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波希「クワガター、明日
花火大会あんの知ってるか?」
部屋で蚊に刺されたところをかいている時に
波希君に話掛けられた。
田形「知らなかったよ」
波希「まじかよ」
田形「まじだよ」
ちょこちょこ猪狩り、木登り、素潜りと
野生児過ぎる遊び?に誘われて来たが、
遂にちゃんとした島の行事が始まるのかと安堵した。
波希「俺と行かね?」
照れ臭そうに頭をかきながら誘われるが、
ここ2階なんだけどなと、屋根の上にいる波希君に
どんな身体能力してんだよと思う。
波希「じゃっ、明日の16時。
神社の前集合な!」
颯爽と屋根から落ちて行った波希君。
田形「どんな身体能力してんだよっ!」
~
波希君が去った後、当然のように
愛矢君も家にやって来た。
愛矢「コレ、お婆様が作ったスイカだよ」
田形「ありがとうございます」
愛矢「それとね、明日花火大会ある事知ってる?」
そりゃ、花火大会なんてビッグイベント
胸ドキ展開しかけてきますわなと知らないと答えた。
愛矢「花火大会、僕と一緒にいてくれないか?」
ポッと頬を染めた愛矢君。
遂にどっちか選ばないといけない段階まで来たかと
私が選ばなかった方を考えると胃がキリキリする。
愛矢「明日の16時港で待ってるよ」
そう言って帰って行った愛矢君。
田形「そんな重責を担えないッ」
グシャッ
田形「あぁっスイカが!」
私はスイカを落とし、嘆き苦しみ
夜も眠れないまま、花火大会の日になってしまった。
タイムリミットは、16時…
それまで私はトイレに籠る事にした。
田形「なんとか出来ないだろうか」
恋愛ゲーム好きの神様は、
滅茶苦茶迷惑なヤツだなと
なんでも教えてくれるパラっちょから
その神が祀られている祠の場所は教えてもらっていた。
田形「祠壊せば、解放とか無いのかな」
タスク「そんな罰当たりな事したら、
駄目だよ」
タスク君がトイレの窓から顔を覗かせている。
田形「変態だよ」
タスク「用足してるわけじゃないから、
セーフだよね」
田形「どんどん図々しくなんね」
タスク「ほら、お腹痛い訳じゃ無いなら
トイレから出て来なよ」
仕方ないなと、トイレから出ると
足早過ぎだろとタスク君が家に入って来ている。
タスク「ステちゃんから、浴衣借りて来たよ。
こっちが波希君、こっちが愛矢君の好みなんだって」
タスク君はドヤ顔で
水色の浴衣と赤い浴衣で持っている。
タスク「相手決めた?」
本当に決断の時らしいが、
私は浴衣に手を伸ばさず
虫刺されを手にした。
田形「いや、祠壊しに行こうかなって」
タスク「駄目だよ」
田形「私は波希君と愛矢君のどっちかを
孤独死にさせる重責に耐えられないから」
タスク「そんな我儘通じないよ。
どちらかを選ばないと駄目だから…
それに、祠壊すなんて事したら、
島自体が崩壊するかもしれないよ」
田形「規模でかいから、分かんない!」
私は時計を目にすると現在14時半。
決断まで残り1時間半…
田形「とにかく、祠に行ってみるわ」
タスク「本気で行くの?」
田形「神様に頼んでくるよ」
私は全身に虫除けスプレーをかけ、
外に出た。
田形「あっそうだ!」
~
祠までは、想像以上に過酷な道のりだった。
田形「ぜぇ…はぁ…」
いつの間に約束の時間は過ぎ、
花火大会も始まっていて
後ろでは、打ち上げ花火が上がっている。
田形「2人ともごめんよ」
タスク「2人との約束を破ってまで、
こんな所に来るなんて…ヒロインとして失格だよ」
田形「私ゃー、ヒロインの器じゃないよ」
私の後に居るタスク君は息切れ一つせず、
楽々と山を登っている。
田形「見えた…」
最後の崖を上り、遂に祠前まで来た。
タスク「本気で壊す気?」
田形「そこまではしないけど、
コレを持ってきた」
私は家から出た時に、打開策を閃いていた。
タスク「何?」
田形「コレだよ、コレ」
懐に潜ませていたゲーム機と
【どうぶつの国】のソフトを出した。
タスク「え?」
田形「コレはね、オープンワールドで
動物を自分の国に招いて、
独立国家を築くゲームだよ」
私はゲーム機を掲げ、祠に置いた。
田形「神よ!
恋愛ゲームよりも、こっちの方が面白いですよ!
どうか、何卒お願いします!」
滅茶苦茶な神頼みをすると
隣に居たタスク君は
ホタルイカの如く光を放った。
タスク「おっもしろそー!!!」
田形「まぶしッ目痛ッ」
花火大会あんの知ってるか?」
部屋で蚊に刺されたところをかいている時に
波希君に話掛けられた。
田形「知らなかったよ」
波希「まじかよ」
田形「まじだよ」
ちょこちょこ猪狩り、木登り、素潜りと
野生児過ぎる遊び?に誘われて来たが、
遂にちゃんとした島の行事が始まるのかと安堵した。
波希「俺と行かね?」
照れ臭そうに頭をかきながら誘われるが、
ここ2階なんだけどなと、屋根の上にいる波希君に
どんな身体能力してんだよと思う。
波希「じゃっ、明日の16時。
神社の前集合な!」
颯爽と屋根から落ちて行った波希君。
田形「どんな身体能力してんだよっ!」
~
波希君が去った後、当然のように
愛矢君も家にやって来た。
愛矢「コレ、お婆様が作ったスイカだよ」
田形「ありがとうございます」
愛矢「それとね、明日花火大会ある事知ってる?」
そりゃ、花火大会なんてビッグイベント
胸ドキ展開しかけてきますわなと知らないと答えた。
愛矢「花火大会、僕と一緒にいてくれないか?」
ポッと頬を染めた愛矢君。
遂にどっちか選ばないといけない段階まで来たかと
私が選ばなかった方を考えると胃がキリキリする。
愛矢「明日の16時港で待ってるよ」
そう言って帰って行った愛矢君。
田形「そんな重責を担えないッ」
グシャッ
田形「あぁっスイカが!」
私はスイカを落とし、嘆き苦しみ
夜も眠れないまま、花火大会の日になってしまった。
タイムリミットは、16時…
それまで私はトイレに籠る事にした。
田形「なんとか出来ないだろうか」
恋愛ゲーム好きの神様は、
滅茶苦茶迷惑なヤツだなと
なんでも教えてくれるパラっちょから
その神が祀られている祠の場所は教えてもらっていた。
田形「祠壊せば、解放とか無いのかな」
タスク「そんな罰当たりな事したら、
駄目だよ」
タスク君がトイレの窓から顔を覗かせている。
田形「変態だよ」
タスク「用足してるわけじゃないから、
セーフだよね」
田形「どんどん図々しくなんね」
タスク「ほら、お腹痛い訳じゃ無いなら
トイレから出て来なよ」
仕方ないなと、トイレから出ると
足早過ぎだろとタスク君が家に入って来ている。
タスク「ステちゃんから、浴衣借りて来たよ。
こっちが波希君、こっちが愛矢君の好みなんだって」
タスク君はドヤ顔で
水色の浴衣と赤い浴衣で持っている。
タスク「相手決めた?」
本当に決断の時らしいが、
私は浴衣に手を伸ばさず
虫刺されを手にした。
田形「いや、祠壊しに行こうかなって」
タスク「駄目だよ」
田形「私は波希君と愛矢君のどっちかを
孤独死にさせる重責に耐えられないから」
タスク「そんな我儘通じないよ。
どちらかを選ばないと駄目だから…
それに、祠壊すなんて事したら、
島自体が崩壊するかもしれないよ」
田形「規模でかいから、分かんない!」
私は時計を目にすると現在14時半。
決断まで残り1時間半…
田形「とにかく、祠に行ってみるわ」
タスク「本気で行くの?」
田形「神様に頼んでくるよ」
私は全身に虫除けスプレーをかけ、
外に出た。
田形「あっそうだ!」
~
祠までは、想像以上に過酷な道のりだった。
田形「ぜぇ…はぁ…」
いつの間に約束の時間は過ぎ、
花火大会も始まっていて
後ろでは、打ち上げ花火が上がっている。
田形「2人ともごめんよ」
タスク「2人との約束を破ってまで、
こんな所に来るなんて…ヒロインとして失格だよ」
田形「私ゃー、ヒロインの器じゃないよ」
私の後に居るタスク君は息切れ一つせず、
楽々と山を登っている。
田形「見えた…」
最後の崖を上り、遂に祠前まで来た。
タスク「本気で壊す気?」
田形「そこまではしないけど、
コレを持ってきた」
私は家から出た時に、打開策を閃いていた。
タスク「何?」
田形「コレだよ、コレ」
懐に潜ませていたゲーム機と
【どうぶつの国】のソフトを出した。
タスク「え?」
田形「コレはね、オープンワールドで
動物を自分の国に招いて、
独立国家を築くゲームだよ」
私はゲーム機を掲げ、祠に置いた。
田形「神よ!
恋愛ゲームよりも、こっちの方が面白いですよ!
どうか、何卒お願いします!」
滅茶苦茶な神頼みをすると
隣に居たタスク君は
ホタルイカの如く光を放った。
タスク「おっもしろそー!!!」
田形「まぶしッ目痛ッ」
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