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37.久しぶりの再会
※※※※※
父が領地から戻る数日前に、シャルロットは家へ帰ることを決めた。
「もう帰るのか? まだ君の父上は家に戻っていないようだが……」
「あまり長くご厄介になるわけにはまいりませんので」
クロヴィスも侯爵夫妻もよくしてくれたけれど、シャルロットは兄と離れて少々寂しくも感じていた。
それにデュティユー侯爵家にいると、惨劇回避に向けての、護身術や武術の指南が受けられない。
それで家を出て三日後、帰宅した。
侯爵夫妻に強く引き留められたが、シャルロットは心から礼を言って、そこを後にした。
屋敷までクロヴィスが送ってくれた。
馬車から降りると、屋敷の正面で待っていた兄が、腕を伸ばして、シャルロットを抱き寄せてきた。
「シャルロット、帰ってきてくれたんだね」
「お兄様」
シャルロットは心臓が跳ねる。
クロヴィスがこめかみを動かした。
「レオンス、せっかく冷却期間を置いたのに、それでは意味がない」
レオンスはそっとシャルロットから腕を解いた。
「シャルロットがいない間、あまりにつらく、久しぶりに会えて嬉しくて」
「会わなかったのは三日間だけですわ」
「オレにとっては、とてつもなく長い時間だった」
真剣な顔で告げるレオンスに、シャルロットは申し訳なさと罪悪感を覚えた。
「レオンス、一年ほどで魔法学院に入学することになるんだ。そんなことでどうする。シャルロットを部屋に閉じこめるようなことはもうしないようにな」
クロヴィスの言葉にレオンスは点頭する。
「もちろんしない。シャルロット、おまえといたい気持ちが大きすぎて、悪いことをした。反省したよ。もうあんなことはしない」
そうしてクロヴィスが帰り、兄に閉じ込められることもなく、ようやくシャルロットは自室に戻れたのだった。
将来に備えての鍛練も再開でき、父も領地から戻ってきて、シャルロットは安心した。
そのままになっていた指輪の使用方法を探ろう。これまで、指輪のありかを調べていたが、今度は使いかたである。
すると家にユーグがやってきた。シャルロットは自室でユーグと会った。
彼に会うのは久しぶりだ。
「ユーグ様、お久しぶりです。お元気でしたか?」
シャルロットはこのところユーグと会っていなかったから、元気にしているか気になっていた。約三ヵ月ぶりだ。彼の家に何度か連絡をしたがずっと彼は旅行中で留守だったのだ。
「旅行されていたんですよね?」
「はい。シャルロット様が婚約したと聞き、ショックで祖父母の家に。ようやく少し落ち着いてきたので、先日王都に戻りました」
シャルロットが目を丸くすれば、彼は髪をかきあげた。
「なんだか置いていかれたような気がして……。ぼくとシャルロット様は兄妹になると話したでしょう。妹の結婚を思えば寂しいものです……」
それを聞き、シャルロットは思った。
レオンスもシャルロットが婚約し、王宮にしばらく行ったりしていたから寂しくて閉じ込めたのだろうか。
兄が婚約すればシャルロットもきっと寂しい。
(この間はお兄様に不満を抱いたけれど、水に流そう)
「旅先で、指輪について書かれていそうな本を購入したので、それを今日は持ってきました」
シャルロットははっとした。
ユーグにまだ指輪が見つかったことを話せていなかった。
シャルロットは引き出しから指輪を取り、彼に見せた。
「? シャルロット様、そちらは?」
「探していた指輪が見つかったのですわ。これがそうです」
「そうなのですか……!?」
「はい!」
兄やクロヴィスには指輪に関することは話していなかったので、エドゥアール以外で、このことで喜びあえるのはユーグだけだった。
シャルロットがにこにこしていると、彼はぽっと頬を赤らめて微笑んだ。
「よかったですね!」
「ええ!」
シャルロットは指輪を見つめる。
「でも使いかたがわからないのです」
シャルロットが嘆息すると、ユーグが言った。
「では今度は使いかたが載っている本を、王宮書庫に探しに行きましょう」
ちょうど調べたいと思っていたところだったので、シャルロットは頷いて、彼と王宮の書庫に行くことにした。
二人で部屋を出ると、階段の下に兄が立っていた。
「どこへ行くの?」
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