風使い魔王の逆襲英雄譚

SchweinDikiy

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1〜人間が来た〜

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「なぁ、お前は何者だ?」
俺の目の前の人物が口を開く。
そいつは俺の事を知っていながらわざと質問してきている。
俺は空魔王ジグラス。
そして今ここは俺の支配領である、スリザット大陸。
そして目の前のやつは俺に明白な殺意とそれを乗せた剣を向けながら聞いてきている。
なぜこいつは俺の事を聞いてきたのだろうか。
気になるが、深く考えずに俺は答える。
「俺は空魔王ジグラスだ。何故俺の正体を聞く?」
目の前の人物は諦めが着いたような、どこかほっとしたような表情をしてまた口を開く。
「そうか。分かった。ジグラス、お前は変わったんだな。俺はお前を必ず殺す!」
突然血相を変えて襲いかかってくる。
その速度は尋常ではない、きっとそれは時間術式を展開し、時間を歪ませているのだろう。
しかし彼が俺のもとまで来るには時間がかかるだろう。
なぜなら俺は空間術式を展開し、彼との距離を限りなく離していたからだ。
それでもお構い無しに一瞬のうちに俺の懐まで詰め寄って斬りかかってくる。
彼が全身全霊を込めて斬りかかってきたのはわかっていた俺は別の空間術式を展開し終えて彼が全力を込めた剣術、いや、剣道式の最上級と言っても過言ではない『燕返しーつばめがえしー』を回避した。
少し慌て気味に俺はまた襲いかかろうとしているそいつに問うてみた。
「俺に何者かと聞いておいて貴様は一体何なのだ?突然殺しに来やがって。」
「お前に名乗る名など持ち合わせてねぇ!」
一体何なのだ、と心底呆れる。
こいつは突然俺の領域に来て俺を殺そうとしている。
まぁ俺が殺される訳もないが、かなり面倒だ。
なぜ俺が殺されないのか、それは相手が人間だからだ。
人間で道式まで極めた者は少ない。
しかし、導式まで極めれる者はさらに少ない。
俺はまだ空間術式しか使っておらず、同時多式展開の技術力だけで奴の全力はかわすことが出来る。
反撃も可能だ。
この人間相手に全力を出してもきっと何も分からずに殺されてしまうだけだろう。
少しだけ相手をしてやることにした。
それからどれくらい時がたったのだろうか。
俺に突っかかってくるこの人間は時間術式を展開できる為そんなに時間が経ってないかもしれないがそれでも5分は戦ってただろう。
人間はもう疲れきっている。
俺も正直飽きてきたので殺すことにする。
「貴様は結局何しに来たのか知らぬがもうここまでだ。お遊びはもう飽きた。ここで死ぬがいい。」
俺がそう言い、風導式を展開する。
風導式『凍風導胴ーいふうどうどうー』
この風導式を交わすことは不可能。
なぜならここ、スリザット大陸は草原が広がるだけの大陸。
風を遮る建物や木々は存在しない。
この大陸から離れることが出来るのならば回避できるだろう。
しかしこの人間は戦っているうちにわかったが、時間術と剣道、剣術の式しか使えない。
使ってないだけでは無いだろう。
流れるように繰り出される剣技が真っ直ぐなことから全力で向かってきているのがすぐに分かった。
俺を殺そうとして来たようだがあまりにも稚拙すぎだ。
俺を殺しに来た人間は今回もまた死んだ。
死体をいつもの死体置き場に捨てた。
彼は一体なぜ俺に何者かを問うたのか、少し考えるけど全く分からない。
俺には関係の無い話だろう。
俺は空魔王ジグラス、そして次代総魔王になる男だ。
俺の野望は魔王の排除、ただそれだけだ。
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