ねるまえ短編集

cotonoha garden

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コンビニ前で君と

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"終電を逃したくらいで、泣きたくなるほど疲れてる自分に驚いた。  
駅のホームに「本日の運行は終了しました」のアナウンスが響いた瞬間、膝から力が抜けそうになる。

スマホの終電案内の画面には、さっきまで確かにあったはずの最終電車の時刻が、もう「—」に変わっていた。  
時計は、23時48分。

「……マジか」

小さくつぶやいて、改札前のベンチにへなへなと腰を下ろす。  
スーツのジャケットの肩が、じんわりと重い。パソコンの入ったトートバッグも、足元に置いた瞬間、どさっと音を立てた。

タクシー乗り場には、同じように終電を逃したらしい人たちが、列を作り始めている。  
会社から自宅まで、タクシーで帰れば一万円近く飛ぶ。経費で落ちるような立場でもない。

「……コンビニで、時間つぶすか」

自分に言い聞かせるみたいに呟いて、私は立ち上がった。

***

今日も、よく働いた。  
そう言われれば、きっと「はい」と答えるしかない一日だった。

朝からクライアントの無茶な修正依頼が飛び込み、昼休みは五分でおにぎりをかき込み、夕方には「やっぱり前の案に戻して」とメールが届いた。  
上司の機嫌をうかがいながら電話で謝り、デザイナーに頭を下げ、スケジュールを引き直す。

「佐伯さん、ほんと助かるよ。こういうの、うまく調整できる人って貴重だからさ」

帰り際、上司はそう言って笑った。  
褒められているのは分かる。でも、心のどこかで、その言葉が少しだけ重たく響く。

――「うまく調整できる人」。  
つまり、「自分の意見を飲み込める人」。

私だって、本当は「こうしたほうがいい」と思うことくらいある。  
でも、会議で手を挙げる前に、頭の中で勝手に却下してしまう。

「どうせ通らないし」とか。  
「場の空気、悪くしたくないし」とか。

そうやって飲み込んだ言葉たちが、胸の奥で沈殿していく感覚に、最近ようやく気づき始めていた。

駅前のコンビニの自動ドアが、乾いた音を立てて開く。  
冷房の名残りのひんやりした空気と、揚げ物の油の匂いが混ざり合って、少しほっとする。

飲み物の棚の前で立ち止まり、何となく缶コーヒーの列を眺める。  
ブラックと微糖とカフェオレ。新商品のポップが、やたらと元気なフォントで「がんばるあなたに!」と訴えかけてくる。

「……がんばるあなた、ね」

思わず苦笑して、私は一番無難な微糖の缶を手に取った。  
レジで会計を済ませ、店員さんに温めるか聞かれて、少し迷ってから「そのままで」と首を振る。

外に出ると、夜風が思ったより冷たかった。  
コンビニの前にある小さなベンチに腰を下ろし、プルタブを開ける。

ぷしゅ、と小さな音がして、缶の口から甘い香りが立ちのぼる。  
一口飲むと、砂糖とミルクとカフェインが、疲れた身体に一気に流れ込んでくるようだった。

「はぁ……」

深く息を吐いて、私は空を見上げる。  
駅前の明かりにかき消されて、星はほとんど見えない。

――なんか、こういうの、久しぶりだな。

何も予定がなくて、誰とも話さなくていい時間。  
ただ缶コーヒーを飲んで、ぼんやりしていても、誰にも責められない時間。

ふと、高校の帰り道のことを思い出す。  
文化祭の準備で遅くなって、最寄り駅からの道を、誰かと並んで歩いた記憶。

あのとき、もし――。

「……佐伯?」

不意に、名前を呼ばれた。

心臓が、どくん、と跳ねる。  
顔を上げると、コンビニの明かりの向こうに、ひとりの男の人が立っていた。

一瞬、誰か分からなかった。  
けれど、少し伸びた前髪の隙間から覗く目元と、笑うときの口元の形に、記憶が追いつく。

「え……成瀬、くん?」

「やっぱり、佐伯だ。久しぶり」

彼は、少し照れたように笑った。

***

高校卒業以来だ。  
クラスで一番目立つグループにいて、文化祭でも体育祭でも中心にいた、あの成瀬陸。

記憶の中の彼は、いつも誰かに囲まれていて、遠くから眺めるだけの存在だった。

「うわ、ほんとに久しぶり。何年ぶりだろ」

「えっと……九年? 十年? やば。そんなに経つ?」

「経つでしょ。だって、もう二十七だよ、私たち」

「うわ、やめて。数字で言うと一気に現実感ある」

そう言って、彼は頭をかいた。  
仕草は、高校の頃とあまり変わっていない。

でも、よく見ると、少しだけ大人になった輪郭。  
首元から覗く、細いシルバーのネックレス。  
黒のパーカーにデニムというラフな格好なのに、不思議と様になっている。

「ここ、最寄り駅?」

「うん。成瀬くんは?」

「俺も。ひと駅向こうだけど、ライブハウスから歩いて帰る途中でさ。コンビニ寄ろうとしたら、なんか見覚えある後ろ姿がいるなって」

「ライブハウス?」

「そうそう。あ、ちょっと待ってて」

彼はそう言うと、コンビニの自動ドアを押して中に入っていった。  
ぽかんと見送る私の前に、数分後、彼は缶コーヒーを二本持って現れる。

「はい、これ。終電逃したっぽい顔してたから」

「え、なんで分かるの」

「そういう顔してた。あと、この時間にスーツでコンビニ前ベンチは、だいたいそう」

笑いながら、彼は一本を私に差し出す。  
受け取った缶は、さっき買ったのと同じ銘柄だった。

「かぶったね」

「だね。趣味合うじゃん、昔から」

「昔から、はちょっと盛ってない?」

「いやいや。ほら、文化祭のときもさ――」

彼は、コンビニの前のベンチではなく、少し離れた歩道の縁石に腰を下ろした。  
私もつられて立ち上がり、彼の隣に座る。

車のライトが時々、私たちの足元を白く照らしては通り過ぎていく。  
夜風が、缶コーヒーのぬるい甘さを、少しだけ冷ます。

「で、どうしたの。終電逃すくらい、残業?」

「うん。クライアントの無茶ぶりで」

「うわ、社会人あるあるだ」

「そっちは? ライブハウスってことは、まだ音楽やってるんだ」

そう言うと、成瀬くんは少しだけ肩をすくめた。

「“まだ”って言われると、ちょっと刺さるな」

「え、ごめん。そういうつもりじゃ」

「いや、分かる分かる。普通そう思うよね。二十代後半で、まだバンドやってます、って」

冗談めかして笑いながらも、その声には少しだけ本音の苦さが混じっていた。

「今はね、ライブハウスでスタッフしながら、たまに自分のバンドで出たり、他の人のサポートしたり。完全に食えてるわけじゃないけど、何とか生きてる、って感じ」

「すごいじゃん。ちゃんと夢、続けてるんだね」

心からの言葉だった。  
高校のときから、成瀬くんはいつもギターを持っていて、放課後の音楽室から彼の歌声が聞こえてきた。

「すごくはないよ。カッコよくもないし」

彼は缶コーヒーのプルタブをいじりながら、目を細める。

「音楽の専門学校行ってさ、一回、完全に心折れかけたし。周り、化け物みたいな奴らばっかでさ。『あ、俺、天才じゃないんだな』って、はっきり分かっちゃって」

「そんな……」

「で、一回普通に就職しようかとも思ったんだけど、なんか、どうしても踏ん切りつかなくて。中途半端に続けてる感じ」

彼は、少しだけ自嘲気味に笑った。  
高校の頃の「なんでもできる人」みたいなイメージが、音を立てて書き換えられていく。

完璧じゃない成瀬くん。  
悩んで、迷って、それでも続けている成瀬くん。

その姿に、私はなぜか、少し安心していた。

***

「佐伯は? 何やってんの、今」

「私は……都内の広告代理店で、営業アシスタント。資料作ったり、スケジュール調整したり、クライアント対応したり。さっきの無茶ぶり対応も、それ」

「おお、ちゃんと社会人やってるやつだ」

「“ちゃんと”って何」

「俺から見たら、すごいってこと。だってさ、毎日ちゃんとスーツ着て、終電逃すまで働いてさ。それ、俺にはできないもん」

「いや、別に好きでやってるわけじゃ」

口に出した瞬間、自分でも驚いた。  
「仕事、楽しいです」と笑うのが、いつの間にか癖になっていたから。

成瀬くんは、少し目を丸くしてから、ふっと笑う。

「だよね。そりゃそうだ」

「うん……なんか、最近ちょっと、疲れちゃって」

言葉が、思ったよりもするりと出てきた。  
夜のせいか、終電を逃したせいか、彼の前だからか。

「会社ではさ、“佐伯さんって気が利くよね”とか、“空気読んでくれるから助かる”とか、よく言われるんだけど」

「うん、分かる。昔からそうだったよね。先生の前とかでも」

「そう、そうなの。で、なんか……それが自分の役割、みたいになっちゃってて」

缶を両手で包み込むように持ちながら、私は言葉を探す。

「本当は、『こうしたほうがいい』って思うこと、あるんだよ。明日のプレゼンの企画とかもさ。私なりに、もっと面白くできそうなアイデア考えてて」

「おお、いいじゃん」

「でも、上司はもう方向性決めちゃってて。ここで変なこと言って、空気悪くしたらどうしようとか、クライアントに嫌われたらどうしようとか、いろいろ考えちゃって。結局、“そうですね”って言って、言わないんだよね」

「言わないんだ」

「うん。で、後からひとりでモヤモヤしてる」

話しながら、自分でも情けなくなって、笑ってしまう。  
笑いながら、少しだけ目が熱くなる。

「なんかさ、高校のときから変わってないなって思うんだよね、こういうとこ」

「高校のとき?」

「うん。文化祭の後、覚えてる? 一緒に帰った日」

私が言うと、成瀬くんは「文化祭?」と首をかしげ、数秒考えてから「あー!」と声を上げた。

「覚えてる。クラスの打ち上げ、途中で抜けてさ。駅まで一緒に歩いたやつでしょ」

「そう、それ」

あの夜の空気が、一瞬でよみがえる。  
校門を出て、いつもより暗い道。屋台の匂いがまだ残っていて、遠くから校庭の片付けの音が聞こえてきた。

あのとき、私は――。

「実はさ、あのとき、ちょっとだけ成瀬くんのこと、好きだったんだよね」

冗談みたいな口調で、でも本当のことを、私は口にした。

一瞬、時間が止まった気がした。  
自分でも、何を言っているんだろうと思う。

「え、マジで?」

「マジで。……って言っても、もう十年前の話だから、笑い話にしていいやつ」

「いやいや、ちょっと待って。それ、初耳なんだけど」

「そりゃそうでしょ。言ってないもん」

「なんで言わなかったの」

「え?」

「なんで、言わなかったの。あのとき」

夜風が、少しだけ強くなる。  
コンビニの明かりが、私たちの影を長く伸ばした。

「……怖かったから、かな」

自分の声が、少し震えているのが分かる。

「断られたら、クラスで気まずくなるかなとか。変に噂になったら嫌だなとか。あと、成瀬くん、モテてたし。私なんかが言っても、迷惑かなって」

「迷惑なんかじゃないでしょ」

「そう思えるの、今だからだよ」

缶コーヒーを一口飲んで、私は少し笑う。

「結局さ、『どうせ無理だろうな』って、自分で勝手に決めつけて、何も言わなかった。それで、卒業して、会わなくなって。で、十年経っても、まだたまに思い出すんだよ。“あのとき言ってたら、何か変わってたのかな”って」

成瀬くんは、黙って私の話を聞いていた。  
彼の横顔は、高校のときよりも少しだけ大人びていて、それが余計に、あの頃との距離を感じさせる。

「ごめんね、なんか。変な話して」

「いや」

彼は小さく首を振った。

「なんかさ、分かるわ、それ」

「分かる?」

「うん。俺も似たようなこと、音楽でやってるから」

缶を見つめながら、彼はゆっくりと言葉を選ぶ。

「さっき言ったじゃん。専門学校で心折れかけたって。あのときさ、本気でやめようと思ったんだよね。親にも“そろそろ就職したら?”って言われてたし」

「うん」

「で、就活サイト登録して、スーツ買って、説明会も行って。『はい、ここで音楽は終わり』って、自分で決めようとしてた」

「でも、やめなかったんだ」

「うん。結局、やめられなかった」

彼は、少しだけ照れくさそうに笑う。

「なんかさ、“やってダメだった後悔より、やらなかった後悔のほうが、長く残る気がする”って、誰かが言っててさ。あー、確かにそうかもなって思っちゃって」

「やらなかった後悔のほうが、長く残る」

その言葉が、胸の奥に、静かに沈んでいく。

「だから、俺の場合は、やめるほうが“やらない”になりそうで怖かった。『あのとき続けてたらどうなってたかな』って、一生考えるの、しんどいなって思って」

「……それで、続けてるんだ」

「まあね。続けてたら続けたで、『あのときやめてたらもっと楽だったかな』とか思うんだけどさ」

そう言って笑う彼の顔は、どこか満足そうでもあった。

「でも、少なくとも、“やってみた結果”のしんどさだからさ。自分で選んだって、まだ言い訳できる感じ」

自分で選んだ。  
その言葉が、やけに眩しく聞こえる。

私は、何かを「自分で選んだ」と言えることが、いくつあるだろう。

高校のとき、告白しなかったこと。  
会社で、自分の意見を言わないこと。

どれも、「やらなかった」側の選択だ。

「佐伯」

「ん?」

「もしさ、あのとき言ってたら、どうなってたかなって、今でもたまに思う?」

「……うん。たまにね」

「じゃあさ」

彼は、夜空を見上げながら、ぽつりと言った。

「今は、どうしたい?」

「今?」

「うん。明日のプレゼンでもいいし、これからの仕事でもいいし。今の佐伯は、どうしたい?」

唐突な質問に、言葉が詰まる。  
「どうしたい?」なんて、最近誰にも聞かれていない。

「……本当は」

少し間を置いてから、私は口を開いた。

「明日のプレゼンで、私が考えた企画、ちゃんと話してみたい。上司の案に“はい”って言うだけじゃなくて、“こういうのもどうですか”って、一回くらい言ってみたい」

言葉にしてみると、それは驚くほど小さな願いに思えた。  
でも、私にとっては、とても大きな一歩だ。

「いいじゃん」

成瀬くんは、迷いなく言った。

「言ってみてダメでもさ、今日みたいに“終電逃したなー”って笑えるかもしれないじゃん」

「終電逃したなー、って?」

「そう。『あの提案、全然刺さらなかったわー』って。で、コンビニで缶コーヒー飲みながら、『やっぱやめときゃよかったかなー』ってぐちる」

「それ、全然慰めになってないんだけど」

「でもさ、“言わなかった後悔”より、まだマシじゃない?」

彼の言葉に、私は思わず笑ってしまう。

「……そうかもね」

「でしょ」

彼は、空になった缶を軽く振って、カランと音を鳴らした。

***

気づけば、日付が変わっていた。  
スマホの画面には、0:12の数字。

「やば、もうこんな時間」

「タクシー、呼ぶ?」

「そうだね。さすがに歩いて帰るには遠いし」

私はタクシーアプリを開きながら、ふと成瀬くんの横顔を見る。  
コンビニの明かりに照らされた彼の輪郭が、十年前と今を、同時に見せてくる。

高校のとき、言えなかった言葉。  
今、胸の中にある、小さな願い。

どちらも、同じ場所から生まれている気がした。

「ねえ、成瀬くん」

「ん?」

「さっきの、“また終電逃したらここ集合”って、どう?」

「え、俺そんなこと言ったっけ」

「言ってないけど、今言った。……そういうの、どうかなって」

自分でも、何を言ってるんだろうと思う。  
でも、言葉はもう、空気の中に出てしまっている。

成瀬くんは一瞬きょとんとしてから、ふっと笑った。

「いいじゃん、それ」

「ほんとに?」

「うん。また終電逃したら、ここ集合。缶コーヒー二本買って、愚痴大会」

「毎回、終電逃すの前提なの、ちょっと嫌なんだけど」

「じゃあ、“たまに終電逃したら”にしとく?」

「それなら、まあ」

笑い合う声が、夜の空気に溶けていく。  
タクシーの到着予定時間まで、あと三分。

胸の鼓動が、少しだけ速くなる。  
今なら、言える気がした。

「ねえ、成瀬くん」

「うん?」

「連絡先、聞いてもいい?」

自分から、スマホを差し出す。  
高校のときにはできなかった動作。

彼は一瞬驚いたように目を見開いてから、にやっと笑った。

「もちろん。てか、聞こうと思ってた」

「ほんとに?」

「ほんとに。十年前に聞けなかった分も、ちゃんと交換しとこ」

画面越しに、彼の指が私のスマホを操作する。  
新しい連絡先の欄に、「成瀬 陸」の文字が打ち込まれていくのを、私はじっと見つめた。

登録ボタンを押すと、その名前が、私の世界のどこかに、正式に居場所を持った気がした。

ちょうどそのとき、アプリの画面に「タクシーが到着しました」と表示される。

「じゃあ、そろそろ」

「うん」

立ち上がって、歩道の端に停まったタクシーに向かう。  
ドアが自動で開き、冷たいシートの匂いが、ふわりと漂う。

乗り込む前に、もう一度だけ振り返る。

「今日は、ありがとね」

「こちらこそ。……明日、頑張ってね」

「うん。とりあえず、一個だけ、言ってみる」

「それで十分でしょ」

彼は、コンビニの明かりの下で片手を上げた。

「また、終電逃したら」

「ここ集合ね」

「うん。……でも、ほどほどに」

そう返して、私も笑う。

タクシーのドアが閉まり、車がゆっくりと動き出す。  
窓の外に、コンビニの白い光と、その前に立つ成瀬くんの姿が、小さくなっていく。

膝の上のスマホを開くと、「連絡先を交換しました」という通知の下に、「成瀬 陸」の名前が並んでいた。

指先で、その名前をそっとなぞる。

――明日、上司に何て言おう。

頭の中で、いくつかの言い方をシミュレーションしてみる。  
「一つだけ、提案したいことがあります」とか、「もしよければ、別案も検討していただけませんか」とか。

どれも、少しだけ怖い。  
でも、さっきまでよりは、ほんの少しだけ、楽しみでもあった。

ベッドに横たわる頃には、タクシー代の痛みよりも、胸の中の小さな高鳴りのほうが勝っている。

「終電を逃した夜も、悪くないかも」

ぽつりとつぶやいて、目を閉じる。

やらなかった後悔を、一つだけ減らすための夜が、静かに終わっていく。"
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