色んなストーカー

なゆか

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睡眠と香り

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私はストレスにより、
寝付きが悪く、睡眠も浅く
毎日、疲れていた。

夜、目を閉じると思い出すストレスの原因。

会社では上司から仕事を押し付けられ、
愚痴しか言わない同期の対応、
やる気のない後輩の指導…

プライベートでも、
親からの結婚の催促、結婚し子供が出来て
幸せだという友達達からのマウント…

疲れた…
癒しの一つもない…

私は今日もただ目を閉じ、
自身が眠るのを待った。



目に日差しが入り、起き上がる。

バサッ

「…あれ」

やけに身体が軽く、頭もすっきりしている。

「今日…ちゃんと寝れたんだ」

目覚めが良く起きれたのは、何年振りだろう。

目覚めた時間も、家を出る3時間も前で
朝をゆっくりする事が出来た。

睡眠の大切さを感じる、今夜も寝れたらいいなと
家を出る時、知らない香りが鼻をかすめた。

「ん?」

まぁいいかと、私はまたストレスを溜めに
会社へ向かった。





「どうか…眠れますように」

私は目を閉じ、布団を被ると
今朝感じた香りに包まれた。

「…何だろ」

洗剤やシャンプー、ボディソープなど
種類を変えていないし、アロマや香水もしていない。

でも、心地良く感じる香りに私は再び目を閉じた。



「ん…よく寝た」

また、目覚めが良く起き上がると、
知らない香りに包まれたままだった。

「何の香りだろ…」

そう疑問に思いつつも、朝をゆっくりして
ストレスを溜めに会社へ向かう。



それから、毎日の疲れは睡眠で癒し
ストレス発散しながら生活を送っていた。

上司「明日から新卒が来るんで、
教育係をやれ」

「…え、私既に何人かを」

上司「3人も4人も変わらんだろ」

私の反論を聞いてもらえず、
やる気のない後輩達に加えて、一から業務説明を
しなければいけない新卒の教育かと
自分の仕事が手につかなさそうだなと
仕方なく、私は新卒の子を受付に
迎えに行く事にした。



須貝「ほ…本日からお願いしま…っ…いたします」

受付に行くなり、私に辿々しく頭を下げた
新卒の須貝君。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

須貝「いっいえ、俺…いや、僕は」

こんなに焦る事ないのに、
たくさん汗をかいている須貝君は
自分のポケットを漁り出した。

「ハンカチ忘れたの?」

須貝「ぼっ…僕汗っかきでして…
気持ち悪いですよね…すみません」

「気持ち悪いなんて思わないよ。
ほら、今日朝から暑かった訳だし」

須貝「すっすみません」

「そんなに謝らなくても…
ティッシュなら持ってるけど」

私はティッシュを渡すと、
須貝君は何度も私に頭を下げ
ティッシュで汗を拭き出した。

「もう少し落ち着いてから、事務所の方に行く?」

須貝「だっ…大丈夫です…ありがとうございます」

「それなら行こっか。
ここにカードキーを認識させて」

私は須貝君に会社の入り方を教えながら、
エレベーターに乗り込みドアを閉めると、
ふわっと、いつもの香りが鼻にかすめた。

「え?」

須貝「ど…どうかされましたか?」

「いや…」

その香りは、どんどんエレベーター内に
広がっていく。

須貝「大丈夫ですか?」

須貝君の手が私の背中を摩った。

須貝「今夜もきっと寝れますからね」

「…え」

須貝「体調悪いですか?」

私は顔を上げると須貝君が
心配そうな顔をしている。

今のは幻聴?
須貝君は言った訳じゃない?

この香りの根源は、きっと須貝君だ。

須貝「大丈夫ですか?」

私の背中を摩り続ける須貝君の手の感触も
嫌な気は全くしなくて、
何故かとても心地が良い。

「須貝君」

須貝「…はい」

「これからも、よろしくね」

須貝「よろしくお願いいたします」
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