15 / 127
Episode1 マッチングアプリで育成ターゲットをロックオンしました
今度は恋を極めたい(龍輝side)①
しおりを挟む
子どもの頃から目に入ること全てが面白くて仕方なかった。
どうして? なんで?
そう思うと夢中になって調べる。わかった時の爽快感が癖になる。
だからまた、楽しくなって極める。
そんなことを繰り返していたら、いつの間にか三十二歳になっていた―――
水島龍輝は、ふと自らを振り返ってみる。
大学で細胞生物学を学んでいる時に、スキューバダイビングで海の魅力に目覚めた。どちらの好奇心も満足できるようなことを求めていたら、海洋生物の製薬化と言う面白い話を聞いて、この研究所へ応募したのだった。
熱意が認められ、採用されて早五年。大変だけれど充実した楽しい毎日だ。
だが、そろそろ新しいことにチャレンジしたいと思い始めてもいた。
新しいこと、なんだろう?
珍しくぼうーっと白衣で考え込んでいた龍輝に、先輩社員の五十嵐保が声をかけてきた。長らく彼女がいない、出会いが無いと叫んでいたが、先月念願かなって結婚したばかり。幸せオーラが漂っている。
「よう、水島。珍しくぼーっとしてんじゃねえかよ」
「はあ」
「何? もしかして、恋煩い? とうとうお前も彼女ができたのか?」
「恋……」
その言葉を聞いて、龍輝は初めて自分がまだ恋をしたことが無いと思い出した。
そうだ。俺はまだ恋にチャレンジしていないぞ。これは新しい分野だ。
でも、恋ってものは、自分一人ではできないし、自分だけが想っていて成立する話でも無いよな。どうやって始めたらいいのかな?
真剣に考え始めた龍輝をみて、五十嵐が本気で心配を始めた。
「おい、どうした。もしかして酷い女にでもひっかかったか? お前そう言うの経験少なそうだから、危なっかしい気がしていたんだよ」
「いえ、五十嵐さん、俺、まだ恋したこと無いんですよ」
「へ?」
「一度も、恋したこと無いんです」
「……お前、いくつだっけ?」
「三十二です」
「三十二になっても、恋したこと無いのか? マジで? 綺麗な女の子見て、この子とイチャコラしてみたいとか思ったことねえのか?」
「……無かったです」
五十嵐が呆れたような声をあげる。
「お前、天然記念物だわ。ありえねえ。ありえねえわ」
どうして? なんで?
そう思うと夢中になって調べる。わかった時の爽快感が癖になる。
だからまた、楽しくなって極める。
そんなことを繰り返していたら、いつの間にか三十二歳になっていた―――
水島龍輝は、ふと自らを振り返ってみる。
大学で細胞生物学を学んでいる時に、スキューバダイビングで海の魅力に目覚めた。どちらの好奇心も満足できるようなことを求めていたら、海洋生物の製薬化と言う面白い話を聞いて、この研究所へ応募したのだった。
熱意が認められ、採用されて早五年。大変だけれど充実した楽しい毎日だ。
だが、そろそろ新しいことにチャレンジしたいと思い始めてもいた。
新しいこと、なんだろう?
珍しくぼうーっと白衣で考え込んでいた龍輝に、先輩社員の五十嵐保が声をかけてきた。長らく彼女がいない、出会いが無いと叫んでいたが、先月念願かなって結婚したばかり。幸せオーラが漂っている。
「よう、水島。珍しくぼーっとしてんじゃねえかよ」
「はあ」
「何? もしかして、恋煩い? とうとうお前も彼女ができたのか?」
「恋……」
その言葉を聞いて、龍輝は初めて自分がまだ恋をしたことが無いと思い出した。
そうだ。俺はまだ恋にチャレンジしていないぞ。これは新しい分野だ。
でも、恋ってものは、自分一人ではできないし、自分だけが想っていて成立する話でも無いよな。どうやって始めたらいいのかな?
真剣に考え始めた龍輝をみて、五十嵐が本気で心配を始めた。
「おい、どうした。もしかして酷い女にでもひっかかったか? お前そう言うの経験少なそうだから、危なっかしい気がしていたんだよ」
「いえ、五十嵐さん、俺、まだ恋したこと無いんですよ」
「へ?」
「一度も、恋したこと無いんです」
「……お前、いくつだっけ?」
「三十二です」
「三十二になっても、恋したこと無いのか? マジで? 綺麗な女の子見て、この子とイチャコラしてみたいとか思ったことねえのか?」
「……無かったです」
五十嵐が呆れたような声をあげる。
「お前、天然記念物だわ。ありえねえ。ありえねえわ」
0
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる