推しは別の人

なゆか

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九戸はまた気絶をし、
グッタリした状態でベットに降ろされた。

三田「こんなに弱いのに、
どうして俺に対して
あんな高圧的になれたんだろうね」

三田は九戸の血を指で掬い、
シーツに擦りつけた。

名原「とにかく、推しじゃ無いから」

三田「何度も言い過ぎだよ。
分かってる、推しを守りたいから
そんな事言ってるって事」

名原「…は…違うって」

三田「俺言ったよな。
俺の席から名原さんの事見えてるって
だから、名原さんの視線が
いつもどこに向いてるか分かってた。
俺が九戸君にいじめられてる時も
名原さんは九戸君を見てた」

三田は九戸の首に手を回す。

三田「やっぱ、殺しちゃおうかな」

九戸「かッ…は…」

名原「やめろ」

三田は気絶する九戸の首を締め出した。

九戸「…あがッ…ぁ…」

名原「やめろってば!」

三田「じゃあ、俺に推し変して」

名原「…」

三田が九戸の首から手を放す為には
頷くしか無い。

三田「頷いたね」

三田は九戸から手を離した。

九戸「かはッ…ゴボッ…ゴボッ…ゲホッ」

九戸は咳き込み、ベットの上で吐いた。

三田「名原さんの元推し
汚いな」

名原「…九戸」

九戸「ゲホッ…ゲホッ…」

九戸は目を覚まし、咳き込みながら
自分で出したモノをかき集め
泣き出した。

三田「…行こう、名原さん」

九戸「…ゔッ…ぐす…」

名原「…」

あんなイキがってた九戸が、
この数日間でここまで弱くなった。

九戸「…ゔぅっ…ひっ…」

ベットの上で、涙と鼻水と吐瀉物で
ぐちゃぐちゃになる九戸。

名原「……可愛い」

何だこの愛しい生き物…

三田「…は?…今の推しは俺だよな?」

名原「…やば…可愛い」

イキってるよりも、
可愛さが爆発している。

三田「推し変しないなら、殺しちゃうよ」

三田は怯える九戸に手を伸ばすが、
私はそれを止めることはしなかった。

三田「…え…いいの?
殺しちゃうよ」

九戸「ひっ…や…やだ…」

もっと、怯えた顔が見たい…
泣きじゃくる顔も苦しむ顔も見たい…

三田の存在が九戸の魅力を最大限するんだ。

名原「背中押して良かった」
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