完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode1 マッチングアプリで育成ターゲットをロックオンしました

予想外? いいえ、想定内です! (一華side)⑤

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 そう言えば、まだ自己紹介していなかったと名刺に手をかけた一華に、水島が弾んだ声で提案してきた。

「お腹空いていませんか? 俺ぺこぺこで。良かったら食べながらお話しませんか?」
「そうしましょう」と相槌を打ちながら、慌てて名刺を戻す。二回目のデートを考えられない相手に、わざわざ自分のことを詳しく教える必要は無いと気づいた。

 危ない危ない。
 仕事で培われた条件反射で、無意識に名刺を渡してしまうところだったわ。気をつけないと。


 一つしかないメニュー表をさっさと広げた水島。素早く目を通している。
 よっぽどお腹が空いているのだろうとぼんやりと見つめていた一華の目の前に、文字の向きを合わせたメニュー表が差し出された。

「あ、ありがとうございます」

 目を見開いて礼を言う一華に、覆いかぶさった前髪の奥からニコリと微笑んだ水島。

「何が食べたいですか? 日替わりランチだとここからサイドメニューが選べるみたいですよ。単品が良かったらこのページ」
 メニューの見方まで説明してくれる。
 
 え! 何、この気配り。なんか意外なんですけれど。

 胸の奥がきゅんと鳴った。

 ん? 今の感覚は……

 いやいや、待って!
 これくらいのこと、初デートで男性側が気を配るのは当たり前のことよ。 
 きゅんとしたのは、ギャップが大きかったから。
 最初の印象があまりにもズボラだったから、のことをしただけで、カッコ良く見えてしまっただけだわ。

 メニューを見るフリをしながら、一華はチラリと水島を盗み見た。
 やっぱり前髪が邪魔だ。
 でも、その隙間からこちらを真っ直ぐに見つめている曇りなき瞳に気づいた途端、一気に体温が跳ね上がるのを感じた。

 何、この人。
 こんなに無防備な、人の良さそうな笑顔を向けられたら落ち着かなくなっちゃうじゃないのよ。
 しかも……笑い皺が……なんか可愛いい。
 
 なぜだかわからないが、その笑い皺にズギュンと心を持っていかれてしまった。

 どうしよう。水島さん、思ったよりいいかもしれない。

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