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本編
30 領地…改革…!?
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おっちゃんの邸で粗方話を詰め、やって参りました温泉街!
いつ来てもテンション上がるよ!fuー!
まあ、雰囲気は日本の温泉街って言うよりは外国の観光地感が凄いけどね。
今歩いている大通りと呼ばれる大きい道は、横幅20メートルくらいはあるので馬車や人通りの往来がスムーズだ。
この大通りを真っ直ぐ進むと一番最初に作った温泉宿にぶち当たる。おれの希望を取り入れた日本風の温泉宿。
緩やかな坂を登って少し山に入るところにあるので、初見では見つけにくい。
これなら迷わないよね!真っ直ぐ進むだけだからね!
民家やお店が並んでいる所も最初から観光地として街を作っているから碁盤の目のように建物が並んでいる。まだまだ発展途上だが、将来的には日本の温泉街のような雰囲気にしたいなぁーっと目論んでいるが、残念なことにこの国の建物は煉瓦が主流だ。
木造の建物はおれがお願いした最初の温泉宿だけ。
もっと増やしたいよね。
皆で簡単な変装をして、ディオーレンに抱えられながらロズディオンと3人で街を見回る。
おっちゃんはうるさいから置いてきたよ。
なんて冗談だけど。
案を出したおれが確認する為の視察だから、おっちゃんが居ると困るので「3人だけで確認します!」と押し切った。
おっちゃんは商会長と言うだけあって、この辺りじゃお偉いさんだ。そんな人物がぺこぺこしながら案内している人物なんて目立ってしょうがない。
おれ達はこっそりひっそりしたいんだよ!
キョロキョロと見渡す限りでは、なかなか人通りや馬車の往来が多い。
以前来た時よりもお店も民家も一気に増えている。
ここがきちんと賑わっていることに安堵しつつも、お祭りを開催する為の人手もたくさん必要になりそうだなぁと思案する。
ぶっちゃけおれの想像するお祭りは人がみっちみちに密集するような大きいお祭りでは無く、そこそこ人は多いが地方の村レベルに考えていた。
出店は十数店舗くらいで、商店街のおっちゃん達が小さいけど立派なお神輿を担いでわっしょいわっしょい言ってるイメージ。
でも目の前の人の多さを考えると、出店の数もお神輿の大きさも少し規模を大きくしないといけないかもしれない。
久しぶりに来たら思わぬ発展具合に、ちょっと及び腰になってしまったテンである。
その様子にいち早く気付いたのはディオーレンだ。
「どうしたテン」
心配そうなディオーレンの様子に、ロズディオンもテンの顔を覗き込む。
「ん?何かあったかい?」
「えー……と……」
2人を交互に見ながら、少しまごつきながらもテンがポソポソと伝える。
「おれが考えてたより、ちょっと大事になるかもしれないんだよね…そう思ったらちょっと怖くなっちゃって…」
もっと簡単に考えてた自分に情けなくなる。
お祭りしたい!という安易な考えで初めてしまったから。
しゅん…としおしおに萎びたテンに、ディオーレンは慰めるようにするりと頬を撫でた。
ロズディオンも苦笑しながら、わしゃわしゃと頭を撫で回す。
「そんな事はテンが気にする必要は無い。この事業はオルタリア家のものだ。テンは自分がやりたい事や思った事を俺達に教えてくれるだけでいい」
「そうそう。テンは自分でやらなきゃって思ってるけど、領地改革に近い事をテンだけに任せる事はしないから」
珍しくロズディオンも優しく諭す。
テンがお祭りやっほい♪と、うきうきで提案してきたのを見ていたロズディオンは、軽い気持ちで提案していたのも知っている。オルタリア家の皆に質問攻めをされて疲れ果てていたが。
むしろ温泉宿を提案した時に、この企画は領地改革じゃないか?とすわ神童の登場かと驚いたのも束の間、テンのお気楽具合に「あ、この子全然分かってないで言ったんだね…」と別の意味で驚いたのも記憶に新しい。
「領地改革…?え?お祭りの提案って領地改革に近いの…?」
初めて思い至りました!!という顔で驚くテンに、ロズディオンは「はいはい、今更今更」と軽く流す。
温泉街を作った時点で税収が上がった。
掛かった費用はあっという間に回収され、どんどん黒字を叩き出している。
全てが目新しく、風情のある建物にリラックス出来る温泉。人が集まらない訳が無い。
そして今回のイベント企画だ。
これが成功すれば益々この地に人は集まるだろう。
領地改革という言葉の重さにパニックになっているテンをディオーレンが宥め、ロズディオンはちゃっちゃと気になる点や御神輿の通る経路等をテンに質問して仕事を進めるのであった。
いつ来てもテンション上がるよ!fuー!
まあ、雰囲気は日本の温泉街って言うよりは外国の観光地感が凄いけどね。
今歩いている大通りと呼ばれる大きい道は、横幅20メートルくらいはあるので馬車や人通りの往来がスムーズだ。
この大通りを真っ直ぐ進むと一番最初に作った温泉宿にぶち当たる。おれの希望を取り入れた日本風の温泉宿。
緩やかな坂を登って少し山に入るところにあるので、初見では見つけにくい。
これなら迷わないよね!真っ直ぐ進むだけだからね!
民家やお店が並んでいる所も最初から観光地として街を作っているから碁盤の目のように建物が並んでいる。まだまだ発展途上だが、将来的には日本の温泉街のような雰囲気にしたいなぁーっと目論んでいるが、残念なことにこの国の建物は煉瓦が主流だ。
木造の建物はおれがお願いした最初の温泉宿だけ。
もっと増やしたいよね。
皆で簡単な変装をして、ディオーレンに抱えられながらロズディオンと3人で街を見回る。
おっちゃんはうるさいから置いてきたよ。
なんて冗談だけど。
案を出したおれが確認する為の視察だから、おっちゃんが居ると困るので「3人だけで確認します!」と押し切った。
おっちゃんは商会長と言うだけあって、この辺りじゃお偉いさんだ。そんな人物がぺこぺこしながら案内している人物なんて目立ってしょうがない。
おれ達はこっそりひっそりしたいんだよ!
キョロキョロと見渡す限りでは、なかなか人通りや馬車の往来が多い。
以前来た時よりもお店も民家も一気に増えている。
ここがきちんと賑わっていることに安堵しつつも、お祭りを開催する為の人手もたくさん必要になりそうだなぁと思案する。
ぶっちゃけおれの想像するお祭りは人がみっちみちに密集するような大きいお祭りでは無く、そこそこ人は多いが地方の村レベルに考えていた。
出店は十数店舗くらいで、商店街のおっちゃん達が小さいけど立派なお神輿を担いでわっしょいわっしょい言ってるイメージ。
でも目の前の人の多さを考えると、出店の数もお神輿の大きさも少し規模を大きくしないといけないかもしれない。
久しぶりに来たら思わぬ発展具合に、ちょっと及び腰になってしまったテンである。
その様子にいち早く気付いたのはディオーレンだ。
「どうしたテン」
心配そうなディオーレンの様子に、ロズディオンもテンの顔を覗き込む。
「ん?何かあったかい?」
「えー……と……」
2人を交互に見ながら、少しまごつきながらもテンがポソポソと伝える。
「おれが考えてたより、ちょっと大事になるかもしれないんだよね…そう思ったらちょっと怖くなっちゃって…」
もっと簡単に考えてた自分に情けなくなる。
お祭りしたい!という安易な考えで初めてしまったから。
しゅん…としおしおに萎びたテンに、ディオーレンは慰めるようにするりと頬を撫でた。
ロズディオンも苦笑しながら、わしゃわしゃと頭を撫で回す。
「そんな事はテンが気にする必要は無い。この事業はオルタリア家のものだ。テンは自分がやりたい事や思った事を俺達に教えてくれるだけでいい」
「そうそう。テンは自分でやらなきゃって思ってるけど、領地改革に近い事をテンだけに任せる事はしないから」
珍しくロズディオンも優しく諭す。
テンがお祭りやっほい♪と、うきうきで提案してきたのを見ていたロズディオンは、軽い気持ちで提案していたのも知っている。オルタリア家の皆に質問攻めをされて疲れ果てていたが。
むしろ温泉宿を提案した時に、この企画は領地改革じゃないか?とすわ神童の登場かと驚いたのも束の間、テンのお気楽具合に「あ、この子全然分かってないで言ったんだね…」と別の意味で驚いたのも記憶に新しい。
「領地改革…?え?お祭りの提案って領地改革に近いの…?」
初めて思い至りました!!という顔で驚くテンに、ロズディオンは「はいはい、今更今更」と軽く流す。
温泉街を作った時点で税収が上がった。
掛かった費用はあっという間に回収され、どんどん黒字を叩き出している。
全てが目新しく、風情のある建物にリラックス出来る温泉。人が集まらない訳が無い。
そして今回のイベント企画だ。
これが成功すれば益々この地に人は集まるだろう。
領地改革という言葉の重さにパニックになっているテンをディオーレンが宥め、ロズディオンはちゃっちゃと気になる点や御神輿の通る経路等をテンに質問して仕事を進めるのであった。
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