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かくれんぼ
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幼馴染のあずさは、
かなりの構ってちゃんである。
何でもかんでも報告して来て、
面倒くさいと、放って置くと
リスカしたり、死ぬと喚き散らしたりする。
あずさ「かくれんぼ?」
「そうそう、かくれんぼしよっか」
あずさ「中学生にもなって、
かくれんぼなんて」
「この歳だからこそ、やりたいんだよね。
私が鬼で、あずさが隠れてよ」
あずさ「分かったよ」
あずさとのかくれんぼが始まり、
私はあずさを探さないまま、
引っ越しの車に乗り込んだ。
そして、9年が経過した。
~
私は大学を卒業し、就職先に近い
アパートを借りる事にした。
そこから、更に3年。
私は転職する為に、また次の就職先の近くに
部屋を借りて、今のアパートを引っ越した。
更に、2年。
私は、アパートの更新毎に
次のアパートに越す様になった。
職場も住まいも転々とするのには、
ちゃんと理由がある。
ガラッ
「またか…」
部屋に帰ると、朝確実に閉めた筈の
窓の鍵が開いている。
コレで、部屋を荒らされ
金目のモノが無くなっているなら
空き巣が入ったと警察を呼べるのだが、
ただ、窓の鍵が開いているだけで
物が無くなったりはしていない。
何の目的で、部屋に侵入してるんだと
窓の鍵を閉め、ベットに倒れ込む。
ゴリッ
いつものベットの感触ではなく、
明らかに人の感触がして、すぐに起き上がり
布団を捲ると不潔そうな女が居た。
あずさ「見つかっちゃった」
「あ…あずさ⁈」
十数年会ってなかったのに
どんな見た目をしてようと顔を見た瞬間に
あずさだと分かり、かくれんぼの事を思い出した。
あずさ「かくれんぼの探す側なんだから、
驚かないでよ」
「今まで、私の部屋に不法侵入してたのって」
あずさ「私だよ。
不法侵入って心外だな~、かくれんぼじゃん」
「何年前の話ししてんの…」
あずさ「見つけてもらうまで、ずっと隠れてたから
覚えてないよー、でも酷いよね!
かくれんぼ終わってないのに、
どんどん引っ越しちゃうんだもん。
いちいち、隠れる場所探すの大変だったんだから!」
普通に意味分からなさ過ぎて、怖い。
「…まさかと思うけど、
ずっとやってた?」
あずさ「うん」
「十数年も経ってるのに?」
あずさ「当たり前でしょ、終わってないんだから」
この十数年あずさが
ずっとそばに居たんだと分かり、
全身に鳥肌が立つ。
あずさ「じゃ、次は私が探す番ね」
「いや、やらないから!」
警察呼ぶか?
いや、呼んだら呼んだでヤバそうな気がする。
「謝るから…」
あずさ「10数えるね!」
「あずさ」
あずさ「10ー、9ー、8ー」
人の話を全く聞こうとしないあずさは
顔を伏せて、カウントを始まる。
「引っ越す事を詮索されたくなくて、
かくれんぼって、嘘ついて別れたの」
あずさ「7ー、6ー、5ー」
「だから…嘘ついてごめん」
あずさ「43210」
あずさは、顔を上げた。
あずさ「見つけた、じゃあ私が隠れる番ね」
怒ってるんだ…
あの時、ちゃんと説明しておけば
こんな事にならなかった。
あずさは、棚によじ登り
手で、天井を摩り出した。
「あずさッ
本当にごめん、私…あずさの事が嫌で」
あずさ「見てたら駄目じゃん。
目閉じないと」
ガコ…
あんな所開くのか…
あずさは天井裏に入ってしまった。
「…かくれんぼなんて、
提案するべきじゃなかった」
かなりの構ってちゃんである。
何でもかんでも報告して来て、
面倒くさいと、放って置くと
リスカしたり、死ぬと喚き散らしたりする。
あずさ「かくれんぼ?」
「そうそう、かくれんぼしよっか」
あずさ「中学生にもなって、
かくれんぼなんて」
「この歳だからこそ、やりたいんだよね。
私が鬼で、あずさが隠れてよ」
あずさ「分かったよ」
あずさとのかくれんぼが始まり、
私はあずさを探さないまま、
引っ越しの車に乗り込んだ。
そして、9年が経過した。
~
私は大学を卒業し、就職先に近い
アパートを借りる事にした。
そこから、更に3年。
私は転職する為に、また次の就職先の近くに
部屋を借りて、今のアパートを引っ越した。
更に、2年。
私は、アパートの更新毎に
次のアパートに越す様になった。
職場も住まいも転々とするのには、
ちゃんと理由がある。
ガラッ
「またか…」
部屋に帰ると、朝確実に閉めた筈の
窓の鍵が開いている。
コレで、部屋を荒らされ
金目のモノが無くなっているなら
空き巣が入ったと警察を呼べるのだが、
ただ、窓の鍵が開いているだけで
物が無くなったりはしていない。
何の目的で、部屋に侵入してるんだと
窓の鍵を閉め、ベットに倒れ込む。
ゴリッ
いつものベットの感触ではなく、
明らかに人の感触がして、すぐに起き上がり
布団を捲ると不潔そうな女が居た。
あずさ「見つかっちゃった」
「あ…あずさ⁈」
十数年会ってなかったのに
どんな見た目をしてようと顔を見た瞬間に
あずさだと分かり、かくれんぼの事を思い出した。
あずさ「かくれんぼの探す側なんだから、
驚かないでよ」
「今まで、私の部屋に不法侵入してたのって」
あずさ「私だよ。
不法侵入って心外だな~、かくれんぼじゃん」
「何年前の話ししてんの…」
あずさ「見つけてもらうまで、ずっと隠れてたから
覚えてないよー、でも酷いよね!
かくれんぼ終わってないのに、
どんどん引っ越しちゃうんだもん。
いちいち、隠れる場所探すの大変だったんだから!」
普通に意味分からなさ過ぎて、怖い。
「…まさかと思うけど、
ずっとやってた?」
あずさ「うん」
「十数年も経ってるのに?」
あずさ「当たり前でしょ、終わってないんだから」
この十数年あずさが
ずっとそばに居たんだと分かり、
全身に鳥肌が立つ。
あずさ「じゃ、次は私が探す番ね」
「いや、やらないから!」
警察呼ぶか?
いや、呼んだら呼んだでヤバそうな気がする。
「謝るから…」
あずさ「10数えるね!」
「あずさ」
あずさ「10ー、9ー、8ー」
人の話を全く聞こうとしないあずさは
顔を伏せて、カウントを始まる。
「引っ越す事を詮索されたくなくて、
かくれんぼって、嘘ついて別れたの」
あずさ「7ー、6ー、5ー」
「だから…嘘ついてごめん」
あずさ「43210」
あずさは、顔を上げた。
あずさ「見つけた、じゃあ私が隠れる番ね」
怒ってるんだ…
あの時、ちゃんと説明しておけば
こんな事にならなかった。
あずさは、棚によじ登り
手で、天井を摩り出した。
「あずさッ
本当にごめん、私…あずさの事が嫌で」
あずさ「見てたら駄目じゃん。
目閉じないと」
ガコ…
あんな所開くのか…
あずさは天井裏に入ってしまった。
「…かくれんぼなんて、
提案するべきじゃなかった」
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