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光の女王、働きたくない
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「ミナエ姫、オカリナさん、あと土の人。あなた方のおかげでナチュラル王国は救われました。亡き父にかわり感謝致します」
死霊使いを倒し、ひと段落した後、シャープ王子は頭を下げる。
「土の人って俺のことか?」
「シンバルよ。そなたしかおらんだろう。で、シャープよ。フラットが持つ光の杖が、たらふく食事をとりたいそうじゃ」
「杖が食事、ですか?」
首を傾げるシャープ王子。
すると、光の杖が輝きだすと、黄色いドレスを着た少女へと姿を変えた。
「そうよ。この国を救った私にご馳走をたらふく食べさせなさい!」
堂々と胸を張る金髪の少女。玉座の間の空気が一瞬、止まる。
そしてシャープ王子はおずおずと兵士に耳打ちした。
「……食事の準備を急げ」
数分後。銀の盆を持った兵士が、恭しく差し出したのは――
茶色い粒が山盛りになった木皿だった。
「え? なにこれ?」
少女が眉をひそめる。
「我が国に残っていた唯一の非常食です」
シャープが胸を張って答える。
「栄養満点、保存性抜群。王も犬も食べられる最高級品――犬用圧縮食糧です!」
「はあああっ!? 犬の!? なんで犬と同じ扱いなのよ!!」
「我が国は食糧難ゆえ、これが精一杯なのです」
「私が治めてた時よりも貧しくなってるの? この国は!」
「どういうことです?」
ポカンとするシャープに対してオカリナが言う。
「思い出しました。彼女、ナチュラル王国初代女王オルフェリア・ナチュラルです。光の女王とも呼ばれ民に愛されたと評判の方です」
「えっ!」
驚くシャープ。
「でも姫様が若気の至りで滅ぼしたんですよね?」
「え?」
驚く私。そういえばナチュラル王国は転生前の私が何度か滅ぼしたとか言ってたな。
「ってか、あんたよく見たら古の悪魔姫じゃん! よく私の前にノコノコ出て来れたもんね!」
「お主が勝手に現れたのじゃ」
「まぁ今回、王国のピンチを救ってくれたからチャラにしてあげるわ。感謝してよね!」
「オカリナよ。こんなのが本当に民に愛されたのか?」
「時間の経過は人格を歪めると漫画に書いてありました。もしくは当時の国民がこういうのが好きだったのでしょう」
「まぁ良い。オルフェリアじゃったか? なんで杖に化ていたのじゃ」
「あんたが呪いを私にかけたからそうなってるのよ! 早く呪いを解いて! 魔力がなくなったら杖に戻っちゃうんだから!」
「呪いの解き方がわからぬ。あきらめよ」
「とにかく、お腹いっぱい食べさせて。魔力回復させるにも食事をとらないことには」
「ですが初代女王。我が国は王族すら日々節約して生活を切り詰めていますゆえ、我慢して下さい」
「えー!」
「オルフェリアよ。呪いは解けんが、我が領地なら食事はとれる。そもそもここに寄ったのはこのナチュラル王国を交易の中継地点となってほしくて頼みに来たのが目的だったしな」
「え? あんたのとこは食事がきちんととれるの?」
「働かざる者食うべからずじゃが」
「ならこの国、あんたにあげるから食事を取れるようにして」
「初代女王! 何を簡単に国を譲るなど申されますか!」
「仕方ないじゃない。国を譲るだけで働けば食事にありつけるのよ? あんたに改善策があるなら話は別だけど? てか食料で困ってるのに
何で高級ドッグフードがあるのよ。政策おかしいじゃない」
「ぐぬぬ!」
「じゃあ姫様。どうぞ玉座へ。あなた様がこの国の王様です」
「シャープよ。本当に良いのか? 王が後継者不明のまま突然死んだとはいえ、こんな小娘よりはお主の方が誰から見ても時期国王じゃぞ?」
「それはわかりますが、父の代から腐敗していた政治を立て直せる気がしません。それに民のことを考えると俺よりミナエ姫の方が実績があるのは認めています。この際、国の行末を委ねるのもいいかと考えております」
「ふむ。では妾がこのナチュラル王国も妾が統治しよう。まず最初にやることはこの城をぶっ壊す!」
「え!」
「さっきの戦いで半壊したし、そもそも事故物件に住みたくない! ここから少し東に平野があったから、リアルシムシティじゃ。誰もが住みたくなる中央都市を作るぞ」
「かしこまりました!」
「シャープやフラット、あとオルフェリアにも働いてもらうぞ」
「あっ、魔力が!」
再び杖と化すオルフェリア。自然にフラットの手に戻る。
「……本当に杖になりおったが、魔力というのは嘘じゃな」
「働きたくなかったんでしょうね。フラットよ。二倍働けることに感謝するが良い」
「そんなあんまりです!」
「姫様、ナチュラル王国もミナエモン領に併合され、ミナエモン領は広大な領地になりました。いっそこの際、新国家を世界に宣言されては?」
「そんなことしたら世界規模の会議とか、来客とかで都市作りどころじゃなくなるから、落ちついてからにしたいのぅ」
「かしこまりました!」
「さて、まずは妾の居城からじゃ。今まで殺風景な古城だったから夢が広がるのぅ」
私は舞い上がってすっかり忘れていた。死霊使いのことを。
外では黒い雲がわずかに渦を巻き始めていたのであった。
死霊使いを倒し、ひと段落した後、シャープ王子は頭を下げる。
「土の人って俺のことか?」
「シンバルよ。そなたしかおらんだろう。で、シャープよ。フラットが持つ光の杖が、たらふく食事をとりたいそうじゃ」
「杖が食事、ですか?」
首を傾げるシャープ王子。
すると、光の杖が輝きだすと、黄色いドレスを着た少女へと姿を変えた。
「そうよ。この国を救った私にご馳走をたらふく食べさせなさい!」
堂々と胸を張る金髪の少女。玉座の間の空気が一瞬、止まる。
そしてシャープ王子はおずおずと兵士に耳打ちした。
「……食事の準備を急げ」
数分後。銀の盆を持った兵士が、恭しく差し出したのは――
茶色い粒が山盛りになった木皿だった。
「え? なにこれ?」
少女が眉をひそめる。
「我が国に残っていた唯一の非常食です」
シャープが胸を張って答える。
「栄養満点、保存性抜群。王も犬も食べられる最高級品――犬用圧縮食糧です!」
「はあああっ!? 犬の!? なんで犬と同じ扱いなのよ!!」
「我が国は食糧難ゆえ、これが精一杯なのです」
「私が治めてた時よりも貧しくなってるの? この国は!」
「どういうことです?」
ポカンとするシャープに対してオカリナが言う。
「思い出しました。彼女、ナチュラル王国初代女王オルフェリア・ナチュラルです。光の女王とも呼ばれ民に愛されたと評判の方です」
「えっ!」
驚くシャープ。
「でも姫様が若気の至りで滅ぼしたんですよね?」
「え?」
驚く私。そういえばナチュラル王国は転生前の私が何度か滅ぼしたとか言ってたな。
「ってか、あんたよく見たら古の悪魔姫じゃん! よく私の前にノコノコ出て来れたもんね!」
「お主が勝手に現れたのじゃ」
「まぁ今回、王国のピンチを救ってくれたからチャラにしてあげるわ。感謝してよね!」
「オカリナよ。こんなのが本当に民に愛されたのか?」
「時間の経過は人格を歪めると漫画に書いてありました。もしくは当時の国民がこういうのが好きだったのでしょう」
「まぁ良い。オルフェリアじゃったか? なんで杖に化ていたのじゃ」
「あんたが呪いを私にかけたからそうなってるのよ! 早く呪いを解いて! 魔力がなくなったら杖に戻っちゃうんだから!」
「呪いの解き方がわからぬ。あきらめよ」
「とにかく、お腹いっぱい食べさせて。魔力回復させるにも食事をとらないことには」
「ですが初代女王。我が国は王族すら日々節約して生活を切り詰めていますゆえ、我慢して下さい」
「えー!」
「オルフェリアよ。呪いは解けんが、我が領地なら食事はとれる。そもそもここに寄ったのはこのナチュラル王国を交易の中継地点となってほしくて頼みに来たのが目的だったしな」
「え? あんたのとこは食事がきちんととれるの?」
「働かざる者食うべからずじゃが」
「ならこの国、あんたにあげるから食事を取れるようにして」
「初代女王! 何を簡単に国を譲るなど申されますか!」
「仕方ないじゃない。国を譲るだけで働けば食事にありつけるのよ? あんたに改善策があるなら話は別だけど? てか食料で困ってるのに
何で高級ドッグフードがあるのよ。政策おかしいじゃない」
「ぐぬぬ!」
「じゃあ姫様。どうぞ玉座へ。あなた様がこの国の王様です」
「シャープよ。本当に良いのか? 王が後継者不明のまま突然死んだとはいえ、こんな小娘よりはお主の方が誰から見ても時期国王じゃぞ?」
「それはわかりますが、父の代から腐敗していた政治を立て直せる気がしません。それに民のことを考えると俺よりミナエ姫の方が実績があるのは認めています。この際、国の行末を委ねるのもいいかと考えております」
「ふむ。では妾がこのナチュラル王国も妾が統治しよう。まず最初にやることはこの城をぶっ壊す!」
「え!」
「さっきの戦いで半壊したし、そもそも事故物件に住みたくない! ここから少し東に平野があったから、リアルシムシティじゃ。誰もが住みたくなる中央都市を作るぞ」
「かしこまりました!」
「シャープやフラット、あとオルフェリアにも働いてもらうぞ」
「あっ、魔力が!」
再び杖と化すオルフェリア。自然にフラットの手に戻る。
「……本当に杖になりおったが、魔力というのは嘘じゃな」
「働きたくなかったんでしょうね。フラットよ。二倍働けることに感謝するが良い」
「そんなあんまりです!」
「姫様、ナチュラル王国もミナエモン領に併合され、ミナエモン領は広大な領地になりました。いっそこの際、新国家を世界に宣言されては?」
「そんなことしたら世界規模の会議とか、来客とかで都市作りどころじゃなくなるから、落ちついてからにしたいのぅ」
「かしこまりました!」
「さて、まずは妾の居城からじゃ。今まで殺風景な古城だったから夢が広がるのぅ」
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外では黒い雲がわずかに渦を巻き始めていたのであった。
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