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第2章
11.可愛がってください、ご主人様
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ソウの瞳を見つめながらそう言うと、なぜかその場にへなへなと蹲ってしまった。どうしたのかと様子を窺いたいが、拘束されているせいでソウに触れることができない。遠慮がちに名前を呼ぶと、潰れそうなくらい強く体を抱きすくめられた。
「……あかん。これ、誰の入れ知恵?」
「え……あ、アンナさんと、リサちゃん」
「やっぱりな……ほんま、ボクの心臓もたへんわ」
そう言うと、今度は優しく口付けながらソウの右手がわたしの胸に触れた。
なんだか、いつもと違う気がする。やわやわと優しく触られていると、それだけで体の奥が疼いた。慣れないことをして、体までおかしくなってしまったのだろうか。
胸を覆う薄い生地の上から、指で胸の頂を優しく擦られる。途端に口から甘い声が漏れ出てしまって、わたしは慌ててぎゅっと口を噤んだ。
「我慢したらあかんよ。ユキちゃんの声、全部聞かして」
「で、でもっ……! ふ、うんんっ……!」
「……へえ? ご主人様の言うこと、聞かれへんの?」
「うっ……わ、わかった……」
不本意ながらも頷くと、ソウは満足気に笑ってから再び胸を弄りはじめた。指の腹で先端を擦られているだけなのに、体が跳ねてしまいそうなほど気持ちいい。
このいつもと違うおかしな状況のせいで、わたし自身の体もおかしくなってしまったようだ。いつの間にか肩にかけていたケープも簡単に剥がされていて、昨日のわたしのささやかな抵抗は一瞬で無駄になった。
「ユキちゃん、これだけで気持ちいいん? ほら、服の上からでも分かるくらいココ立ってんで?」
「いやぁっ……! 言わないでっ……!」
「これだけでそない気持ちいいんやったら……こっち弄ったら、どないなってまうんやろね?」
「あっ……!」
胸への愛撫をやめたかと思うと、ソウの手がわたしの体をなぞりながら下腹部へいくのが分かった。そしてスカートの中へ潜り込んだかと思うと、下着の上から敏感な場所をなぞられる。
「ああっ……! そ、うっ……そこ、だめぇっ……!」
「あーあ……ユキちゃん、もう下着びしょ濡れやで? せっかく可愛いのつけてるんやし、こない濡らしたらあかんやん」
「い、いやぁっ……!」
「んー、このスカート邪魔やから脱がしてもええ?」
「あ……っ、だ、だめっ!」
わたしの返事を聞く前に、下半身を隠していたスカートまでもが取り払われた。あとはもう、下着姿も同然である。いや、普段の下着姿よりもずっと恥ずかしい格好だ。
「うっわ……紐パンにガーターベルトて、ほんま男の浪漫やな……」
「ひ、も……?」
「違うな、好きな子が着てるからこない興奮するんやろな。……はあ、ユキちゃんの今の格好、写真に撮っておきたいわ……」
「な、なに言ってるの!?」
「冗談やん。間違っても他の男に見せたないし、ボクの目に焼き付けておくわ」
ソウはなぜかしみじみとため息をつきながら、わたしの格好を舐めるように見回している。
どうやら、一応喜んでくれてはいるらしい。それだけで、こんな恥ずかしい格好をした甲斐があったというものだ。でもできれば、そろそろちゃんとした服を着せてほしい。
「ねえソウ、もう着替えてもいい? この手枷、外してほしいんだけど……」
そう言って、リサに付けられたリストバンドを掲げる。その瞬間、それまでしみじみと感嘆していたソウが血相を変えて叫んだ。
「何言うてるの! まだ全然楽しんでないやん!」
「は、はぁ……あの、この格好、そんなに気に入ってくれたの?」
「気に入るどころの話ちゃうで……まさかユキちゃんが、ボクのためにこないえっちな格好してくれるやなんて、夢にも思えへんかったわ」
言いながら、啄むように頬に口付けられる。
恥ずかしさは消えるはずもないが、ここまで喜んでくれたならこのプレゼントも大成功だ。
嬉しくなって、改めてソウのためにできることをしたいと思った。そこでふと、昨日アンナに教えられたもう一つの「提案」を思い出す。
昨日それを聞いたときは、まさかそんなことができるはずがないと思っていた。でも、今ならできる気がする。勇気を出して、それを口にしてみた。
「そ、ソウ……? あの、ね……」
「ん? どしたん?」
「……そ、ソウの、その……触っても、いい……?」
「……え?」
勇気を出したはいいが、なんと説明したらいいのか分からない。とりあえず曖昧な言葉でお願いしてみたが、ソウはそれだけで何かを察したようだ。
「……もしかして、ボクのん、触りたいいうこと?」
「う……うん。だめ?」
「……ボクの、手ぇとか髪を触りたいだけやった、とかいうオチはなしやで。分かってるん?」
「わ、分かってるよ! あの、いつも、ソウにされてばっかりだから……今日は、わたしが、その……っ」
そこまで言うと、ソウが自分の前髪をくしゃりと握った。この仕草は、照れている証拠だ。思わずそんなソウの姿にときめいてしまう。
今さらだが、わたしは相当ソウのことが好きみたいだ。
そんなことを考えていたら、ソウがおもむろにわたしの手首に付けられた枷を外してくれる。ようやく手が自由になってほっとしたのもつかの間、その手をソウに引っ張られ体を起こされる。そして、あぐらをかいて座るソウの目の前に正座する形になった。
「……ボクがやり方教えるから。嫌んなったらすぐ言うて」
「う、うん」
「ほな……ユキちゃん、脱がしてくれへん?」
「ええっ!?」
「……ユキちゃんから言うたんやで」
「わ、わかりました! そんな目で見ないでよっ……!」
深呼吸して、息を整えてから恐る恐るソウの夜着に手をかけた。そして、その下にある下着にも。こんなことをするのは初めてだ。
下着の上からでも、ソウのものが主張しているのが分かってしまう。それにはあまり目を向けないようにしながら、そっと下着を取り払った。
「……ほな次は、両手で触って」
「え、えっと……こう……?」
そっと両手で包み込むと、わずかにソウの身体が跳ねた。それと同時に、触れているわたし自身もその熱さと質量に驚いて、思わず手を引っ込めそうになる。ぐっと堪えて、優しくそれを握るとソウが次の指示を出した。
「っ……そのまま、上下に動かして。あんまりぎゅって握ったらあかんよ」
「は、い……」
言われた通り、両手をゆっくり動かし始める。こうして改めて触れてみると、こんなものを今まで体の中に受け入れていたのかと、今さらのことながら恐ろしくなった。
「……あかん。これ、誰の入れ知恵?」
「え……あ、アンナさんと、リサちゃん」
「やっぱりな……ほんま、ボクの心臓もたへんわ」
そう言うと、今度は優しく口付けながらソウの右手がわたしの胸に触れた。
なんだか、いつもと違う気がする。やわやわと優しく触られていると、それだけで体の奥が疼いた。慣れないことをして、体までおかしくなってしまったのだろうか。
胸を覆う薄い生地の上から、指で胸の頂を優しく擦られる。途端に口から甘い声が漏れ出てしまって、わたしは慌ててぎゅっと口を噤んだ。
「我慢したらあかんよ。ユキちゃんの声、全部聞かして」
「で、でもっ……! ふ、うんんっ……!」
「……へえ? ご主人様の言うこと、聞かれへんの?」
「うっ……わ、わかった……」
不本意ながらも頷くと、ソウは満足気に笑ってから再び胸を弄りはじめた。指の腹で先端を擦られているだけなのに、体が跳ねてしまいそうなほど気持ちいい。
このいつもと違うおかしな状況のせいで、わたし自身の体もおかしくなってしまったようだ。いつの間にか肩にかけていたケープも簡単に剥がされていて、昨日のわたしのささやかな抵抗は一瞬で無駄になった。
「ユキちゃん、これだけで気持ちいいん? ほら、服の上からでも分かるくらいココ立ってんで?」
「いやぁっ……! 言わないでっ……!」
「これだけでそない気持ちいいんやったら……こっち弄ったら、どないなってまうんやろね?」
「あっ……!」
胸への愛撫をやめたかと思うと、ソウの手がわたしの体をなぞりながら下腹部へいくのが分かった。そしてスカートの中へ潜り込んだかと思うと、下着の上から敏感な場所をなぞられる。
「ああっ……! そ、うっ……そこ、だめぇっ……!」
「あーあ……ユキちゃん、もう下着びしょ濡れやで? せっかく可愛いのつけてるんやし、こない濡らしたらあかんやん」
「い、いやぁっ……!」
「んー、このスカート邪魔やから脱がしてもええ?」
「あ……っ、だ、だめっ!」
わたしの返事を聞く前に、下半身を隠していたスカートまでもが取り払われた。あとはもう、下着姿も同然である。いや、普段の下着姿よりもずっと恥ずかしい格好だ。
「うっわ……紐パンにガーターベルトて、ほんま男の浪漫やな……」
「ひ、も……?」
「違うな、好きな子が着てるからこない興奮するんやろな。……はあ、ユキちゃんの今の格好、写真に撮っておきたいわ……」
「な、なに言ってるの!?」
「冗談やん。間違っても他の男に見せたないし、ボクの目に焼き付けておくわ」
ソウはなぜかしみじみとため息をつきながら、わたしの格好を舐めるように見回している。
どうやら、一応喜んでくれてはいるらしい。それだけで、こんな恥ずかしい格好をした甲斐があったというものだ。でもできれば、そろそろちゃんとした服を着せてほしい。
「ねえソウ、もう着替えてもいい? この手枷、外してほしいんだけど……」
そう言って、リサに付けられたリストバンドを掲げる。その瞬間、それまでしみじみと感嘆していたソウが血相を変えて叫んだ。
「何言うてるの! まだ全然楽しんでないやん!」
「は、はぁ……あの、この格好、そんなに気に入ってくれたの?」
「気に入るどころの話ちゃうで……まさかユキちゃんが、ボクのためにこないえっちな格好してくれるやなんて、夢にも思えへんかったわ」
言いながら、啄むように頬に口付けられる。
恥ずかしさは消えるはずもないが、ここまで喜んでくれたならこのプレゼントも大成功だ。
嬉しくなって、改めてソウのためにできることをしたいと思った。そこでふと、昨日アンナに教えられたもう一つの「提案」を思い出す。
昨日それを聞いたときは、まさかそんなことができるはずがないと思っていた。でも、今ならできる気がする。勇気を出して、それを口にしてみた。
「そ、ソウ……? あの、ね……」
「ん? どしたん?」
「……そ、ソウの、その……触っても、いい……?」
「……え?」
勇気を出したはいいが、なんと説明したらいいのか分からない。とりあえず曖昧な言葉でお願いしてみたが、ソウはそれだけで何かを察したようだ。
「……もしかして、ボクのん、触りたいいうこと?」
「う……うん。だめ?」
「……ボクの、手ぇとか髪を触りたいだけやった、とかいうオチはなしやで。分かってるん?」
「わ、分かってるよ! あの、いつも、ソウにされてばっかりだから……今日は、わたしが、その……っ」
そこまで言うと、ソウが自分の前髪をくしゃりと握った。この仕草は、照れている証拠だ。思わずそんなソウの姿にときめいてしまう。
今さらだが、わたしは相当ソウのことが好きみたいだ。
そんなことを考えていたら、ソウがおもむろにわたしの手首に付けられた枷を外してくれる。ようやく手が自由になってほっとしたのもつかの間、その手をソウに引っ張られ体を起こされる。そして、あぐらをかいて座るソウの目の前に正座する形になった。
「……ボクがやり方教えるから。嫌んなったらすぐ言うて」
「う、うん」
「ほな……ユキちゃん、脱がしてくれへん?」
「ええっ!?」
「……ユキちゃんから言うたんやで」
「わ、わかりました! そんな目で見ないでよっ……!」
深呼吸して、息を整えてから恐る恐るソウの夜着に手をかけた。そして、その下にある下着にも。こんなことをするのは初めてだ。
下着の上からでも、ソウのものが主張しているのが分かってしまう。それにはあまり目を向けないようにしながら、そっと下着を取り払った。
「……ほな次は、両手で触って」
「え、えっと……こう……?」
そっと両手で包み込むと、わずかにソウの身体が跳ねた。それと同時に、触れているわたし自身もその熱さと質量に驚いて、思わず手を引っ込めそうになる。ぐっと堪えて、優しくそれを握るとソウが次の指示を出した。
「っ……そのまま、上下に動かして。あんまりぎゅって握ったらあかんよ」
「は、い……」
言われた通り、両手をゆっくり動かし始める。こうして改めて触れてみると、こんなものを今まで体の中に受け入れていたのかと、今さらのことながら恐ろしくなった。
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