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その後 『~ モノローグ ~』
しおりを挟むユイの家 『 ユイの場合 』
プルルルル!
あ、電話。
ハナちゃんからだ。
「もしもし、ハナちゃん。おはよう」
『もしもし、ユイ。お早う』
「こんなに朝早くにどうしたの?」
『あのね、ユイ。
驚かないで聞いてね』
「うん」
『相田くんが夜中に階段から足を滑らせて、病院に運ばれたの』
「え?トキオくんが?」
『あ!体は無事よ。
ケガはほとんど無いみたいなの』
「そ、そう・・・よかった。
えっと、ハナちゃん、トキオくんの事、ナジミちゃんから聞いたの?」
『いや、今わたし、相田くんのいる病院にいるの』
「え?病院に?」
『うん、いろいろあって』
「ハナちゃん、どこの病院?」
『駅のそばの病院』
「あ、駅前の?私もすぐに行く!」
『う、うん、待ってる』
「それじゃ、切るね」
『うん』
ブツン
え?階段から落ちた?
どうしよう!トキオくん!
でもハナちゃんは大丈夫て言ってたし!
とにかく急ごう!
ピンポーーン!
私が慌ただしく服を着替えているとインターホンが鳴った。
こんな早くに誰だろう?
服を着替え終えたころ、お母さんが私を呼びに来た。
「ねぇユイちゃん、警察の方が来てるの。
ユイちゃんに聞きたいことがあるって」
え?
警察?
昨日だ!
きっと昨日の事だ!
どうしよう。
やっぱり全部話さなくちゃいけないかな・・・
でも、ウソは言いたくないし・・・
玄関に行くと私服の男性と女性が立っている。
手にはそれぞれ警察手帳を持っている。
うわ、警察手帳って初めて見た。
そういう感じなんだ・・・
私は、妙に落ち着いてる自分に少し驚いた。
「実は、ちょっとお聞きしたいことがございまして・・・」
私の名前を確認した後、私服の警官が話し始めた。
病院の入り口 『 ハナの場合 』
「あ、ユイ!」
「ハナちゃん!ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」
ユイが足早に病院に入ってきた。
「おはようございます、ユイさん」
ナジミがユイに小さく頭を下げる。
「ナジミちゃん、お早う。
トキオくんの具合はどう?」
「体は大丈夫なんですけど・・・」
ナジミが言葉を濁す。
「あ、あのね!
ちょうど良かった。
2人に話しがあるの。
少しだけ時間いい?」
ユイが、わたしとナジミを交互に見る。
「う、うん、いいよ」
わたしが答える。
え?何?
やっぱり、ユイ。
わたしがココに居るの、変だと思ってるのかな?
「あのね、さっき、家に警察の人が来たの」
え?
「警察?」
「うん」
「どうして?やっぱり昨日のことで?」
「そうとも言えるし、違うとも言える、かな」
「どういう事?」
わたしとナジミが顔を見合わす。
「えっと、進路指導の先生いたでしょ?」
「ああ、あの理科室の2人ですね」
ナジミが言う。
「そう、あの2人が犯人だったの」
「え?」
「何の?」
わたしとナジミが驚く。
「きのうの誘拐事件の。
あの先生たち2人とも捕まったんだって」
え!?
「ゆ、ユイ!それ、どういう事?」
「ほら、理科室で私が、スマホに動画を撮ったって先生たちに見せたでしょ?」
「うん」
「あの証拠の動画を消すためにスマホを取るのを依頼したんだって。
お金を払って」
「だ、誰に?」
「えっと、あの、昨日の暴力団?の人に」
「それで、どうなったの?」
「私は昨日、お昼から親とずっと一緒だったから、その事を聞かれただけ。
それに動画なんて撮っていないから・・・」
「ユイは警察に何て言ったの?」
「だから、動画はありません。って言っただけなの。
そしたら、分かりましたって、すぐに帰ったの」
「それだけ?」
「うん」
「わたしたちの事は?」
「ううん。何も」
そりゃそうだろう。警察が捜査中の事を何でもかんでも喋るわけがない。
昨日、誘拐というか拉致されたのは、ユイの変装をしたナジミだ。
トキオは殺し屋として麻雀屋に行って騒動に巻き込まれた。
ナジミと警官のマモルの動画も拡散されている。
「警察はわたしたちの事、どこまで知ってるのかしら・・・」
わたしがつぶやくと、ナジミが言う。
「ハナ先輩、アタシがマモルから聞いておきますよ」
「そ、そうね。
お願いするわ、ナジミ」
「はい、先輩」
「あ、それとね、ユイ!」
「何?ハナちゃん」
「わたし、ユイに話さなくちゃいけない事があるの」
「なに?」
今しかない。
どうせいつかバレるなら早い方がいい。
先延ばしにすればするほど、こういう事はこじれてしまう。
だったら、こじれる前に言っておくべきだ。
「わたし、相田くんと一緒に暮らすことになったの」
「え・・・?」
ユイが固まる。
本当にピタッと固まる。
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