47 / 127
Episode2 プロデュース第一弾
寄り添うための一歩 (一華side)①
しおりを挟む
一華の腕をぎゅっと挟み込むと、「ちょっと移動してもいいですか?」と龍輝が尋ねてきた。
「はい」
そう言って頷けば、子どものように嬉しそうな龍輝の顔。
つられて一華も満面の笑みになる。
一体どこへ連れて行ってくれるのかしら?
もしかして、海! まさか、今からダイビングはあり得ないわよね。
でも、都内のプール講習だったらあり得るか……
龍輝が連れて行きたいところと言ったら、海しか想像できないのは、まだ知り合ったばかりで互いのことを知らないからだと思った。
海以外のキーワードを探さないといけないわね。
『どこへ?』の言葉は飲み込んだ。龍輝のいたずらっ子のような瞳を見たら、『お楽しみってことなのね』と理解する。
二人して大きな紙袋を抱えながら電車を乗り継ぐ。颯爽と乗り込んで寄り添い合って立てば、周囲が一瞬こちらを振り向くのを感じた。
うふふ。素敵でしょう。私の彼氏!
一華はいつも以上に姿勢を正して、横の龍輝と周りの視線をキャッチする。
背の高い龍輝は、他の乗客より頭一つ抜き出ていた。ヒールの高い靴を履いても見上げる位置を確保することができて、一華はゾクゾクしていた。
そう、これこれ。この角度。
綺麗な顎のラインがセクシーだわ。シャツジャケットの紺襟とのコントラストでシャープさが増している。それなのに、その上に広がる笑い皺はキュート。
相反する魅力が混在しているのだ。
でもそれが、龍輝そのもののような気がして、一華は一人感慨深く思う。
老成した落ち着きと少年のような無垢な好奇心。
龍輝が醸し出す雰囲気は両極を示しながらも調和がとれている。
不思議な魅力に溢れていて、とても刺激的だった。
もっと知りたい!
そうしたら、彼の魅力をもっと引き出してあげられるわ。
うずうずとそんなことを考えていたら、目的地に着いたようだ。
臨海地域に作られたテクノエリア。産官学推進のために様々な知恵を集結した研究所がいくつも建っている。
目の前に聳え立つ建物の一角に作られたミニ水族館の前に来ていた。
やっぱり海!
クラゲ馬鹿に海オタク。
今までの私だったら、避けていたようなオタクぶり。
そう思ったけれど、不思議と呆れるような気持ちにはならなかった。
寧ろ、愛おしい気持ちが沸き上がる。
彼らしい……
やっぱり一華は龍輝には甘々だった。
「はい」
そう言って頷けば、子どものように嬉しそうな龍輝の顔。
つられて一華も満面の笑みになる。
一体どこへ連れて行ってくれるのかしら?
もしかして、海! まさか、今からダイビングはあり得ないわよね。
でも、都内のプール講習だったらあり得るか……
龍輝が連れて行きたいところと言ったら、海しか想像できないのは、まだ知り合ったばかりで互いのことを知らないからだと思った。
海以外のキーワードを探さないといけないわね。
『どこへ?』の言葉は飲み込んだ。龍輝のいたずらっ子のような瞳を見たら、『お楽しみってことなのね』と理解する。
二人して大きな紙袋を抱えながら電車を乗り継ぐ。颯爽と乗り込んで寄り添い合って立てば、周囲が一瞬こちらを振り向くのを感じた。
うふふ。素敵でしょう。私の彼氏!
一華はいつも以上に姿勢を正して、横の龍輝と周りの視線をキャッチする。
背の高い龍輝は、他の乗客より頭一つ抜き出ていた。ヒールの高い靴を履いても見上げる位置を確保することができて、一華はゾクゾクしていた。
そう、これこれ。この角度。
綺麗な顎のラインがセクシーだわ。シャツジャケットの紺襟とのコントラストでシャープさが増している。それなのに、その上に広がる笑い皺はキュート。
相反する魅力が混在しているのだ。
でもそれが、龍輝そのもののような気がして、一華は一人感慨深く思う。
老成した落ち着きと少年のような無垢な好奇心。
龍輝が醸し出す雰囲気は両極を示しながらも調和がとれている。
不思議な魅力に溢れていて、とても刺激的だった。
もっと知りたい!
そうしたら、彼の魅力をもっと引き出してあげられるわ。
うずうずとそんなことを考えていたら、目的地に着いたようだ。
臨海地域に作られたテクノエリア。産官学推進のために様々な知恵を集結した研究所がいくつも建っている。
目の前に聳え立つ建物の一角に作られたミニ水族館の前に来ていた。
やっぱり海!
クラゲ馬鹿に海オタク。
今までの私だったら、避けていたようなオタクぶり。
そう思ったけれど、不思議と呆れるような気持ちにはならなかった。
寧ろ、愛おしい気持ちが沸き上がる。
彼らしい……
やっぱり一華は龍輝には甘々だった。
0
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる