完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode4 プロデュース第三弾

石垣島ダイビング旅行 ⑨

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 浅瀬での実習の後は、美しい白浜でお弁当タイム。
 ゴーヤチャンプルーとラフテーのお弁当はとても美味しくて、一華は感動しながら食べている。

「ゴーヤが苦くないし、ラフテーが柔らかい」
 濡れて張り付いた髪を指で払いながら、もぐもぐと幸せそうに食べている姿は、隙の無い美女と言うよりも、無邪気で可愛らしい姿。
 
 龍輝は唐突に頭を撫でたくなって、一華の頭をした。

「え!」

 口の動きを止めて目をまん丸くする一華。
 ご満悦の龍輝。

「な、なに、急に……」
「撫でたくなったから」

「二人とも仲いいさぁ」
 一緒に食べている新城が冷やかす。

「いやー、良かったよ。水島君、海と結婚するとかいい出すんじゃないかと心配になるくらい、海海海だったからさぁ」

 その言葉に、龍輝が照れた。

「まあ、今も海好きですよ。わからないこと、知らないことがまだまだたくさんあって、追いかけても追いかけても足りないくらい」
「そうかぁ。彼女もそんな女性ひとなんだね」

 新城が合点がいったように頷くと、「はい」と龍輝が迷いなく頷く。

 一華の顔が火を噴いた。一気に全身を血流が巡る。

 追いかけても追いかけても足りないくらい―――

 追われるような恋、それは誰でも一度は憧れるような恋だろう。
 でもそれは、恋に発展する前の段階の話。
 相手が必死にアプローチするも、こちらは逃げて焦らす。
『好き』と答えてしまったら終わりになってしまうから、そうならないように駆け引きを楽しむ恋。


 でも龍輝が言っている『追いかける』とは、好きとか、愛しているとかのもっと先。
 一華自身をと言う意味。
 見つめ続けてくれる慈しみ深い眼差しを感じた。

 こんな風に追いかけられることは、女冥利に尽きる。
 しかも、好きな男から。 

 どうしよう! 嬉し過ぎるわ!

 赤い顔を誤魔化そうと、パタパタと手で仰ぐ。チラリと横の龍輝を見れば、何食わぬ顔で新城さんと話し続けていた。

 もう、どこまで無自覚たらしなのよ!
 なんだか私だけドキドキして馬鹿みたい。

 でも……うふふ。そんなに私の事好き?
 もう、しょうがないなぁ。

 龍輝の前ではの呪縛から解放された一華。
 無自覚に一人百面相を始めた。

 そんな一華に気づいた龍輝。
 笑いそうになって慌てて表情を引き締めた。
 でも、その瞳は貼り付いたように一華を捉え続ける。
 
 やっぱり。一華さんは見ていて飽きないよ。
 ずっと見ていたい。

 二人の世界には頓着無く、新城の声が浜に響いた。

「さあ、もう一本行きますよ」

 
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