!!」
ずちゅっと卑猥な音を立てて、男の舌が勢いよく引き抜かれた。その瞬間、私はあられもない声を上げて達してしまう。
こんな風に恥ずかしい姿を見られて、悔しくて仕方ない。それに、この男の愛撫に気持ちよくなってしまう自分が情けなかった。
それなのに、私の体は物足りなさを感じて震えている。その証拠に、もう空っぽのはずの膣内が何かを求めるようにひくひくと収縮を続けていた。
「もう大分解れたぞ、天音。分かるか?」
「ぅ、あ……っ、わ、わかんなっ……」
「くくっ、好すぎて分からぬか。無理もない、中にも俺の唾液を染み込ませてやったからな」
そうだった。そういえば、この男の唾液には媚薬効果があるとか何とかほざいていた気がする。先ほどから陰部がじんじんと熱いのは、そのせいだったのか。
呆けた頭で、自分が今とんでもない状況に陥っていることだけは理解した。そしてこの淫靡な行為が、このまま終わるわけではないということも分かっている。
放心状態のまま、目線だけを動かして男を見つめる。
身に付けている浴衣はそのままで、だらりと力の抜けた私の腰をまたいでいる。浴衣の裾から覗く脚や、袷から見える胸元はやっぱり男性のものだ。普段見慣れない男らしい体つきに思わず見入ってしまう。
私は、これからこの男に抱かれるのだ。もう腹を括ったつもりだが、我が物顔で私の体を撫で回す男の手がなんとも腹立たしい。それにおぞましい舌を仕舞っている口元は不敵な笑みを浮かべていて、憎らしいことこの上ない。
それなのに、私を見つめる金の瞳だけは、やっぱり優しい光を宿していた。
「……まだ恐ろしいか?」
「う、あ……その、舌は、いや……」
「そうか。ならば舌は使わん。できるだけな」
そう宣言して、男はもう一度私に口づける。宣言通り、今度は舌を入れずに唇だけを何度も啄むように触れ合わせた。たったそれだけで息が上がってしまって、空気を取り入れようと口を開ける。
すると、少し開いた唇の隙間から熱い液体が流れ込んでくる。この男の唾液だと理解したはずなのに、私はそれを思わずこくりと飲み込んでしまった。
しかし、飲み込んだあとすぐに後悔する。喉が焼けるように熱い。もしかしたら毒だったかもしれない。
「んん、あっ……! あ、熱っ……」
「ふっ、大丈夫だ。毒といえば毒だが、死ぬようなものではない」
やっぱりさっきの唾液は毒だったのか。でも、それにしては苦くも酸っぱくもなかった。ただ酒を飲んだときのように熱く、ほんのりとした甘ささえ感じる。
しかしこれが猛毒であったとしても、もう飲み込んでしまったのだ。死ぬことはないと言っていたし、無害であることを祈るしかない。
「んぅ、はっ……なんか、あつい……っ、びりびりするっ」
「もう効いてきたか。言い忘れていたが、俺の体液には催淫効果があってな。まあ、要するに媚薬のようなものだ」
「びや、くっ……!? そ、それって、やばいんじゃ……あっ!」
「やばい、か。害のあるものではないが、ある意味“やばい”かもしれぬな」
男は可笑しそうにそう言ったかと思うと、露わになった私の胸の先端にしゃぶりついた。その瞬間びくっと体が大きく跳ねて、体中に電気が走ったような感覚に襲われる。
「やぁっ、な、なにぃっ……!?」
「気持ちいいだろう? 舌が使えれば、もっと好くしてやれるのだが……約束したからな。これで我慢しろ」
「ふああっ! あっ、やあぁっ!」
ちゅうっと音を立てて、男の唇が私の乳首を強く吸い上げた。それだけでも刺激が強いのに、吸われていない方の胸も優しく揉まれて、じんじんと痺れるような快感が脳内を支配していく。
どうしよう。気持ちいいかもしれない。
「あっ、あぁんっ! ぅあ、やだぁっ……! あっ、吸わないでっ」
「注文が多いな。黙って気持ちよくなっていろ」
「なっ、なにそれっ……! あああっ! あっああっ、だめぇっ!」
じっとしていられなくて、体の上にのしかかる男の肩や背をばしばしと叩いた。でも、いくら強く叩いても私の乳首は男の口内から解放されない。それどころか固くなったそこに優しく歯を立てられて、私は大きく背を反らして喘いだ。
「……軽く達したか? くくっ、感じやすくて何よりだ」
「はぁっ、はぁっ……! もう、なにっ……?」
「快感に耐える顔も可愛かったぞ、天音。もっと見せてみろ」
「なっ……、あっ! やだ、そっちはだめっ!」
駄目だと言ったのに、男は私の両脚を軽々と持ち上げて股間に顔を埋めた。ただでさえ恥ずかしい場所なのに、私のそこはつい先程粗相をしたばかりなのだ。タオルで拭いてもらったとはいえ、完全に綺麗になっているとは言えない。
それなのに、男は何の躊躇もなくその陰部に口を付けて吸い上げた。
「あううぅっ!! あっ! やだぁっ、汚い! 汚いからっ、離してぇっ!」
「やはり、舌が使えぬともどかしいな……天音、お前に見せぬようにするから舐めてもよいか」
「ひ、人の話聞いてよっ……! 駄目だってばっ、舐めるのも吸うのもだめっ!」
「その要求は呑めんな。お前、未通だろう? 慣らさぬと痛い思いをするぞ」
痛い、と聞いて体が強張る。痛いのは誰だって嫌だ。
でも、誰にも見せたことがない大事な場所を、しかも排泄したばかりのそこを舐められるのも同じくらい嫌なのだ。せめて綺麗な状態であればよかったのに。
「あ……っ、あの、一度、お風呂に」
「駄目だ。そう言って逃げる気だろう」
「に、逃げないから! だって私、さっき漏らしてっ……あっ、ひゃうぅっ!?」
私の言葉を遮って、男は再び陰部に顔を埋めた。しかも、ぬるりとしたものが陰部全体を覆って何度もそこを往復している。見なくても分かる、先ほど目にしたあのおぞましい舌で舐められているのだ。
「いやっ、いやぁっ! あっんんっ、なめ、ないでぇっ……!」
「すごいな、天音……俺の体液の効果もあるだろうが、未通でこれほど濡らすとは」
「なっ……! あああっ! あっ、そ、れっ……」
「ふっ、ここが好いか? このように真っ赤に腫らして、よっぽど俺が恋しいようだな」
「ち、ちがうっ……! ぅあああっ! あっ、あ、い、くぅっ……!」
男の細く長い舌が、張りつめた淫核に絡まっている。びちゃ、びちゃ、と下品な音を立てているのは、きっと男の唾液だけではない。まだ男を受け入れたこともないのに、私の秘穴が疼くようにひくつくのが分かってしまう。
そしてずりずりと扱くように二又に別れた舌を器用に動かされ、それを何度か繰り返されただけで私はあっけなく絶頂に達した。
「いやっいやぁっ! あっ、あっ、ふああっ、あ──っ!!」
「はっ……達したか」
目をつぶり快感をやり過ごす私の髪を、男の大きな手がそっと撫でる。その動きが切ないほど優しくて、私はうっすらと目を開けて男の金色の瞳を見つめた。
「どうした。辛いか?」
「ううん……なんで、こんな優しいんだろって、思ってた……訳分かんない」
「随分な言い様だな。嫁に優しくするのは当たり前だろう」
何とも意外だが、うわばみというものは案外愛妻家らしい。化け物だとばかり思っていたけれど、そのあたりは下手な人間なんかよりもずっとしっかり躾けられている。
でも、だからと言ってこの男と結婚するという実感が沸いたわけではない。そもそも、結婚自体ずっと先だと思っていたのだから。
「嫁、かぁ……」
「不満か? 俺の嫁になるのは」
「……ううん。もう、どうにでもなれって感じ」
「ははっ、投げやりだな。だが、ようやく腹をくくったと見える」
ひどいことを言っているはずなのに、それでも男は嬉しそうに笑っている。腹立たしいだけだったその笑みが、今ではなんだか安心する。きっと私が何を言ってもこの男は笑うのだと思うと、なんだかそれが幸せなことのように思えた。
「さて、呼吸は落ち着いたか? 次は中だ」
「……ちょ、ちょっと待って。まだ落ち着いてな」
「下手な嘘をつくな。俺は早くお前と繋がりたいのだ。あまり焦らされると、間違えて食ってしまうやもしれんぞ」
「ひいっ!?」
食う、という言葉が、この男に関しては比喩でも何でもないような気がしてしまう。今のところ人間と大きく違うのは舌だけだけど、いつ大蛇に変化するかも分からない。そうなったら、私なんて一飲みで食べられてしまうことだろう。
丸飲みされることをうっかり想像して身が竦んだ隙に、男はもう一度私の秘所に舌を這わせた。びくっと跳ねあがりそうになる腰を押さえられて、二又に別れた先端が窺うように秘穴をつつく。
「あっ……! ま、待ってっ」
「待たぬ。言っただろう、俺は一刻も早くお前と繋がりたい」
「そ、そんなっ……、ああっ! あ、あ──っ!」
ずるん、と勢いよく舌を挿入されたことで、私は目を見開いた。
痛みはない。けれど、今まで感じたことのない違和感と快感が押し寄せて、縋るように布団を掴んだ。
「あっ、うああっ! はぁっく、ううぅっ! あ、だめぇっ……!」
「っは……、すごいな、天音。奥まですっかり濡れて……」
「やだぁっ、しゃべんないでっ……! んぅっ! あっやだっ、ど、どこまで入れるのっ……!?」
「決まっているだろう。入るところまでだ」
「う、そっ……!? あああっ! もうやだっ! もう入んない、もう無理ぃっ! ぅああああっ!!」
一体男の舌はどこまで長いのか、自分の中はどこが行き止まりなのか、どちらも分からない。だって私のそこは、まだ男を受け入れたことがないのだ。
それなのに、今このうわばみの長すぎる舌によって膣内を好き勝手に蹂躙されている。慣らす、なんて言っていたけれど、絶対そんな奥深くまで慣らす必要なんて無いはずだ。だとすれば、なぜ今こうしてありえない場所まで舌で突かれているのだろう。
「いやだぁっ……! ああっ、く、ふかいぃっ、もう、いれるなぁっ……!」
「良い声だな。深い所が好いのか?」
「よ、よくないっ、よくないの! あ、あんたまさか、内臓たべるつもりっ……!?」
「くくっ、食べてほしいのか? 残念ながら、今の俺の体は人間に近いのだ。生の内臓を食べればこっちがやられる」
「うそ、うそだっ、こんなありえない舌しといてっ……! はうぅっ!」
「少々お喋りが過ぎるぞ、天音。集中しろ」
集中しろと言われたって、集中できないようにしているのは貴様の舌だと言ってやりたい。それなのに中を押し広げるように舌を動かされたことで、私の口からは喘ぎ声しか出てこなかった。
多少は痛みも覚悟していたけれど、これっぽっちも痛くなかった。それどころか舌を動かされるたびに脳天を突き抜けそうな快感に苛まれて、開きっぱなしになった口からだらしなく涎が垂れてしまう。でも、その涎を拭くほどの余裕もない。
「あふっ、あっ、く、ふあぁっ……! あああっ、もうだめっ、もうだめぇっ!」
「我慢をするな。好きな時に果てろ」
「っ……! ぅああっ、もうやらぁっ、やぁ、はぁんっ……! あ、ああああっ!!」
ずちゅっと卑猥な音を立てて、男の舌が勢いよく引き抜かれた。その瞬間、私はあられもない声を上げて達してしまう。
こんな風に恥ずかしい姿を見られて、悔しくて仕方ない。それに、この男の愛撫に気持ちよくなってしまう自分が情けなかった。
それなのに、私の体は物足りなさを感じて震えている。その証拠に、もう空っぽのはずの膣内が何かを求めるようにひくひくと収縮を続けていた。
「もう大分解れたぞ、天音。分かるか?」
「ぅ、あ……っ、わ、わかんなっ……」
「くくっ、好すぎて分からぬか。無理もない、中にも俺の唾液を染み込ませてやったからな」
そうだった。そういえば、この男の唾液には媚薬効果があるとか何とかほざいていた気がする。先ほどから陰部がじんじんと熱いのは、そのせいだったのか。
呆けた頭で、自分が今とんでもない状況に陥っていることだけは理解した。そしてこの淫靡な行為が、このまま終わるわけではないということも分かっている。
放心状態のまま、目線だけを動かして男を見つめる。
身に付けている浴衣はそのままで、だらりと力の抜けた私の腰をまたいでいる。浴衣の裾から覗く脚や、袷から見える胸元はやっぱり男性のものだ。普段見慣れない男らしい体つきに思わず見入ってしまう。
私は、これからこの男に抱かれるのだ。もう腹を括ったつもりだが、我が物顔で私の体を撫で回す男の手がなんとも腹立たしい。それにおぞましい舌を仕舞っている口元は不敵な笑みを浮かべていて、憎らしいことこの上ない。
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