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Step5 胡蝶蘭男子の秘密を知りました
シャクチリソバ
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「おはよう」
目を開けたら、怜さんの笑顔があった。
こんなに嬉しい一日の始まりがあったんだ。
「花乃ちゃんの寝顔、いくらでも見ていられるって思っていたけど、やっぱり花乃ちゃんに見つめられるのもいいな」
頬杖を付きながら見下ろしていた怜さんが、直ぐにキスを浴びせてくる。
「やばい! また君が欲しくなっちゃった」
「怜さん、そんな可愛いく言ったからって思い通りになるとはかぎ……」
その言葉はもちろん途中で塞がれる。
起きがけ直ぐに蕩けるような時間が始まって、結局朝日の中で汗だくになった。
「レイトチェックアウトを頼んでおいたから、ゆっくりしていて。先にシャワー浴びてくる」
横の温もりが消えただけで、シーツが急に冷たく感じてしまうなんて。
私は肩まで深く潜り込んだ。
そう言えば、洋服どうしたらいいんだろう?
そんな心配は直ぐに吹き飛ばされた。
シャワーから出てきた怜さん。
トレーナーとジーンズを用意しておいてくれた。
「昨日買い出しに行った時に買っておいたから、これ着ればいいよ」
シーツグルグル巻きの姿で、私は怜さんを軽く睨む。
「だから洋服ごとシャワーを浴びせたんですね」
「そう。だって着替えあったし。その方がセクシーな花乃ちゃん見られるし」
そんな言葉言われたら、まともに目を見れないじゃ無いの。
もう、怜さんたら。
でも、さり気なくお揃いになっていて、ペアルックのようで嬉しい。
「一緒に歩いたら、絶対楽しいと思うんだよね」
嬉しそうにそう言う怜さんが、はにかんだように笑ったのを見逃さなかったわ。
夢のような旅の時間がアッと言う間に過ぎて、私たちは怜さんのマンションへ帰ってきた。
怜さんが私を抱きしめて名残惜しそうにつぶやく。
「ねえ、俺の部屋においでよ」
「……でも」
「なーんてね。本当は一緒に寝たいけれど、そうするときっと寝かせてあげられないと思うから、今日は自分の部屋でゆっくり休んで」
「……もう、怜さんったら」
そう言いながらも結んだ手をほどかない怜さんに、私はドライブの間中、ずっと考えていたことを思い切って告げる。
「怜さん。私は雑草女子です」
「どうしたの? 急に」
「だから、自分で自分の居場所を確保するためにはどんな冒険にも出ます」
「……だから? もうさようならってこと?」
「違いますよ。その逆です。思い切って社長とお話してみませんか? 私逃げてるようで嫌なんです。社長とちゃんとお話しして、自分の場所を見つけたいんです」
「花乃ちゃん……」
驚いた怜さん、でも次の瞬間、覚悟を決めたように頷いた。
「ありがとう。そうだね。こっちから打って出よう。花乃ちゃんが一緒だったら、俺も覚悟を決める。いざとなったら……いや、それは最終手段だな。社長との打ち合わせをセッティングする。本当にすまない。ありがとう」
表情を引き締めた怜さん。
もう一度、きつくきつく抱きしめてくれた。
―――今日の花は『シャクチリソバ』。花言葉は『喜びも悲しみも共に』。
愛している人が喜ぶ姿をずっと見ていたい。でも、幸せが続くとは限らない。
愛している人を悲しみに突き落としてしまったら。
ずっとそう思って不安だった。でも……どんな時も一緒にいて支え合うこと。
それが本当の愛なのだと気づかせてくれた―――
寝る前の『ひなたぼっこ』さんチェック。
その言葉に、私は間違っていなかったと確信したの。
私はどんな時も、怜さんと一緒にいたいから。
目を開けたら、怜さんの笑顔があった。
こんなに嬉しい一日の始まりがあったんだ。
「花乃ちゃんの寝顔、いくらでも見ていられるって思っていたけど、やっぱり花乃ちゃんに見つめられるのもいいな」
頬杖を付きながら見下ろしていた怜さんが、直ぐにキスを浴びせてくる。
「やばい! また君が欲しくなっちゃった」
「怜さん、そんな可愛いく言ったからって思い通りになるとはかぎ……」
その言葉はもちろん途中で塞がれる。
起きがけ直ぐに蕩けるような時間が始まって、結局朝日の中で汗だくになった。
「レイトチェックアウトを頼んでおいたから、ゆっくりしていて。先にシャワー浴びてくる」
横の温もりが消えただけで、シーツが急に冷たく感じてしまうなんて。
私は肩まで深く潜り込んだ。
そう言えば、洋服どうしたらいいんだろう?
そんな心配は直ぐに吹き飛ばされた。
シャワーから出てきた怜さん。
トレーナーとジーンズを用意しておいてくれた。
「昨日買い出しに行った時に買っておいたから、これ着ればいいよ」
シーツグルグル巻きの姿で、私は怜さんを軽く睨む。
「だから洋服ごとシャワーを浴びせたんですね」
「そう。だって着替えあったし。その方がセクシーな花乃ちゃん見られるし」
そんな言葉言われたら、まともに目を見れないじゃ無いの。
もう、怜さんたら。
でも、さり気なくお揃いになっていて、ペアルックのようで嬉しい。
「一緒に歩いたら、絶対楽しいと思うんだよね」
嬉しそうにそう言う怜さんが、はにかんだように笑ったのを見逃さなかったわ。
夢のような旅の時間がアッと言う間に過ぎて、私たちは怜さんのマンションへ帰ってきた。
怜さんが私を抱きしめて名残惜しそうにつぶやく。
「ねえ、俺の部屋においでよ」
「……でも」
「なーんてね。本当は一緒に寝たいけれど、そうするときっと寝かせてあげられないと思うから、今日は自分の部屋でゆっくり休んで」
「……もう、怜さんったら」
そう言いながらも結んだ手をほどかない怜さんに、私はドライブの間中、ずっと考えていたことを思い切って告げる。
「怜さん。私は雑草女子です」
「どうしたの? 急に」
「だから、自分で自分の居場所を確保するためにはどんな冒険にも出ます」
「……だから? もうさようならってこと?」
「違いますよ。その逆です。思い切って社長とお話してみませんか? 私逃げてるようで嫌なんです。社長とちゃんとお話しして、自分の場所を見つけたいんです」
「花乃ちゃん……」
驚いた怜さん、でも次の瞬間、覚悟を決めたように頷いた。
「ありがとう。そうだね。こっちから打って出よう。花乃ちゃんが一緒だったら、俺も覚悟を決める。いざとなったら……いや、それは最終手段だな。社長との打ち合わせをセッティングする。本当にすまない。ありがとう」
表情を引き締めた怜さん。
もう一度、きつくきつく抱きしめてくれた。
―――今日の花は『シャクチリソバ』。花言葉は『喜びも悲しみも共に』。
愛している人が喜ぶ姿をずっと見ていたい。でも、幸せが続くとは限らない。
愛している人を悲しみに突き落としてしまったら。
ずっとそう思って不安だった。でも……どんな時も一緒にいて支え合うこと。
それが本当の愛なのだと気づかせてくれた―――
寝る前の『ひなたぼっこ』さんチェック。
その言葉に、私は間違っていなかったと確信したの。
私はどんな時も、怜さんと一緒にいたいから。
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