ムーゲ島

なゆか

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エピローグ

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家に着いたのは、18時過ぎ。
普通に考えて、今から夏休みの宿題終わらせるのは
多分無理だ。

田形「夢のような夏休みだったのに、
夢から覚めたら、こんな地獄とはな」

ノータッチで提出なんてしたら
担任になんて言われるか…

でも、長旅で疲れたし
ちょっとくらい寝てもいいよねと
目を閉じ、再び開けた時の日付は9/1。



学校にて、宿題に手を付けてなかった為
担任に怒られ、後日提出しろと
期限を延ばしてもらえた。

結局、ムーゲ島って何だったんだろうと
母に聞くが、遠縁過ぎてよく分からないと言われた。

田形「遠縁過ぎてよく分からないところに、
何を目的で行かせたんだよ」

父「何だろな、島の救世主?」

田形「え、お父さん。
ムーゲ島の事知ってたの?」

父「ゲーム好きなタスク君が居る島だろ?
お父さんが小さい時も、タスク君と会ってて」

田形「ま…まじで?」

とんでも新事実だった。

父「その時にお母さんと出会ったんだ」

田形「なら、お母さんはムーゲ島出身って事?
それなのに、何で知らないフリしてんの?」

父「島での記憶が無くなったとか言ってたけど、
生活に支障無いし、久和もここまで育ってるし
まぁ、いいだろ」

田形「いいの⁈」

謎多き特殊な島…
それがムーゲ島だったのか…

父「それで、宿題やってないんだったよな」

田形「やりますやります!」

多分、もう行く事は無いだろう…



それから、1年後…

目の前に広がる海原。
灼熱の太陽。

ここは、ムーゲ島。

田形「予感はしてたようなしてないような」

タスク「このゲーム、
一年で飽きちゃったんだ。
やっぱり、僕は恋愛ゲームが好きなんだ」

田形「自分で恋愛しなよ」

タスク「僕はしないよ」

田形「何で?」

タスク「観るのが楽しいから」

田形「巻き込まれた人の身にもなれよ」

タスク「物足りないよ」

田形「知らないよ!」

タスク「お姉さんは、この夏休みで
また新しい恋が始まるんだ」

田形「そんな都合良く切り替え出来ないし、
そもそも、去年だって恋してないし
夏休みの宿題終わらなくて怒られたし」

タスク「今年は、5人用意したよ」

田形「宿題の話、スルーしないでよ。
そんなホイホイ男子集めるとか
どんな原理だよ」

タスク「神だもん」

田形「その一言ですませんな。
少子化問題的には、
子供が多いのは良い事だけどさ」

タスク「つべこべ言わずに、
今年こそは恋をして、青春を謳歌してね」

田形「無理ゲーだな」

そして、この夏も
また、プロローグが始まった。
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