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Step5 胡蝶蘭男子の秘密を知りました
ハナニラ④
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「別に室長に魅力が無いわけではなくて……」
「あああ、わかっているよ。そんな気休め言わなくてもいい。それよりも……安心したんだ。この世に一人くらい、たった一人の人を愛し続ける純情な人がいて欲しいなって思っていたからさ。やっぱり、花乃ちゃんは思った通りの女性だ」
そっか。そういうことだったんだ。
思わせぶりな言動は全てゲームだったから。
冷静に考えてみれば、私のことなんて室長が本気になるはずないのに。
私、すっかり舞い上がって。ばっかみたい。
室長の声がだんだん遠のいていく。
私は何を期待していたんだろう。もしかしたら室長も私を必要としてくれるかもしれないなんて、おこがましいことを考えていたんだわ。
なんか、頭の中がクラクラしてきた。
室長にとって私は、取り巻きの女性の一人で、ちょっとだけいつもと毛色の違うタイプで珍しかっただけ。
とうとう目の前も暗くなってきちゃった……
「花乃ちゃん! 花乃ちゃん!」
心配そうな声に呼び戻される。
ゆっくりと。ゆっくりと目を開く。
直ぐ目の前に高梨室長の顔。
その顔が、物凄く悲しそうで―――
どうしてそんな顔しているの?
私は大丈夫です。
心配する必要なんてないんです。勝手に心揺らいでるだけですから。
それに、もうちょっとで赤の他人だから。
もう、あなたとは二度と会わないようにするから。
「良かった。目を開けてくれて。ごめん。俺花乃ちゃんの体調を無視して連れまわしちゃったね」
「いえ、大丈夫です。ちょっと貧血になってしまったみたいで」
「……車に揺られるの辛いよね。宿をとるからゆっくり休んで」
「いえ、そんなことは!」
「いや、俺ももう運転する気力無いんだよ。だから、今日は宿をとって明日帰ろう」
「……はい」
室長が近くのペンションの予約を取ってくれたんだけれど、部屋へ入ったらびっくり。
一つの部屋、しかもダブルベッド。
「室長、あの……」
「ごめん。空きが無くて。俺、ソファベッドで寝るから大丈夫だよ。ベッド使って」
「そんなわけには」
「上司の言うことは絶対」
え! 急にそんなこと……
わざとそんな言い方をする室長。愛を知らないなんて言いながら、やっぱり優しいよ。だから私、夢を見ちゃったんです。
ごめんなさい―――私が好きになってしまったから。
室長は気づいていたんだね。私の本当の気持ち。
だから室長はこんなことを言ったんだね。
わざと冷たいこと言って、これ以上私が期待しないように。
早くあきらめさせようと思って。
「買い物に行ってくるから。寝てて」
お言葉に甘えてベッドに身を横たえたら、もう何も考えられなくなった。
枕を濡らさないように、布団を頭までかけて手で顔を覆う。
ごめんなさい。
「あああ、わかっているよ。そんな気休め言わなくてもいい。それよりも……安心したんだ。この世に一人くらい、たった一人の人を愛し続ける純情な人がいて欲しいなって思っていたからさ。やっぱり、花乃ちゃんは思った通りの女性だ」
そっか。そういうことだったんだ。
思わせぶりな言動は全てゲームだったから。
冷静に考えてみれば、私のことなんて室長が本気になるはずないのに。
私、すっかり舞い上がって。ばっかみたい。
室長の声がだんだん遠のいていく。
私は何を期待していたんだろう。もしかしたら室長も私を必要としてくれるかもしれないなんて、おこがましいことを考えていたんだわ。
なんか、頭の中がクラクラしてきた。
室長にとって私は、取り巻きの女性の一人で、ちょっとだけいつもと毛色の違うタイプで珍しかっただけ。
とうとう目の前も暗くなってきちゃった……
「花乃ちゃん! 花乃ちゃん!」
心配そうな声に呼び戻される。
ゆっくりと。ゆっくりと目を開く。
直ぐ目の前に高梨室長の顔。
その顔が、物凄く悲しそうで―――
どうしてそんな顔しているの?
私は大丈夫です。
心配する必要なんてないんです。勝手に心揺らいでるだけですから。
それに、もうちょっとで赤の他人だから。
もう、あなたとは二度と会わないようにするから。
「良かった。目を開けてくれて。ごめん。俺花乃ちゃんの体調を無視して連れまわしちゃったね」
「いえ、大丈夫です。ちょっと貧血になってしまったみたいで」
「……車に揺られるの辛いよね。宿をとるからゆっくり休んで」
「いえ、そんなことは!」
「いや、俺ももう運転する気力無いんだよ。だから、今日は宿をとって明日帰ろう」
「……はい」
室長が近くのペンションの予約を取ってくれたんだけれど、部屋へ入ったらびっくり。
一つの部屋、しかもダブルベッド。
「室長、あの……」
「ごめん。空きが無くて。俺、ソファベッドで寝るから大丈夫だよ。ベッド使って」
「そんなわけには」
「上司の言うことは絶対」
え! 急にそんなこと……
わざとそんな言い方をする室長。愛を知らないなんて言いながら、やっぱり優しいよ。だから私、夢を見ちゃったんです。
ごめんなさい―――私が好きになってしまったから。
室長は気づいていたんだね。私の本当の気持ち。
だから室長はこんなことを言ったんだね。
わざと冷たいこと言って、これ以上私が期待しないように。
早くあきらめさせようと思って。
「買い物に行ってくるから。寝てて」
お言葉に甘えてベッドに身を横たえたら、もう何も考えられなくなった。
枕を濡らさないように、布団を頭までかけて手で顔を覆う。
ごめんなさい。
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