ヒロインのジレンマ

なゆか

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修学旅行当日

私は、いつものメンツと同じ班で
わいわい修学旅行を楽しんでいた。

「男子の部屋いこーよ」

「いいね~」

木谷「どんだけ、男に飢えてんだよ」

私は友達のとどまることの無いテンションの
高さに疲れ果てていた。

木谷「私、明日の体力残す為に寝てるわ」

「ババアじゃん」

木谷「うっさいわ」



私は静かになった部屋で1人
テレビを観ていた。

木谷「修学旅行でテレビ観てるとか、
超有意義」

ガチャッ

木谷「あれ、もう戻って来たの?」

ドアの開く音がして、振り返ると淳太がいた。

淳太の顔を見た瞬間、楽しい修学旅行気分が
台無しになった。

木谷「入ってくんなよ」

私は枕を投げつけようとした途端、
淳太に押し倒された。

木谷「馬鹿ッ…やめろ」

両手を強く握られ、抵抗が出来ない。

淳太「さとッ」

私を押し倒す淳太は泣きそうな顔をしていた。

淳太「…俺ッ…どうしたらいいか
わかんねぇッ」

木谷「…退け」

淳太「俺ッ…茅波と一緒にいても
ずっとモヤモヤしてんだよッ…なんでだよ
ずっと好きでやっと恋人になれたのに」

木谷「早く退けッ…そんな事知らない」

淳太「なんでこんな毎日がつまんねぇんだよッ」

情緒がおかしい淳太は喚きながら
私に言葉をぶつけてくる。

淳太「なぁッ…教えてくれよさとッ」

木谷「知らないッ…」

なんで、こいつは…

冷静になればなる程、嫌な予感しかしない。

淳太「俺は、茅波の事好きなんだよな?」

木谷「そうなんでしょ」

淳太「でも、違う…」

気付かないで…

淳太「…あれ…俺」

本当にやめてくれ…

淳太「さとの事が…」

言うな…やめろ…

茅波「…何してるの…淳太」

ほら、やっぱり来た…

どうやら、またこいつらの恋愛劇に
付き合わされるみたいだ。

ガチャンッ

部屋から飛び出していく茅波。

木谷「追いかけろよ」

淳太「…俺は」

木谷「追いかけろってば」

淳太「さとの事が」

木谷「うるさい聞きたくない」

淳太「…好きなんだ」

木谷「……いい加減にして」

淳太「俺はさとの事が好きなんだよ」

本来なら淳太は茅波を追いかけないと
成り立たない展開なのに、こいつはここに残り
私に告白した。

淳太に、はっきりと好きだと
伝えられてしまった。

木谷「……」

こんな告白して来ても、
結局、茅波とよりを戻すんだ。

木谷「……」

私の事散々振り回して、突き放されるんだ。

木谷「……なんで、私が何したって言うんだよ」

そんなに幸せになっちゃいけないわけ?

死ぬまでこいつらに弄ばれて…

木谷「……ぅッ…」

なんて不幸な人生なんだろう。


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