色んなストーカー

なゆか

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第三者

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有栖「お願いがあるの」

クラス1…いや、学年…いやいや、学校1可愛い
有栖にうるうるした瞳で手を握られた。

谷崎「うへへ、何でも言ってくれたまえ!」

有栖「何でもって言ったね」

そして、俺は有栖にあるお願いをされた。



バンッ

谷崎「ヘイヘイヘーイッ!益屋!」

益屋「…谷崎君」

教室の隅で、毎日分厚い本を読んでいる
瓶底眼鏡で前髪が長い益屋が顔を上げた。

谷崎「俺と仲良くなろーぜ!」

益屋「お断りするよ、君と僕は住む世界が違うから」

谷崎「住む世界って、同じ日本で
こうやって同じ教室にいるではないか!」

益屋「いや、そういう意味では無くて
君は明るいクラスのムードメーカー、
僕は暗いクラスの透明人間」

谷崎「透明人間?
すげーじゃん、女子シャワー室覗き放題」

益屋「…はぁ」

俺が有栖からお願いされた事、それは…

谷崎「そんでさ、益屋って
有栖のストーカーなんだって?」

益屋「…ぇ」

谷崎「ちゃんと、本人に聞いてるからな」

有栖は、益屋にストーカーされてるから
俺に助けて欲しいと言ってきた。

谷崎「確かに有栖は滅茶苦茶可愛いけどよ、
いくら好きだからって有栖が嫌がる事したら駄目だろ」

そういうと、益屋は本を握り締めて震え出した。

谷崎「分かったか?」

益屋「…僕はストーカーなんてしてない、
そもそも、有栖さんに好意なんてない」

言い訳して往生際悪いなと、
俺は益屋から本を取り上げた。

益屋「分かってる…信じないって、
だけど、僕は有栖さんなんて好きじゃない」

瓶底眼鏡+長い前髪で顔がよく見えない為
俺は眼鏡を取り、前髪をかき分けた。

谷崎「おぉ、そんな顔してんなら
益屋の言い分信じるぞ!」

益屋は、この前読んだ漫画みたいに
素顔がすっげー美形って感じだった。

有栖さんは確かに可愛いけど、
こんな顔面してる益屋にちょっかい出す為に
俺を利用したんだろうなと、思うレベルで
益屋は美形だ。

益屋「ぇ、信じるって」

谷崎「なんか、アレだろ!
実は有栖側から益屋がストーカーされてるって
パターン」

益屋「…どうして、そこまで」

俺の予想は大正解のようで、
益屋は驚いている。

谷崎「そういうの読んだんだ」

益屋「読んだ?」

谷崎「昨日、図書室で自習だったろ?」

益屋「…確かにそうだけど」

谷崎「おすすめの棚んとこに、
漫画置いてあってよ」

暇潰しで手に取った漫画がストーカーモノで
それが今まさに益屋に起きてる事が描かれていた。

谷崎「コレはどんでん返しだって、
ピンと来たわけよ」

益屋は呆れてため息を吐いた後、笑った。

益屋「僕と仲良くしてくれる?」

谷崎「おぅ!
有栖から守ってやるよ」



有栖「…え…何言ってるの谷崎君」

俺は下校前の有栖を呼び止め、
益屋との事を話すと、すっげー困惑した。

谷崎「という事で、益屋にストーカーとか、
なんかしたら駄目だからな」

俺はじゃあと、有栖の前から立ち去ろうとしたが
腕を掴まれる。

有栖「ちょっと待ってよ!
意味が分からないよ、私が益屋君のストーカって
どう言う事?私の事信じてくれないの?」

うるうるした目で俺を見上げてくる有栖。

谷崎「そうやって今まで
色んな奴騙してきたんだろ?
益屋が言ってたよ、今まで有栖のせいで
虐めとか、暴力とか振るわれてきたって」

今、益屋が瓶底眼鏡で前髪長くして
息潜めてる理由は、有栖から目立つなと
強要されてるようだった。

谷崎「俺は騙されませーん」

有栖「…そ…そんな嘘を信じたの?」

谷崎「嘘ついてんのは、有栖だろ」

有栖「嘘なんかじゃないよ、
私は本当に益屋君に付き纏われてて」

有栖は泣き出したが、
泣き落としも俺には通じないぞと
有栖の手を振り解く。

谷崎「じゃあ」

俺は再び去ろうとするが、今度は背中に抱きつかれ
おっぱいを押しつけられる。

有栖「益屋君が言ってる事は嘘だよ!
私の事、信じてよ…谷崎君」

谷崎「色仕掛けされても、
有栖の本性知ってるからそれも通じんぞ」

そう言って再び引き剥がすと、
有栖は唇を噛み締めている。

有栖「根拠があれば信じてくれる?
なら、証拠持ってくるから」

谷崎「自作自演はすぐ分かるからな」

有栖はまた唇を噛み締めて、
去って行った。



有栖が去った後、俺は教室に戻ると
すぐに益屋に声を掛けられた。

益屋「…有栖さんに何かした?」

谷崎「ん?益屋のストーカー止めろって
言ってやったけど」

益屋「それでなんて言われた?」

谷崎「益屋にストーカーされてる証拠
持ってくるってさ」

益屋「…へぇ、谷崎君はそれを信じるの?」

谷崎「どんなもん、持って来んのか
分かんねーけど、見るだけ見るよ」

益屋「谷崎君は僕の事信じてくれるよね」

益屋は俺の手を握り、
うるうるした目で俺の事を見ている。

谷崎「今のお前、有栖みたいだぞ」



次の日

ガタン

有栖「谷崎君!」

有栖は俺の机に箱を置いた。

谷崎「おっ早速持って来たのか」

有栖「コレは毎日送られて来る手紙、
ほら、筆跡が益屋君と同じでしょ?
それにこの写真、ここをアップすると
益屋君の顔が反射して見えるよね」

谷崎「そんな勢い良く来られても
自作なんじゃないのか?
昨日益屋に、有栖からのストーカー被害の
証拠見せられたけど、この真逆だったからな」

有栖の箱の中身は、益屋からっていう
手紙やら、写真、他にも隠しカメラ映像とかあったが
この逆パターンを昨日益屋に見せられていた。

有栖「私の証拠には、信憑性が無いって事?」

谷崎「まぁ、コレとか明らか合成って感じするし」

有栖「合成なんかじゃない」

谷崎「とりあえず、言い訳はいいから」

有栖「言い訳なんかじゃないのに、
本当に私は益屋君から…
谷崎君はどうしたら、私の事信じてくれるの?」

有栖の手は震えていて、また泣き出した。

谷崎「だから、朝から泣かれても、
泣き落としは通じんからな!」

そして…



益屋「有栖さん、証拠持って来たんだって?
みんな嘘だったでしょ、僕の事信じてくれるよね」



有栖「谷崎君が信じてくれるなら
何でもするッ…だから、私の事信じてよ!
嘘に騙されないで!」



益屋「色仕掛けされた?
そんなあからさまな誘惑に騙されないよね?」



有栖「どうしたら、信じてくれるの…
この証拠だって嘘じゃないのに…
信憑性が無いなんて、言わないでよ」



毎日のように自分を信じてよ合戦をされ、
俺は疲れていた。

最初は、有栖が益屋からストーカー被害されていると
言われて信じたが、それはすぐに逆転した。

そこから、お互いのストーカー被害の証拠を
見せられて、合成だの信憑性だの…
どっちが真実でどっちが嘘なのか、
情報量が多過ぎて、頭がめちゃめちゃだ。

というより、もう面倒くさい。

確実にどちらかは嘘をついていて、
自分が本当だと2人は譲れないんだろうが、
最近まじでずっと、
この2人からのストーカー被害話しに
俺は時間を割かれ、まじで鬱陶しい。

当事者以外の証人が居れば解決するかもと言えば、
お互いどっから仕込んだんだか、証人を連れて来て
俺を信じ込ませようと必死だった。

谷崎「お前らさー、お互いに
信じて欲しい奴に信じてもらえよ。
俺はどっちが嘘ついてんのとか
もう判断出来ねーから」

有栖「駄目だよ、私を信じて」

右には有栖。

益屋「何を言ってるの、僕の事信じてくれるよね?」

左には益屋。

谷崎「…はぁ、いい加減にしろよ」

これ以上、どうする事も…
いや、どうしたいとかすら思えない。
俺、第三者だしなー…
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