婚約破棄された伯爵令嬢は、無愛想な辺境伯の仮妻になって静かな幸せを見つける

cotonoha garden

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第21章

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 昔の婚約者に会う日の朝、わたしは父からの耳飾りを耳につけた。
 そして、鏡に映る自分の顔を見て、もうあの夜の娘ではないのだと静かに確かめた。

  ◇ ◇ ◇

 視察団が到着する日は、空の青さまで緊張しているように見えた。
 風は冷たいのに、陽射しはまだ夏の名残を惜しんでいる。
 そんな半端な季節の光の中で、ラドクリフの館は静かにざわついていた。

 「奥様、支度はよろしゅうございますか」

 ハンナが、部屋の扉の外から声をかけてくる。
 鏡の前で、私は最後に耳飾りに触れた。

 淡い青の宝石が、小さく揺れる。
 ホイットロック家の娘に贈られる印。
 ずっと箱の中に仕舞っていたそれを、今日、初めて身につけた。

 「はい。今行きます」

 深く息を吸って立ち上がる。
 ドレスは、王都ほど豪奢ではない。
 けれど、ラドクリフに来てから仕立ててもらった一番のお気に入り──冬の白と、春と夏の色を少しずつ混ぜ込んだような柔らかな青灰色の布。

 「まあ……」

 扉を開けたとたん、ハンナが小さく声を上げた。

 「その耳飾り……」

 「父から、届いていましたの。
 “娘としての印”だそうです」

 少し照れながら答えると、ハンナは目を細めた。

 「とても、お似合いです。
 ラドクリフの空みたいなお色ですね」

 「……そう言っていただけると、うれしいです」

 ホイットロックの宝石なのに、ラドクリフの空の色と言われる。
 その矛盾が、妙に心地よかった。

 「エリス様は?」

 「すでに玄関ホールでお待ちです。
 今日だけは“じっとしている”ってがんばっておられますので」

 「それは大変ね。
 急いで行かなくては」

 二人で顔を見合わせて笑い合いながら、私は廊下を歩き出した。

  ◇ ◇ ◇

 玄関ホールには、兵士たちが整列し、使用人たちが控えていた。
 エリス様は一番前で、緊張とわくわくが混ざった顔をしている。

 「クッキーのお姉さん!」

 私の姿に気づくと、彼女はぱっと顔を輝かせたが、すぐにハッとして足を踏みとどまった。

 「きょうは“走らない”んだった……」

 「えらいわ。
 その代わり、目だけでいっぱい見ましょうね」

 小声で囁くと、彼女はこっそりガッツポーズをした。

 ホールの中央には、エドガー様が立っている。
 いつもより少しきっちりした礼装だが、鎧ではなく、動きやすい軍服に近い服装だ。

 「リディア」

 彼がこちらを見る。
 視線が一瞬だけ、私の耳飾りに留まった。

 「……その飾りは」

 「父からの、成人の祝いです」

 私は、指先で宝石をそっと押さえた。

 「今日、初めてつけました。
 “ここへ来た娘”としてではなく、“ここで一年を生きている女”として、見られたかったから」

 その言い方に、エドガー様はほんのわずか目を見開き、それから静かに頷いた。

 「よく似合っている」

 それだけを、短く、はっきりと言ってくれる。
 胸の奥が、少しだけ温かくなる。

 「そろそろだ」

 扉の外から、馬車の車輪の音が近づいてくる。
 鉄と石が擦れる、硬い音。
 王都の車輪の音だ。

 「怖いか?」

 低く問われ、私は一瞬だけ考えてから首を振った。

 「……怖くないと言えば嘘になります。
 でも、“逃げたい”とは思っていません」

 「そうか」

 彼はわずかに目を細める。

 「なら、大丈夫だ」

 それが合図のように、扉の前に立つ兵士が一歩前に出た。

 「ラドクリフ辺境伯領視察団──到着!」

 高らかな声が響き、重い扉が開かれる。

  ◇ ◇ ◇

 最初に入ってきたのは、王家の紋章をつけた文官たちだった。
 淡い色のマントと、よく磨かれた靴。
 その後ろに、軍の監察官らしき男たちが続く。

 そして──

 ひときわ軽い足取りの、若い男が一歩前に出た。
 明るい栗色の髪を後ろで束ね、気取った笑みを浮かべている。
 どこか少年の名残を残した横顔。

 「お久しぶりです、リディア」

 その人は、わたしの“昔の名前”を、何事もなかったように口にした。
 ホールの空気が、ぴんと張り詰める。

 「レオン・モンテベルディ公子、
 ラドクリフ辺境伯領への視察団一員として参上しました」

 形式どおりの挨拶。
 けれど、その目は、私をまっすぐに見ていた。

 「ようこそ、ラドクリフへ。
 レオン殿下」

 エドガー様が一歩前に出て、落ち着いた声で迎える。

 「辺境の館へ足を運ばれたこと、その労に感謝します」

 「いいえ。
 こちらこそ、冬の厳しい土地を見せていただける機会をいただき、光栄に存じます」

 レオンはそう言いながらも、視線を私から外さない。

 「……ずいぶん、雰囲気が変わられましたね。
 リディア・ホイットロック嬢」

 その呼び名に、胸の奥がわずかに痛んだ。
 けれど、逃げないと決めている。

 「今のわたしの名は、リディア・ラドクリフです」

 はっきりと告げると、レオンの眉がほんの少し上がった。

 「一年の契約だと伺っておりましたが」

「契約であっても、“今ここで生きている名”は大事にしたいと思っています」

 静かに言い返す。
 レオンは一瞬だけ言葉を失ったように見えたが、すぐに口元に笑みを浮かべた。

 「なるほど。
 ……“辺境の冬”は、女性の心を強くするのですね」

 どこか試すような口調だった。
 それに対して、エドガー様が穏やかに口を開く。

 「冬だけではない。
 春も夏も秋も、“ここで過ごした一年”が、彼女を変えたのだろう」

 その言葉に、胸がじんと熱くなる。

 「さあ、中へ」

 エドガー様が一行を導き、ホールの奥へ進み始めた。
 文官たち、監察官たちが順に挨拶を交わしていく。
 レオンは少し遅れて、その列の最後に続いた。

 彼が目の前に来たとき、ほんの一瞬だけ、二人きりのような空気が生まれる。

 「“その耳飾り”……」

 レオンが小声で言う。

 「ホイットロックの娘に贈られるものだろう。
 似合っている」

 「ありがとうございます」

 短く礼を言う。

 「ホイットロックの娘であることも、
 ラドクリフの奥方であることも、
 どちらも、わたしの一部ですから」

 そう返すと、レオンは一瞬だけ目を細めた。

 「……あとで、少し話せるといい。
 “あの夜”の続きを」

 胸の奥が強く打つ。

 あの夜。
 婚約を一方的に破棄され、何も言えなかった夜。

 「考えておきます」

 それだけを返して、私はわずかに頭を下げた。
 レオンはそれ以上何も言わず、隊列に戻っていった。

  ◇ ◇ ◇

 視察団の一日は、倉庫と用水路の見学から始まった。
 書類でしか知らないはずの彼らが、実際の壁の線や、堰の位置、畑の広がりに目を見張るのが分かる。

 「この線は?」

 軍の監察官の一人が、倉庫の壁の黄色と緑の印を指さした。

 「嵐のとき、“ここまで水が来たらこの列を上へ移す”目安です」

 私はそう説明した。

 「誰が見ても分かるように、旗と同じ色にしています。
 ラドクリフの子どもにも、理解できるように」

 「子どもにも?」

 別の文官が驚いたように繰り返す。

 「ええ。
 嵐や吹雪のとき、大人が全員ここにいられるとは限りませんから」

 レオンが、その説明を黙って聞いていた。
 やがて、ぽつりとつぶやく。

 「王都の倉庫には、そんな印はなかったな」

 「王都の倉庫は、
 “嵐が来ても誰かが守ってくれる”前提ですから」

 自嘲が混じってしまったが、もう隠そうとは思わなかった。

 「ここは、そうではない。
 “ここにいる人が守る”場所です」

 言い終えたとき、ハロルドと目が合った。
 彼は静かにうなずくだけで、余計な口を挟まなかった。

  ◇ ◇ ◇

 夕方。
 視察団を迎える食卓の準備が整った。

 広間の中央には、王都流の席次に沿った長卓が置かれている。
 その左右には、村人や使用人たちの席が少し離れた形で並んでいた。
 完全に同じ列ではない。
 けれど、“同じ食卓の灯りを囲む”配置だ。

 「……変わった並べ方ですね」

 レオンが、席に案内されたときに言った。

 「王都では、こんなふうに“身分を混ぜる”ことはない」

 「混ぜているつもりはありません」

 私は静かに答えた。

 「“冬を一緒に越した人たち”が、同じ灯りの下に座っているだけです」

 「冬を、一緒に」

 レオンの視線が、村人たちの方へ流れる。
 粗末だがきちんと洗われた服。
 緊張しながらも、どこか誇らしげな顔。

 「ラドクリフでは、
 “雪の日に薪を運んだ人”も、
“倉庫を守った人”も、
 “畑で春の準備をした人”も、
 同じ冬を越した仲間です」

 そう告げると、自分の声が少しだけ震えているのに気づいた。

 「契約であれ何であれ、
 わたしはその冬を一緒に越した一人として、この席に座ります」

 レオンはしばらく黙っていた。
 やがて、ため息とも笑いともつかない息を吐く。

 「……一年で、こんなことを言う人になるとは思わなかった」

 「わたしも思いませんでした」

 「昔、お前はいつも、
 “父と家の決めた席に座る”だけの娘だった」

 その指摘は、痛いほど正しかった。

 「今は違うのですね」

 「はい」

 迷わず答える。

 「今は、“自分で座りたい席”を選べるようになりました」

 それが、たとえまだ小さな一歩でも。

 そのとき、不意にエリス様の声が聞こえた。

 「クッキーのお姉さん!」

 振り向くと、エリス様が両手を振りながら走り寄ってくる。
 その後ろから、慌ててハンナが追いかけていた。

 「ほら、走らないお約束は?」

 「ごめんなさい……でも、どうしても言いたくて!」

 エリス様は、息を弾ませながら私の手を掴んだ。

 「きょうね、“冬を越した人の席”って聞いて、
 わたし、“お父さまとクッキーのお姉さんの隣がいい”って言ったの!」

 「エリス様……」

 胸がじんと熱くなる。

 「だって、
 いちばんこわかった夜も、
 いちばんうれしかった朝も、
 おふたりと一緒だったもん」

 その言葉に、広間の空気が一瞬だけ静まった。
 王都の文官たちも、視線をこちらに向ける。

 レオンもまた、何か言いかけた口を閉じた。

 「だから、ここが“わたしの席”」

 エリス様は、当然のようにそう言って、
 私とエドガー様のあいだを指さした。

 「ここに座って、“おかえり”って言うの」

 エドガー様が、静かに笑った。

 「そうだな。
 お前に“おかえり”と言われる席なら、私も喜んで座ろう」

 「わたしも、“ただいま”って言います」

 自然に、言葉が口からこぼれた。
 レオンが、驚いたように私を見た。

 「……“ただいま”?」

 「はい」

 私は、エリス様の頭をそっと撫でながら答えた。

 「ここは、“ただいま”と言いたい席がある家です」

 王都の広間では、一度も感じたことのなかった感覚。
 誰に命じられたわけでもなく、
 自分で選んで、そう言いたくなる場所。

 「レオン殿下」

 私は、ゆっくりと彼の方に向き直った。

 「食事のあとで、少しだけお時間をいただけますか」

 「……もちろんだ」

 彼は表情を引き締め、真面目な声で答えた。

 「“あの夜”の続きを、
 今のあなたの言葉で聞かせてほしい」

 「ええ。
 あのとき言えなかったことを、全部とは言えませんが──」

 私は、胸に手を当てた。

 「“今のわたし”として、ちゃんとお伝えしたいと思います」

 広間の灯りが、ともされていく。
 冬を越した倉庫の穀物が、今日の食卓に並ぶ。
 ラドクリフの一年と、王都の視線と、わたしの選択が、静かに交差し始めていた。

 ――一年の終わりは、やはり静かに訪れる。

 けれどその静けさの中で、
 わたしはようやく、自分の物語の続きを自分の声で語ろうとしている。
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