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第七夜 恋と夢の着地点
⑤
梅雨の雨の滴る六月、田舎の小さな教会にて。
一年前に入籍した圭と陽菜は結婚式を挙げようとしていた。
26才になった圭は白いタキシードに身を包み、教会の赤い絨毯の上を堂々と入場し神父の下で止まった。
圭は今も隼人と一緒にフレンチレストランで働いている。
まだ地元で自分のお店を出すまでには時間はかかりそうだが、修行の日々は充実していた。
祖父母を隣に父が母の遺影を持って、涙ぐみながら圭の姿を見ていた。
陽菜を紹介して以来父との仲は良好で、喧嘩をすることは無くなった。
父も他の家族も、陽菜のことを自分の娘のように受け入れてくれていた。
そして陽菜は、祖母と共にバージンロードを歩いた。
教会の最前席には姉夫妻が来ていた。
陽菜は隣県に行く前に姉と向き合い、まだ祖母経由ではあるが少しずつ親交を深めていた。
姉も半年前に結婚し、頼れる夫と幸福な新婚生活を送っているようだった。
拍手喝采の中、粛々と挙式が始まった。
観客には変わらず二人と仲良しの親友達がいた。
匠は二歳になった椿を連れ、隣にいる茜は三ヶ月前に出産した第二子となる長女灯を抱いていた。
匠はあれから昼職に転職をし、今は外仕事をしているようだった。
茜は二度目の育休を夫婦で助け合いながら楽しく過ごしている。
そして絢斗と七海夫妻の間には一歳半になった長女杏が目一杯着飾っていた。
七海は産後ニヶ月の時に母を看取り落ち着いて後に、絢斗と共に東京に帰り三人で暮らしている。
最近仕事も再開し、新天地で仕事も充実した日々を送っていた。
また他の観客には東京で切磋琢磨する奏多や徹の姿もあった。
陽菜は最初は呼ぶのを反対したが、圭が自分たち二人の門出を見てほしいと呼んだのであった。
そんな大切な家族や友人達に囲まれて、陽菜と圭は一生で最も輝く日を過ごした。
そんな陽菜はまるで四年前のことを昨日のことのように思い返していた。
高校の友人の結婚式を疎み、そんな自分に嫌気を差して泥酔し、バイクに乗り圭とともにみた星一杯の夜空の光景である。
ーあの日、時間が止まれば良いと思った。
しかし今、自分は本当の幸せを手に入れた。
現実逃避も時には悪いものではない。
だが現実と向き合って得た幸せは極上のものだった。
披露宴の終盤でそんなことを思い耽っていると、陽菜は圭から声をかけられた。
「陽菜、これから一生そばにいさせてね。」
「私も、不束者ですがどうかよろしくお願いします。」
陽菜がこの上ない幸せを噛み締めて微笑むと、その笑顔に惚れ込んだ圭は陽菜の頬に口づけをした。
ー永遠は本当に存在するかもしれない。
まだ始まったばかりの二人の道を、この幸せを、共に守っていこうと陽菜と圭は皆に祝福を受けた今日改めて誓ったのであった。
end
※あとがき
素人の拙い小説をここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!
大人の恋愛をテーマに、重い過去を背負った主人公が本物の幸せを手に入れる話を描きました(^^)
恋愛ドラマが大好きで、構成は仲間達の恋愛話も交えることでドラマを意識した作りになっています!
私的には茜の役どころが好きでした。
育児に悩む姿は実体験を元にしています。
とにかく、無事に最後まで描き終えることができてよかったです。
お気に入り登録励みになります(^^)
この度は誠にありがとうございました♡
皆様良いお年を!
一年前に入籍した圭と陽菜は結婚式を挙げようとしていた。
26才になった圭は白いタキシードに身を包み、教会の赤い絨毯の上を堂々と入場し神父の下で止まった。
圭は今も隼人と一緒にフレンチレストランで働いている。
まだ地元で自分のお店を出すまでには時間はかかりそうだが、修行の日々は充実していた。
祖父母を隣に父が母の遺影を持って、涙ぐみながら圭の姿を見ていた。
陽菜を紹介して以来父との仲は良好で、喧嘩をすることは無くなった。
父も他の家族も、陽菜のことを自分の娘のように受け入れてくれていた。
そして陽菜は、祖母と共にバージンロードを歩いた。
教会の最前席には姉夫妻が来ていた。
陽菜は隣県に行く前に姉と向き合い、まだ祖母経由ではあるが少しずつ親交を深めていた。
姉も半年前に結婚し、頼れる夫と幸福な新婚生活を送っているようだった。
拍手喝采の中、粛々と挙式が始まった。
観客には変わらず二人と仲良しの親友達がいた。
匠は二歳になった椿を連れ、隣にいる茜は三ヶ月前に出産した第二子となる長女灯を抱いていた。
匠はあれから昼職に転職をし、今は外仕事をしているようだった。
茜は二度目の育休を夫婦で助け合いながら楽しく過ごしている。
そして絢斗と七海夫妻の間には一歳半になった長女杏が目一杯着飾っていた。
七海は産後ニヶ月の時に母を看取り落ち着いて後に、絢斗と共に東京に帰り三人で暮らしている。
最近仕事も再開し、新天地で仕事も充実した日々を送っていた。
また他の観客には東京で切磋琢磨する奏多や徹の姿もあった。
陽菜は最初は呼ぶのを反対したが、圭が自分たち二人の門出を見てほしいと呼んだのであった。
そんな大切な家族や友人達に囲まれて、陽菜と圭は一生で最も輝く日を過ごした。
そんな陽菜はまるで四年前のことを昨日のことのように思い返していた。
高校の友人の結婚式を疎み、そんな自分に嫌気を差して泥酔し、バイクに乗り圭とともにみた星一杯の夜空の光景である。
ーあの日、時間が止まれば良いと思った。
しかし今、自分は本当の幸せを手に入れた。
現実逃避も時には悪いものではない。
だが現実と向き合って得た幸せは極上のものだった。
披露宴の終盤でそんなことを思い耽っていると、陽菜は圭から声をかけられた。
「陽菜、これから一生そばにいさせてね。」
「私も、不束者ですがどうかよろしくお願いします。」
陽菜がこの上ない幸せを噛み締めて微笑むと、その笑顔に惚れ込んだ圭は陽菜の頬に口づけをした。
ー永遠は本当に存在するかもしれない。
まだ始まったばかりの二人の道を、この幸せを、共に守っていこうと陽菜と圭は皆に祝福を受けた今日改めて誓ったのであった。
end
※あとがき
素人の拙い小説をここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!
大人の恋愛をテーマに、重い過去を背負った主人公が本物の幸せを手に入れる話を描きました(^^)
恋愛ドラマが大好きで、構成は仲間達の恋愛話も交えることでドラマを意識した作りになっています!
私的には茜の役どころが好きでした。
育児に悩む姿は実体験を元にしています。
とにかく、無事に最後まで描き終えることができてよかったです。
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この度は誠にありがとうございました♡
皆様良いお年を!
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