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Step3 胡蝶蘭男子の恋人役を務めることになりました
ワレモコウ④
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「それでは花乃ちゃん、行こうか」
優雅にエスコートされたら、また心がふわふわとし始める。
なんで私がこんな格好をして、恋人役をしないといけないのかしら?
その疑問は直ぐに解けた。
自社ホテルの最上階の宴会場。そこで待ち受けていたのは、誕生パーティーと言う名の、高梨室長のお見合いの場であったから。
有名企業のお嬢様が何人も招待されていて、マッチングするかを見定めようと言うことらしい。
で、当然のことだけれど、そんな場所へ私を連れて行った高梨室長へは、社長であるお父様の厳しい目が注がれて……次いでに恋人と紹介された私には、社長の鷹のような鋭い視線と共に、令嬢方の嫉妬の視線が針のように突き刺さった。
でも、私だって来たくてこんなところに来ているわけじゃないのに。
もう……帰りたい……。
震えが止まらなくなってしまった私を、ガッチリと抱き留めた室長。
優しい瞳が少しだけ罪悪感に苛まれたように揺れている。
「すまないね。君しか頼める人がいなかったんだよ」
その言葉に、そっかと納得した自分がいた。
そうだよね。会社の中の人に頼めるはずもなく……こんなことを頼めるのは、なんの縁も所縁もない派遣社員の私だけ。
私だったら、契約期間満了したら、後はあとくされなくバイバイだし。
高梨室長がちょっとだけ、可哀そうに思ったの。だったら、せめてこの場くらい……
望まぬ結婚を拒否する、その意思表示をするくらい、させてあげられたらいいのかなって。
きっと、彼はこの運命から逃れることはできないんだろうな。
それでも、一回くらい反抗したい。全身でNOを言いたい。そう思ったのかもしれない。
だったら、協力してあげたいよね。
『ひなたぼっこ』さんも言っていた。
『変化する明日へ期待』そんな期待する時間を、少しでもあげたい!
震える体を必死で抑えて、決意を込めた瞳で見上げた。
私の決意に、高梨室長の瞳がまた揺れた。
「ありがとう」
「はい」
大きく息を吐いて、姿勢をのばす。室長の選んでくれたシャンパンゴールドのドレスは、上品ながらも体の動きを妨げない、シンプルなデザイン。
きっと私が自分で選んでも、これを選んでいたと思う。
美しい衣装は武器。この衣装に見合う自分になろう。
「大丈夫だよ。俺は自分の信念をしっかりと持っている花乃ちゃんを知っているから。だから、絶対大丈夫だってわかっているから」
私を私として認めた上での信頼の言葉。こんな嬉しい言葉、初めてもらったかもしれない―――
自信をもらって顔をあげる。
そして、高梨室長の、怜さんの顔を真っ直ぐに見つめた。
「はい。怜さん、行きましょう」
「ああ。花乃ちゃん、よろしく」
優雅にエスコートされたら、また心がふわふわとし始める。
なんで私がこんな格好をして、恋人役をしないといけないのかしら?
その疑問は直ぐに解けた。
自社ホテルの最上階の宴会場。そこで待ち受けていたのは、誕生パーティーと言う名の、高梨室長のお見合いの場であったから。
有名企業のお嬢様が何人も招待されていて、マッチングするかを見定めようと言うことらしい。
で、当然のことだけれど、そんな場所へ私を連れて行った高梨室長へは、社長であるお父様の厳しい目が注がれて……次いでに恋人と紹介された私には、社長の鷹のような鋭い視線と共に、令嬢方の嫉妬の視線が針のように突き刺さった。
でも、私だって来たくてこんなところに来ているわけじゃないのに。
もう……帰りたい……。
震えが止まらなくなってしまった私を、ガッチリと抱き留めた室長。
優しい瞳が少しだけ罪悪感に苛まれたように揺れている。
「すまないね。君しか頼める人がいなかったんだよ」
その言葉に、そっかと納得した自分がいた。
そうだよね。会社の中の人に頼めるはずもなく……こんなことを頼めるのは、なんの縁も所縁もない派遣社員の私だけ。
私だったら、契約期間満了したら、後はあとくされなくバイバイだし。
高梨室長がちょっとだけ、可哀そうに思ったの。だったら、せめてこの場くらい……
望まぬ結婚を拒否する、その意思表示をするくらい、させてあげられたらいいのかなって。
きっと、彼はこの運命から逃れることはできないんだろうな。
それでも、一回くらい反抗したい。全身でNOを言いたい。そう思ったのかもしれない。
だったら、協力してあげたいよね。
『ひなたぼっこ』さんも言っていた。
『変化する明日へ期待』そんな期待する時間を、少しでもあげたい!
震える体を必死で抑えて、決意を込めた瞳で見上げた。
私の決意に、高梨室長の瞳がまた揺れた。
「ありがとう」
「はい」
大きく息を吐いて、姿勢をのばす。室長の選んでくれたシャンパンゴールドのドレスは、上品ながらも体の動きを妨げない、シンプルなデザイン。
きっと私が自分で選んでも、これを選んでいたと思う。
美しい衣装は武器。この衣装に見合う自分になろう。
「大丈夫だよ。俺は自分の信念をしっかりと持っている花乃ちゃんを知っているから。だから、絶対大丈夫だってわかっているから」
私を私として認めた上での信頼の言葉。こんな嬉しい言葉、初めてもらったかもしれない―――
自信をもらって顔をあげる。
そして、高梨室長の、怜さんの顔を真っ直ぐに見つめた。
「はい。怜さん、行きましょう」
「ああ。花乃ちゃん、よろしく」
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