10 / 11
8
しおりを挟む
私に手を差し伸ばす慎。
コイツの言う幸せは、今後コイツ含め茅波と淳太と
仲良しこよししろって事だろう…
なんだそれ、地獄じゃん。
それに、この手を掴まなかったら、
またややこしい事になりそうな予感がする。
木谷「…はぁ」
私は慎の手を掴む。
慎「僕と幸せになってくれるんだね」
そう微笑む慎の手をすぐに離した。
木谷「嫌だね」
慎「…え」
木谷「何腑抜けた顔してんの?
嫌だって言ってんだろ、そもそも
慎の幸せって何なの?」
慎「それは…みんなと高校卒業して…大学行って
さとちゃんと結婚して…赤ちゃん作って…」
木谷「流れに身を任せて、
出来た子は可哀想な子だね」
慎「な…何を言ってるの?」
信じられないという顔をしているが、
その顔は私がしたいくらいだわと思う。
木谷「お前がいう幸せって、私と子供作る事なわけ?
本気でそう思ってんだったら、子供が可哀想過ぎる」
慎の顔がみるみるうちに歪んでいく。
木谷「そもそも、誰がお前となんて添い遂げるか」
そう言うと肩を思い切り掴まれた。
慎「さっきも言ったよね、僕とさとちゃんは
茅波ちゃんと皆形君が恋人同士になる為の駒なんだよ?
2人が幸せにならないと、僕達は幸せになれないんだ。
だから、僕は…さとちゃんの事を思って
幸せになろうって言ってるのに、
どうして、僕の手を離すの?
僕はさとちゃんの言動、行動の理解が出来ないよ。
さとちゃんは、幸せになりたくないの?」
慎が、怒っているのは伝わってくるが
コイツの幸せの前提が理解出来ない。
木谷「あの2人のせいで不幸だと思ってんなら、
これ以上関与しなければいいじゃん。
私は幼馴染って縛り…呪縛?があるから、
あっちから巻き込んでくるけど、
慎は元々部外者でしょ」
慎「…そ…それは」
木谷「私よりも、この環境?から逃げられる可能性
あんだから逃げればいいじゃん」
慎「…」
慎は黙った。
木谷「私は慎が羨ましいよ」
私は黙る慎を引き剥がし、部屋に戻った。
~
朝っぱらから、最悪だったなと
部屋の前に着くと隣の部屋の扉が開いた。
茅波「さとちゃん」
木谷「…はぁ、たたみ掛けてくるのか」
茅波は、よく見せてくる罰そうな顔をして
ドアを閉めた。
茅波「さとちゃん、あのね」
木谷「話したく無い」
茅波「私はさとちゃんと話したいんだ」
木谷「なんでも自分の思う通りになると思うな」
私はドアノブに手を掛けるが、腕を掴まれる。
茅波「さとちゃん!
私の事避けてないでよ」
木谷「…」
そう言えば、茅波が疎ましくて
慎と別れた以降、正面切って話す事を
避けてたなとドアノブから手を離す。
茅波「さとちゃん」
木谷「分かった」
~
何でここなんだよと、
着いた先は女風呂の脱衣所。
木谷「で、話しって何」
まぁ、淳太の事だろうが
とりあえず、聞いてみる事にした。
茅波「…あの…ね…ッ…うぅ」
話したいって言って来たのに、
茅波は泣き始めた。
木谷「私に泣き落とし?
そんな調子なら、部屋戻るから」
今更、こんなん通用すると思ってんのかよと
私は突き放す。
茅波「ごめん…ごめんね…さとちゃん…」
木谷「それは、何の謝罪?」
茅波「私が…さとちゃんの事ッ…怒らせちゃったから…」
ポタポタと涙を流している茅波。
茅波「避けられてて…ぅう…私…それが、辛くて…
私は…さとちゃんと仲直りしたくて…」
仲直りって、何だよと思う。
木谷「私がお前を避ける理由分かってる?」
茅波「お…お前なんて…言わないでよぉ…
昔みたいに…」
木谷「昔みたいに?」
茅波「仲良くしてよ…」
木谷「無理でしょ」
何の迷いもなく応えた。
茅波「無理なんて…言わないでよ」
木谷「いや、無理無理。
なんで仲直りなんて出来ると思ってんのか
謎過ぎるわ」
茅波の涙は流れ続けているが、
そんなんどうでも良い。
茅波「そんな…言い方しないでよ…
私だって…悩んで」
木谷「へぇ、悩んだんだ」
茅波「慎君と付き合って…やっぱり、
私は淳太の事が好きなんだって…分かって」
木谷「あのさー、その前の段階飛ばすなよ」
茅波「…え?」
木谷「まぁ、お前だけに非があるとまでは
言わないけど、私が慎と付き合ってたの
知らないわけないよね?」
茅波「そっそれは」
木谷「覚えてる?
お前さ、それ踏まえて私相手に、
慎の事が~って宣戦布告して来たじゃん」
茅波「宣戦布告なんて…」
木谷「なら、アレは何だったの?
人の彼氏の事好きだって、普通本人に言う?
お前の頭お花畑ってか、腐ってんだろ。
そんなやばい奴と仲直りとか無理だわ」
茅波「…」
木谷「という事なんで、戻るわ」
私は言いたい事言ったし、
ここまで言ったら、もう近づいてこないだろうと
黙りこくる茅波を放置し、脱衣所を後にした。
コイツの言う幸せは、今後コイツ含め茅波と淳太と
仲良しこよししろって事だろう…
なんだそれ、地獄じゃん。
それに、この手を掴まなかったら、
またややこしい事になりそうな予感がする。
木谷「…はぁ」
私は慎の手を掴む。
慎「僕と幸せになってくれるんだね」
そう微笑む慎の手をすぐに離した。
木谷「嫌だね」
慎「…え」
木谷「何腑抜けた顔してんの?
嫌だって言ってんだろ、そもそも
慎の幸せって何なの?」
慎「それは…みんなと高校卒業して…大学行って
さとちゃんと結婚して…赤ちゃん作って…」
木谷「流れに身を任せて、
出来た子は可哀想な子だね」
慎「な…何を言ってるの?」
信じられないという顔をしているが、
その顔は私がしたいくらいだわと思う。
木谷「お前がいう幸せって、私と子供作る事なわけ?
本気でそう思ってんだったら、子供が可哀想過ぎる」
慎の顔がみるみるうちに歪んでいく。
木谷「そもそも、誰がお前となんて添い遂げるか」
そう言うと肩を思い切り掴まれた。
慎「さっきも言ったよね、僕とさとちゃんは
茅波ちゃんと皆形君が恋人同士になる為の駒なんだよ?
2人が幸せにならないと、僕達は幸せになれないんだ。
だから、僕は…さとちゃんの事を思って
幸せになろうって言ってるのに、
どうして、僕の手を離すの?
僕はさとちゃんの言動、行動の理解が出来ないよ。
さとちゃんは、幸せになりたくないの?」
慎が、怒っているのは伝わってくるが
コイツの幸せの前提が理解出来ない。
木谷「あの2人のせいで不幸だと思ってんなら、
これ以上関与しなければいいじゃん。
私は幼馴染って縛り…呪縛?があるから、
あっちから巻き込んでくるけど、
慎は元々部外者でしょ」
慎「…そ…それは」
木谷「私よりも、この環境?から逃げられる可能性
あんだから逃げればいいじゃん」
慎「…」
慎は黙った。
木谷「私は慎が羨ましいよ」
私は黙る慎を引き剥がし、部屋に戻った。
~
朝っぱらから、最悪だったなと
部屋の前に着くと隣の部屋の扉が開いた。
茅波「さとちゃん」
木谷「…はぁ、たたみ掛けてくるのか」
茅波は、よく見せてくる罰そうな顔をして
ドアを閉めた。
茅波「さとちゃん、あのね」
木谷「話したく無い」
茅波「私はさとちゃんと話したいんだ」
木谷「なんでも自分の思う通りになると思うな」
私はドアノブに手を掛けるが、腕を掴まれる。
茅波「さとちゃん!
私の事避けてないでよ」
木谷「…」
そう言えば、茅波が疎ましくて
慎と別れた以降、正面切って話す事を
避けてたなとドアノブから手を離す。
茅波「さとちゃん」
木谷「分かった」
~
何でここなんだよと、
着いた先は女風呂の脱衣所。
木谷「で、話しって何」
まぁ、淳太の事だろうが
とりあえず、聞いてみる事にした。
茅波「…あの…ね…ッ…うぅ」
話したいって言って来たのに、
茅波は泣き始めた。
木谷「私に泣き落とし?
そんな調子なら、部屋戻るから」
今更、こんなん通用すると思ってんのかよと
私は突き放す。
茅波「ごめん…ごめんね…さとちゃん…」
木谷「それは、何の謝罪?」
茅波「私が…さとちゃんの事ッ…怒らせちゃったから…」
ポタポタと涙を流している茅波。
茅波「避けられてて…ぅう…私…それが、辛くて…
私は…さとちゃんと仲直りしたくて…」
仲直りって、何だよと思う。
木谷「私がお前を避ける理由分かってる?」
茅波「お…お前なんて…言わないでよぉ…
昔みたいに…」
木谷「昔みたいに?」
茅波「仲良くしてよ…」
木谷「無理でしょ」
何の迷いもなく応えた。
茅波「無理なんて…言わないでよ」
木谷「いや、無理無理。
なんで仲直りなんて出来ると思ってんのか
謎過ぎるわ」
茅波の涙は流れ続けているが、
そんなんどうでも良い。
茅波「そんな…言い方しないでよ…
私だって…悩んで」
木谷「へぇ、悩んだんだ」
茅波「慎君と付き合って…やっぱり、
私は淳太の事が好きなんだって…分かって」
木谷「あのさー、その前の段階飛ばすなよ」
茅波「…え?」
木谷「まぁ、お前だけに非があるとまでは
言わないけど、私が慎と付き合ってたの
知らないわけないよね?」
茅波「そっそれは」
木谷「覚えてる?
お前さ、それ踏まえて私相手に、
慎の事が~って宣戦布告して来たじゃん」
茅波「宣戦布告なんて…」
木谷「なら、アレは何だったの?
人の彼氏の事好きだって、普通本人に言う?
お前の頭お花畑ってか、腐ってんだろ。
そんなやばい奴と仲直りとか無理だわ」
茅波「…」
木谷「という事なんで、戻るわ」
私は言いたい事言ったし、
ここまで言ったら、もう近づいてこないだろうと
黙りこくる茅波を放置し、脱衣所を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる