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(1)幼なじみ
しおりを挟む拳姫という二つ名を持つ女冒険者マーゴに、相方の印象を訊ねるとこう返ってくるらしい。
「リオンはどんな奴かって? そうね……援護してるなんて言いつつね、安全地帯から魔法撃ってるだけの腰抜け野郎だわ。それにね、いっつもあれをするなこれをするなって言ってばっかり。お前はおかんか小姑かっての!」
豪雷の魔術師と呼ばれる男冒険者リオンに、相方の印象を聞けばこう答えるらしい。
「マーゴの話を聞かせろって? 拳姫なんて呼ばれていい気になってるけどな。姫なんて呼び名は似合わない。むしろ拳鬼だな。鬼だよ鬼。うん。何てったって脳まで筋肉でできてるからね。女らしさのかけらもないんだよ、あいつ。あんなのに欲情する奴がいたら見てみたいよ……え? いい女じゃないかって? あんたは欲情できるって? ……ふぅん。あんた、名前なんだっけ? 覚えとくから教えてよ」
そして二人に、どんな関係かって聞くと、決まってこう返ってくる。
「ただの幼なじみだから」
まぁ、もうその言葉を鵜呑みにする人間は、この街にはいなくなったんだけれど。
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