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終わりのはじまり
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汗やいろんな液体で汚れた体を拭き清める。
かなり無理をしたが後悔はしていない。
新しい服を着せてベッドに寝かせる。
静かに寝ている姿はビスクドールのように美しい。
オレは枕元に腰かけると、額にかかる前髪に触れた。
今は閉じられた瞳。次に瞼が開いた時、翡翠の瞳は何も映さない。
「それでいい」
毒で潰れた目が最後に映したのはオレの顔。
「最高だな」
美しい隊長は信じていた部下に汚され壊され、人形になった。
毒で潰された目はもう何も映さない。
だが、それでいい。
それからオレは人形となった隊長の世話をしつつ、騎士の仕事を続けた。
少しづつ、少しづつ、水面下で戦略を蜘蛛の糸のように張り巡らせながら。
時に隊長を激しく抱き、時に甘やかすように膝にのせ、時にその日の出来事を語り、何も映さない翡翠の瞳とともに日々を過ごしていく。
「……もう少しですよ」
耳元で囁いても反応はない。
ただ、激しく抱いた時だけはその唇から甘い喘ぎ声が漏れ、その姿により愛おしさを感じるようになっていった。
こうして一つの季節が過ぎた頃――――――
「ただいま帰りました」
いつもより帰りが遅くなり、暗いドアを開ける。
「……え?」
灯りがない部屋でベッドに座った隊長を照らす光があった。
淡い光に包まれ、そのまま消えそうな幻影に慌てて手を伸ばす。
「隊長!」
反射的に駆け寄り手を握る。
指先から伝わる温もりと滑らかな肌の感触。
いつもと同じ状態に安堵する。
ふと壁を見上げれば、この部屋に唯一ある横に細長い窓から満月が覗いていた。
「あそこからの光だったか」
ホッと息を吐きつつ視線を移す。
薄っすらと開いた瞼から見える翡翠の瞳にオレはつい口を動かした。
「月が綺麗ですね。あぁ、失礼。オレが目を潰したから見えませんね」
ワザと煽るように貴方へ放った言葉。
しかし、目の前にいる貴方は何も反応しない。
でも、それでいい。
貴方はオレだけの人形になればいいのだから。
こうしてオレはいつものように人形となった隊長の世話をする。
食事から入浴、着替えまでしてあとは寝るだけ。
しかし、ただ寝るだけではない。
「ん、ふぁ……はぁ……んぁ」
ギシギシと軋むベッドの音とともに何度も抱き続け、甘い喘ぎ声を響かせるようになった体。
全身をくまなく舐めあげ、普段よりしつこく何度もイカせる。
白濁が出なくなっても、中だけで何度イッても。
ひたすら腰を振り続け、どこまでも自分で欲望で穢していく。
こうしてオレは満月の月明りの下、喘ぎ声が掠れるまで白い体を抱き続けた。
翌朝。
静かな寝息を聞きながらオレはベッドから立ち上がった。
いつものように身支度を整えていくが、それも今日まで。
すべての準備を終えたオレはベッドに近づき、人形のように眠り続ける金髪をゆっくりと撫でた。
「いってきます」
額に触れるだけのキスを落として離れる。
「さあ、すべてを壊しにいこうか」
呟き声を閉じ込めるようにドアを閉め、足を踏み出す。
カツンと響く足音がいつもより大きく聞こえる。
あとは、腐りきった国を壊すだけ。
オレは身を焦がす朝日の中へ進んでいった。
かなり無理をしたが後悔はしていない。
新しい服を着せてベッドに寝かせる。
静かに寝ている姿はビスクドールのように美しい。
オレは枕元に腰かけると、額にかかる前髪に触れた。
今は閉じられた瞳。次に瞼が開いた時、翡翠の瞳は何も映さない。
「それでいい」
毒で潰れた目が最後に映したのはオレの顔。
「最高だな」
美しい隊長は信じていた部下に汚され壊され、人形になった。
毒で潰された目はもう何も映さない。
だが、それでいい。
それからオレは人形となった隊長の世話をしつつ、騎士の仕事を続けた。
少しづつ、少しづつ、水面下で戦略を蜘蛛の糸のように張り巡らせながら。
時に隊長を激しく抱き、時に甘やかすように膝にのせ、時にその日の出来事を語り、何も映さない翡翠の瞳とともに日々を過ごしていく。
「……もう少しですよ」
耳元で囁いても反応はない。
ただ、激しく抱いた時だけはその唇から甘い喘ぎ声が漏れ、その姿により愛おしさを感じるようになっていった。
こうして一つの季節が過ぎた頃――――――
「ただいま帰りました」
いつもより帰りが遅くなり、暗いドアを開ける。
「……え?」
灯りがない部屋でベッドに座った隊長を照らす光があった。
淡い光に包まれ、そのまま消えそうな幻影に慌てて手を伸ばす。
「隊長!」
反射的に駆け寄り手を握る。
指先から伝わる温もりと滑らかな肌の感触。
いつもと同じ状態に安堵する。
ふと壁を見上げれば、この部屋に唯一ある横に細長い窓から満月が覗いていた。
「あそこからの光だったか」
ホッと息を吐きつつ視線を移す。
薄っすらと開いた瞼から見える翡翠の瞳にオレはつい口を動かした。
「月が綺麗ですね。あぁ、失礼。オレが目を潰したから見えませんね」
ワザと煽るように貴方へ放った言葉。
しかし、目の前にいる貴方は何も反応しない。
でも、それでいい。
貴方はオレだけの人形になればいいのだから。
こうしてオレはいつものように人形となった隊長の世話をする。
食事から入浴、着替えまでしてあとは寝るだけ。
しかし、ただ寝るだけではない。
「ん、ふぁ……はぁ……んぁ」
ギシギシと軋むベッドの音とともに何度も抱き続け、甘い喘ぎ声を響かせるようになった体。
全身をくまなく舐めあげ、普段よりしつこく何度もイカせる。
白濁が出なくなっても、中だけで何度イッても。
ひたすら腰を振り続け、どこまでも自分で欲望で穢していく。
こうしてオレは満月の月明りの下、喘ぎ声が掠れるまで白い体を抱き続けた。
翌朝。
静かな寝息を聞きながらオレはベッドから立ち上がった。
いつものように身支度を整えていくが、それも今日まで。
すべての準備を終えたオレはベッドに近づき、人形のように眠り続ける金髪をゆっくりと撫でた。
「いってきます」
額に触れるだけのキスを落として離れる。
「さあ、すべてを壊しにいこうか」
呟き声を閉じ込めるようにドアを閉め、足を踏み出す。
カツンと響く足音がいつもより大きく聞こえる。
あとは、腐りきった国を壊すだけ。
オレは身を焦がす朝日の中へ進んでいった。
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