完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode1 マッチングアプリで育成ターゲットをロックオンしました

予想外? いいえ、想定内です! (一華side)⑥

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 頭ではダメ出しのオンパレードなのに、何故か心は惹きつけられる。
 一華は、自分の頭と心の乖離に戸惑っていた。

 どう見てもの水島に、なぜこんな気持ちになったのか。
 理由を知りたくて、その後もチラリチラリと水島を盗み見る。

 詐欺とまではいかないけれど、プロフィール写真と今とでは面差しが大分違う。
 あれは若かりし頃の写真だったらしい。

 ううう……気をつけていたつもりだったのに。
 私としたことが、見抜けなかったわ。
 性癖ど真ん中の浅黒い筋肉質な写真姿に舞い上がってしまっていたようね。

 騙された! と内心では憤慨している。
 だから彼のことはもう候補者リストから外そうと思っているのに、なぜか心がそれを拒否している。

 自分で自分が不思議で仕方ない。その理由を探して、一華は観察を続けた。

 肌は乾燥でカサついているし頬もこけ気味。
 写真の頃よりもだいぶ痩せてしまっている。
 かつての日焼けした肌は跡形も残っていない。
 すっかり色が抜けてしまっていて、むしろ色白だ。

 仕事が忙しいのかな?

 昨晩徹夜って言っていたし、きっと長時間労働や不規則な勤務のせいでやつれてしまったのだろうと思った。

 それだけ一生懸命仕事に向き合っている真面目な男性の証拠と思えば、まあ、許せないことも無いかな。
 
 
 その時、ふとメニューを支える指がとても細くて綺麗なことに気づく。

 なんて綺麗な指先! 器用そうだわ。
 もし、あれに触れられたら……

 体の芯がきゅっと疼いて、慌てて視線を上へとずらす。
 その先の、細いけれど長くて骨太な腕を見た瞬間―――

 一華の人体計測センサーが猛烈稼働を始めた。

 ピコピコピコっと脳内に彼の立体画像を浮かび上がらせる。
 
 この腕の細さから考えると、シックスパックは望めないわね。
 でも、頭の大きさ、肩幅の広さ、腰の細さ。手足の長さのバランスは悪くないわ。
 やせ過ぎなのは、私のバランス栄養メニューを食べさせればなんとかなるはず。
 髪質も悪くないからうっとうしい前髪を切って整えれば問題なし。
 切れ長の瞳には誠実な光が宿っているし、鼻筋は真っ直ぐ。少し薄い唇はシャープな印象。

 うん。好みの顔だちなのは認めよう。

 何よりも笑うとできる笑い皺がいい。
 これは歳をとるほど魅力的になるはず。
 将来ロマンスグレーの激渋ダンディになれる可能性大!

 ふふふ……
 
 何とも言えない喜びが沸き上がってきた。
  
 そうか。そういうことだったのね!

 
 想像していたようなじゃ無かったけれど……彼は磨けば光るなんだわ!
 そして私は、その将来性に反応していたということ!

 あそこをああしてここをこうして―――私がプロデュースすれば、アッと言う間に変身させられるに違いない。
 
 しかも、私好みの彼氏に。
 それって、最高!


 一華はの水島に新たな可能性を見い出して、喜びに打ち震えたのだった。

 
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