お月見

SchweinDikiy

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お月様に住む子うさぎの物語

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あの小さな白い月兎はミツルです。
今年生まれたかわいいかわいい子ウサギです。
ミツルは最近色々なことに疑問を持つお年頃です。
今日はお月見の日です。
お父さんとお母さんはいそいそと何かを準備しているようです。
何をしてるか見てみたらお餅つきの準備をしていました。
そこでミツルはどうしてお餅つきの準備をしているのか聞いてみることにしました。

「父ちゃん、母ちゃん何してるんだい?」

「ミツルか。父ちゃん達はな、お月見の日はな、お餅をつくんだよ。」

「なんで?」

「なんで、かぁ。それはな、お月見は父ちゃん達、ミツルも含めて全ての月兎達にとっての大きなお祭りだからだな。」

父ちゃんはニカッと笑ってまた準備に戻りました。
しかしまだミツルは満足してない表情を浮かべまた口を開きます。

「でも父ちゃん、そのお餅はどうするのさ。おいら達月兎はお餅をつくことをしても食べることはしないじゃないか。」

「そうだな。でもな、こうやって父ちゃん達が餅をついてその餅を人間達に振る舞う事で月兎達は食料を分けてもらえるんだよ。まぁ、難しいことはミツルにはまだ分からねぇよな!ハハハハ!」

大きく笑いながら父ちゃんは餅つきを始めます。
ミツルはまだ疑問だったが餅つきを始めたお父さんの邪魔をしないために疑問を飲み込みました。
そしてそのあとは友達の月兎達とかけっこをしたり自由に走り回って遊びました。

一年後、またお月見の日がやってきました
今年はミツルに弟や妹ができていました。
そしてまた、今年はミツルも餅つきを手伝いました。
ミツルの弟や妹達がミツルに質問してきました。

「ミツル兄ちゃん。どうしてお月見の日はお餅をつくの?」

ミツルは堂々とした素振りで笑顔を作り、答えます。

「今日は年に一度の大きなお祭りだからさ!」

弟や妹達にはよく分かりませんでした。
しかしミツルお兄ちゃんが言うことに嘘があったことなど1度もありません。
月兎達は月で楽しく今も過ごしております。


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