ここ、希望がまだあんの？

プロローグ

ドアの向こうから確かに聞こえた。

「彼らの名前がきれいにして見せるわ——必ずにね」

いや、盗み聞きのつもりはないが、ただ、静かな廊下で声がだにでも聞こえるだけのことさ。そして本当にはっきり聞こえる。

「…そんな簡単にできると思うのか？ほんと、お前からは何も期待できないな…」

また、聞きたいわけじゃないんだが、話題はオレと繋がっているらしい。

「黙れ！くそメガネーー！その時が来たら、オマエが恥を背負うことになるわよーー」

「それにしても、お前は何の権限もない人間のくせに、彼らの人生を決めることができるっていうのか？」

静かだ。そのことにつて、オレも考えた。

この考えには終わりはなかったが、いつも思った、なんで人は他人にそんなに構う？助けたいから？わからな
い。自分の事情と問題があるっていうのに、他人の問題に首を突っ込むだなんてさ。

その人たちー例えば彼女ー助けたい気持ちから、逆に人に迷惑を掛けることになってしまった。

オレの考えには、だれもがほかの人からの同情なんて望んだわけでもないと思っている。
また例えば、自分で解決をする方がいいと思う人はいるだろう。他に、だれにも話せない事情の人もいる。

「お前は誰のためにこんなことするのか？彼ら？それともー自分のため？」

時々オレはまた考える。助けたいという気持ちだけで、‘助けたい’を理由にして、本当はただ自分の自己満足にすぎないだろうっと思っている。自分の思いを他人に押しつけているみたいだから。

「当然、彼らのために決まっているわ！何よ、その質問―？」

はあ…本当、その助けたい人の気持ちも知らないで勝手な考えだと思わないかい？何の根拠もなく、自分がしたことがその人の‘ために’だなんて言い出せやがってさ。

確かにオレにとっては邪魔、迷惑、面倒な人に過ぎない、たとえどんな同情であろうとも。

「見てなさいよーー彼らを集まって、特集クラスを作って、オマエを分からせて見せるわ——自分自身になるのは悪いことじゃないと！」

返事も声もない。また静かだ。

はあ…またため息が出た。

これ以上知りたくないから、オレは立った位置から足を動かす。でもなんか一つのことがまだ頭に残っている。

特集クラスって何なんだい、お嬢さんよ？