ネジレコネクション

刺片多 健

文字の大きさ
94 / 128

その後 『~ モノローグ ~』

しおりを挟む



ユイの家 『 ユイの場合 』



プルルルル!

あ、電話。
ハナちゃんからだ。

「もしもし、ハナちゃん。おはよう」

『もしもし、ユイ。お早う』

「こんなに朝早くにどうしたの?」

『あのね、ユイ。
 驚かないで聞いてね』

「うん」

『相田くんが夜中に階段から足を滑らせて、病院に運ばれたの』

「え?トキオくんが?」

『あ!体は無事よ。
 ケガはほとんど無いみたいなの』

「そ、そう・・・よかった。
 えっと、ハナちゃん、トキオくんの事、ナジミちゃんから聞いたの?」

『いや、今わたし、相田くんのいる病院にいるの』

「え?病院に?」

『うん、いろいろあって』

「ハナちゃん、どこの病院?」

『駅のそばの病院』

「あ、駅前の?私もすぐに行く!」

『う、うん、待ってる』

「それじゃ、切るね」

『うん』


ブツン


え?階段から落ちた?
どうしよう!トキオくん!
でもハナちゃんは大丈夫て言ってたし!

とにかく急ごう!

ピンポーーン!

私が慌ただしく服を着替えているとインターホンが鳴った。
こんな早くに誰だろう?
服を着替え終えたころ、お母さんが私を呼びに来た。

「ねぇユイちゃん、警察の方が来てるの。
 ユイちゃんに聞きたいことがあるって」

え?
警察?

昨日だ!
きっと昨日の事だ!
どうしよう。
やっぱり全部話さなくちゃいけないかな・・・
でも、ウソは言いたくないし・・・

玄関に行くと私服の男性と女性が立っている。
手にはそれぞれ警察手帳を持っている。

うわ、警察手帳って初めて見た。
そういう感じなんだ・・・
私は、妙に落ち着いてる自分に少し驚いた。

「実は、ちょっとお聞きしたいことがございまして・・・」

私の名前を確認した後、私服の警官が話し始めた。









病院の入り口 『 ハナの場合 』


「あ、ユイ!」

「ハナちゃん!ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」
ユイが足早に病院に入ってきた。

「おはようございます、ユイさん」
ナジミがユイに小さく頭を下げる。

「ナジミちゃん、お早う。
 トキオくんの具合はどう?」

「体は大丈夫なんですけど・・・」
ナジミが言葉を濁す。

「あ、あのね!
 ちょうど良かった。
 2人に話しがあるの。
 少しだけ時間いい?」
ユイが、わたしとナジミを交互に見る。

「う、うん、いいよ」
わたしが答える。

え?何?
やっぱり、ユイ。
わたしがココに居るの、変だと思ってるのかな?


「あのね、さっき、家に警察の人が来たの」

え?

「警察?」

「うん」

「どうして?やっぱり昨日のことで?」

「そうとも言えるし、違うとも言える、かな」

「どういう事?」
わたしとナジミが顔を見合わす。

「えっと、進路指導の先生いたでしょ?」

「ああ、あの理科室の2人ですね」
ナジミが言う。

「そう、あの2人が犯人だったの」

「え?」

「何の?」
わたしとナジミが驚く。

「きのうの誘拐事件の。
 あの先生たち2人とも捕まったんだって」

え!?

「ゆ、ユイ!それ、どういう事?」

「ほら、理科室で私が、スマホに動画を撮ったって先生たちに見せたでしょ?」

「うん」

「あの証拠の動画を消すためにスマホを取るのを依頼したんだって。
 お金を払って」

「だ、誰に?」

「えっと、あの、昨日の暴力団?の人に」

「それで、どうなったの?」

「私は昨日、お昼から親とずっと一緒だったから、その事を聞かれただけ。
 それに動画なんて撮っていないから・・・」

「ユイは警察に何て言ったの?」

「だから、動画はありません。って言っただけなの。
 そしたら、分かりましたって、すぐに帰ったの」

「それだけ?」

「うん」

「わたしたちの事は?」

「ううん。何も」

そりゃそうだろう。警察が捜査中の事を何でもかんでも喋るわけがない。
昨日、誘拐というか拉致されたのは、ユイの変装をしたナジミだ。
トキオは殺し屋として麻雀屋に行って騒動に巻き込まれた。
ナジミと警官のマモルの動画も拡散されている。

「警察はわたしたちの事、どこまで知ってるのかしら・・・」
わたしがつぶやくと、ナジミが言う。

「ハナ先輩、アタシがマモルから聞いておきますよ」

「そ、そうね。
 お願いするわ、ナジミ」

「はい、先輩」

「あ、それとね、ユイ!」

「何?ハナちゃん」

「わたし、ユイに話さなくちゃいけない事があるの」

「なに?」

今しかない。
どうせいつかバレるなら早い方がいい。
先延ばしにすればするほど、こういう事はこじれてしまう。
だったら、こじれる前に言っておくべきだ。

「わたし、相田くんと一緒に暮らすことになったの」

「え・・・?」

ユイが固まる。
本当にピタッと固まる。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...