13 / 40
第13話 再びあのベランダ2
しおりを挟む
「えっどうゆうこと?」
「いや、そのままだよ」
「いまお互いに感情もおかしくなってると思うし…それにちょっと1人で考える時間がほしい」
「結局別れるってこと!?」
「いやちょっと待って」
「…一旦離れるってこと。物理的に」
「だからそれって別れるってことじゃん!」
「違うって!さっき言ったでしょ」
「今ちょっと1人で考えたり整理したりする時間がほしいの」
「だけど、このままこの家にいたらそれが僕はできない…から」
「はるかの事もう嫌いだから離れたいだけでしょ!?」
「そうゆうところだよ!…違うって言ってるでしょ…」
「今は僕もこれまでみたいに冷静じゃないし、心もおかしいから」
「だから時間がほしいって言ってるの」
「わかる?」
こう言う事が良かったのかは分からない。
けど、初めて言ったはるかの嫌な所や、自分の気持ちを隠さずに伝えた。
「…うん」
「ありがとう」
「僕はちょっと自分の実家で過ごすから」
「いつでも連絡は出来るしつくけど、実家のほうで考えたいから」
「…僕の言ってることわかる?」
「…うん、、わかる」
「はるかはこのままこの家に居ていいから」
「お家の事は自分でやらなきゃだけど、お家で過ごしてていいから」
「えっ…でも。。」
「いいはるか…」
「あの事もあったし、お家の事やはるかの事があるこのお家にいると今の僕はちょっとおかしくなっちゃうの」
「…」
「これまで家事とかご飯とかほとんど僕がやってきたから、いきなりやってって言うのもキツイと思うけど…ホント今はここから離れたいんだ」
「…ごめんなさい、、」
「…」
「ちゃんとまた戻ってきてお話しするから」
「はるか、いいね」
「…うん、、わかった…」
「…ごめんね」
「…ちゃ、ちゃんと戻ってきてね」
「うぐっ…ぐぅ、、」
また泣いてしまったはるか。
その言葉に返答はできなかった。
「はるか…今日はもうお休みしようか」
「疲れさせてしまってごめんね」
「うぐっ・・・うん」
「ほら、ベット行き」
「おやすみだよ」
いつもだったら寝室まで連れ添い一緒に寝る流れだが、この日は寝室に向かうはるかを追う事が出来ずそのままリビングのソファーで寝た。
次の日
まともに寝ることもできなかったが朝が来た。
時間はいつものように進んでいる。
けど、2人の時間はいつもと違う。
はるかは寝室から出てこない。
ゆうまは実家に帰る支度をする。
これまであった「おはよう」のやり取りはない。
いつもの家が知らない人の家のように感じた。
「…ふぅ」
そんな中、支度を済ませたゆうまは玄関に向かう。
スタスタっ
玄関の廊下に寝室があるがあれから締まったままだ。
「…」
ガチャ
布団がこんもりしている。
「…はるか」
「…」
「…じゃ行くね」
「…」
声をかけた時、布団が動いたので起きているのは分かったが返答がない。
「…」
バタンっ
ゆうまは起こしたりせずゆっくり扉を閉めた。
「…」
スタ、スタ、スタ
短い廊下がすごい長く感じた。
いつも仕事行く時寝室で声をかけたら必ず」いってらっしゃい」と声をかけてくれていた。
それが、ない。
…
「ふぅ…行くか」
荷物を持ち靴をはいた。
ガチャ
玄関のドアノブに手をかけた時。
ダダッタ
ガチャ
「ん?」
振り返ると寝室の扉を開けたはるかが立っていた。
「…はるか」
目元が真っ赤に腫れている。
痛々しいくらいに。
「…ゆうま、、」
「いってらっしゃい」
死にそうなか細い声。
もちろん笑顔はない。
けど、いつものように口に出したはるか。
「…うん」
「行ってくる」
そうゆう言うゆうまは玄関を開け外に出る。
…なぜだろう、その瞬間に涙が溢れた。
…
実家までは電車やバスを使って2時間ほどの場所。
帰省した際はすごい長く感じた移動もこの日はあっという間に着いたように感じた。
どうやって移動したのかも覚えていない。
頭には昨日の事、さっきの事、初めて見たはるかの声や表情。
それらが出ては消え出ては消えを繰り返し、答えの出ない自問自答をしていた。
それでも身に染みている実家までの道を歩く。
…
気がつくと家まであと数分。
「あっ…地元だ」
歩きながら昔見た道や風景を見て少し意識が戻ったのを感じた。
「帰ってきたんだなぁ…」
また少し涙が出た。なんの涙か分からない。
でも、無意識に出た。
「ふぅ…」
ずずぅ
溢れた涙を拭き、鼻をすすった。
「よし、帰ろう」
スタっ
と、実家の敷居に入ろうとした時、懐かしい声を聞いた。
「あれっ?ゆうま!?」
「…ん??」
名前を呼ばれたゆうまが振り返る。
「ゆうまじゃん!めっちゃ久しぶり」
「…あっ。きょう姉!?」
そこには昔からよく面倒を見てくれてた8歳歳上のお姉さん。
きょうかが笑顔で立っていた。
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
「いや、そのままだよ」
「いまお互いに感情もおかしくなってると思うし…それにちょっと1人で考える時間がほしい」
「結局別れるってこと!?」
「いやちょっと待って」
「…一旦離れるってこと。物理的に」
「だからそれって別れるってことじゃん!」
「違うって!さっき言ったでしょ」
「今ちょっと1人で考えたり整理したりする時間がほしいの」
「だけど、このままこの家にいたらそれが僕はできない…から」
「はるかの事もう嫌いだから離れたいだけでしょ!?」
「そうゆうところだよ!…違うって言ってるでしょ…」
「今は僕もこれまでみたいに冷静じゃないし、心もおかしいから」
「だから時間がほしいって言ってるの」
「わかる?」
こう言う事が良かったのかは分からない。
けど、初めて言ったはるかの嫌な所や、自分の気持ちを隠さずに伝えた。
「…うん」
「ありがとう」
「僕はちょっと自分の実家で過ごすから」
「いつでも連絡は出来るしつくけど、実家のほうで考えたいから」
「…僕の言ってることわかる?」
「…うん、、わかる」
「はるかはこのままこの家に居ていいから」
「お家の事は自分でやらなきゃだけど、お家で過ごしてていいから」
「えっ…でも。。」
「いいはるか…」
「あの事もあったし、お家の事やはるかの事があるこのお家にいると今の僕はちょっとおかしくなっちゃうの」
「…」
「これまで家事とかご飯とかほとんど僕がやってきたから、いきなりやってって言うのもキツイと思うけど…ホント今はここから離れたいんだ」
「…ごめんなさい、、」
「…」
「ちゃんとまた戻ってきてお話しするから」
「はるか、いいね」
「…うん、、わかった…」
「…ごめんね」
「…ちゃ、ちゃんと戻ってきてね」
「うぐっ…ぐぅ、、」
また泣いてしまったはるか。
その言葉に返答はできなかった。
「はるか…今日はもうお休みしようか」
「疲れさせてしまってごめんね」
「うぐっ・・・うん」
「ほら、ベット行き」
「おやすみだよ」
いつもだったら寝室まで連れ添い一緒に寝る流れだが、この日は寝室に向かうはるかを追う事が出来ずそのままリビングのソファーで寝た。
次の日
まともに寝ることもできなかったが朝が来た。
時間はいつものように進んでいる。
けど、2人の時間はいつもと違う。
はるかは寝室から出てこない。
ゆうまは実家に帰る支度をする。
これまであった「おはよう」のやり取りはない。
いつもの家が知らない人の家のように感じた。
「…ふぅ」
そんな中、支度を済ませたゆうまは玄関に向かう。
スタスタっ
玄関の廊下に寝室があるがあれから締まったままだ。
「…」
ガチャ
布団がこんもりしている。
「…はるか」
「…」
「…じゃ行くね」
「…」
声をかけた時、布団が動いたので起きているのは分かったが返答がない。
「…」
バタンっ
ゆうまは起こしたりせずゆっくり扉を閉めた。
「…」
スタ、スタ、スタ
短い廊下がすごい長く感じた。
いつも仕事行く時寝室で声をかけたら必ず」いってらっしゃい」と声をかけてくれていた。
それが、ない。
…
「ふぅ…行くか」
荷物を持ち靴をはいた。
ガチャ
玄関のドアノブに手をかけた時。
ダダッタ
ガチャ
「ん?」
振り返ると寝室の扉を開けたはるかが立っていた。
「…はるか」
目元が真っ赤に腫れている。
痛々しいくらいに。
「…ゆうま、、」
「いってらっしゃい」
死にそうなか細い声。
もちろん笑顔はない。
けど、いつものように口に出したはるか。
「…うん」
「行ってくる」
そうゆう言うゆうまは玄関を開け外に出る。
…なぜだろう、その瞬間に涙が溢れた。
…
実家までは電車やバスを使って2時間ほどの場所。
帰省した際はすごい長く感じた移動もこの日はあっという間に着いたように感じた。
どうやって移動したのかも覚えていない。
頭には昨日の事、さっきの事、初めて見たはるかの声や表情。
それらが出ては消え出ては消えを繰り返し、答えの出ない自問自答をしていた。
それでも身に染みている実家までの道を歩く。
…
気がつくと家まであと数分。
「あっ…地元だ」
歩きながら昔見た道や風景を見て少し意識が戻ったのを感じた。
「帰ってきたんだなぁ…」
また少し涙が出た。なんの涙か分からない。
でも、無意識に出た。
「ふぅ…」
ずずぅ
溢れた涙を拭き、鼻をすすった。
「よし、帰ろう」
スタっ
と、実家の敷居に入ろうとした時、懐かしい声を聞いた。
「あれっ?ゆうま!?」
「…ん??」
名前を呼ばれたゆうまが振り返る。
「ゆうまじゃん!めっちゃ久しぶり」
「…あっ。きょう姉!?」
そこには昔からよく面倒を見てくれてた8歳歳上のお姉さん。
きょうかが笑顔で立っていた。
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる