完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode2 プロデュース第一弾

寄り添うための一歩 (一華side)①

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 一華の腕をぎゅっと挟み込むと、「ちょっと移動してもいいですか?」と龍輝が尋ねてきた。
「はい」

 そう言って頷けば、子どものように嬉しそうな龍輝の顔。
 つられて一華も満面の笑みになる。

 一体どこへ連れて行ってくれるのかしら?
 もしかして、海! まさか、今からダイビングはあり得ないわよね。
 でも、都内のプール講習だったらあり得るか……

 龍輝が連れて行きたいところと言ったら、海しか想像できないのは、まだ知り合ったばかりで互いのことを知らないからだと思った。
 
 海以外のキーワードを探さないといけないわね。

『どこへ?』の言葉は飲み込んだ。龍輝のいたずらっ子のような瞳を見たら、『お楽しみってことなのね』と理解する。
 
 
 二人して大きな紙袋を抱えながら電車を乗り継ぐ。颯爽と乗り込んで寄り添い合って立てば、周囲が一瞬こちらを振り向くのを感じた。

 うふふ。素敵でしょう。私の彼氏!

 一華はいつも以上に姿勢を正して、横の龍輝と周りの視線をキャッチする。
 背の高い龍輝は、他の乗客より頭一つ抜き出ていた。ヒールの高い靴を履いても見上げる位置を確保することができて、一華はゾクゾクしていた。

 そう、これこれ。この角度。
 綺麗な顎のラインがセクシーだわ。シャツジャケットの紺襟とのコントラストでシャープさが増している。それなのに、その上に広がる笑い皺はキュート。
 相反する魅力が混在しているのだ。
 でもそれが、龍輝そのもののような気がして、一華は一人感慨深く思う。

 老成した落ち着きと少年のような無垢な好奇心。
 龍輝が醸し出す雰囲気は両極を示しながらも調和がとれている。
 不思議な魅力に溢れていて、とても刺激的だった。

 もっと知りたい! 
 そうしたら、彼の魅力をもっと引き出してあげられるわ。

 うずうずとそんなことを考えていたら、目的地に着いたようだ。

 臨海地域に作られたテクノエリア。産官学推進のために様々な知恵を集結した研究所がいくつも建っている。
 目の前に聳え立つ建物の一角に作られたミニ水族館の前に来ていた。

 やっぱり海!

 クラゲ馬鹿に海オタク。
 今までの私だったら、避けていたようなオタクぶり。

 そう思ったけれど、不思議と呆れるような気持ちにはならなかった。
 寧ろ、愛おしい気持ちが沸き上がる。

 彼らしい……

 やっぱり一華は龍輝には甘々だった。

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